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電気にも品質がある その2

前回のつづきをば。

ちなみに前回は↓です。

前回は、電圧の安定化が重要だという事を挙げました。

PCや音響機器のポテンシャルを最大限に使うためには、
やはり、設計どおりの電圧を安定して供給してやる事が、大前提ですね。


で、続編である今回も、音楽制作からみた電気というお題です。
かつ、音の品質を上げるための
もう一つの重要事項は!!

ズバリ!noise(ノイズ) です。

こいつの混入を、如何に防ぐか。

一般家庭の100Vコンセントには、だいたい漏れなくノイズが乗ってきます。

まあ、レコーディングする人とか、ピュアオーディオにこだわる人以外は、気にならないレベルだと思うけれど。

で、そのノイズの発生元、つまり原因(敵)ですが、、、
それは・・・あらゆる場所にいるのです!!

LED照明→敵
スマホ→敵
PC→敵
空間を飛び交ってる電波→敵
稀に、隣の家の家電とか→敵
雷→敵

※私は見たことないですけど、医療現場での高度医療機器へ対応する、低ノイズLED照明なるものがあるらしいので、それは除外。

もはや、家電製品は全て敵ですね。

もう、もはや、これを避けるには、アルミホイルで全包囲しか(笑)

で、真面目な話、そのノイズはどうやって減らすのか。

その答えは、録音時に家電製品のコンセントを抜いてしまう!!

冷蔵庫は・・・奥さんに大目玉喰らうの確定ですので、
止めた方がいいですねw

まあ、現実的な話では、これから録音するからしばらく電子レンジとか使わないでね~とアナウンスしておく。

それが無理場合は、

(単相)200V電源を使用するか、アース付きのコンセントを使用する。

アース付きのコンセントを利用する。ノイズが発生しそうな機器や大電流・水を使用する家電には、大体アースジャックがついてるから、それを、コンセント下のアース口にとりつける。(現代の家電屋さんや引っ越し屋さんは、たいてい、設置の時に着けてくれる・・・)

アース!!

でも、古い戸建てとか、安~い粗悪な物件は、このアースが配電盤に繋がっていないケースもあり・・・繋いでも意味ないじゃん!!状態も無くはない。

ちゃんと繋がってる場合は、家の配電盤から電柱を通じてグラウンディングされてます。(地面につながってる)

単相200Vについては、、、使い方によって、法令に反する記事になっちゃうかもなので、ここでは触れないでおきます。


で、なんでレコスタとかミュージシャンが、
そこまでノイズに対して敏感になるのか?

それは、録音した音源は、
特定の帯域をブースト(増幅)させたり、
カット(減衰)したり、
コンプレッション(圧縮)したり、
エフェクト(効果)と掛けたりして、
その処理後の音源を一つの曲としてまとめます。
(これをmixdownといいます。)

とくに、コンプレッション(圧縮)というトリートメントは、
ノイズに大きな影響を及ぼします。
一般の方には馴染みが薄い言葉で、理解しづらいかもしれませんが、
解りやすく言うなら、
録音した音の成分の、
大きな音のレベルは据え置いたまま、
全体のレベルを底上げすること。です。

例を挙げるなら、
近くで犬が鳴いていて、遠くで猫が鳴いている・・・
この状況設定で、録音した音源を想像してみてください。

犬の声は、近いから、大きく録音されている。
猫の声は、遠いから、小さく録音されている。
コンプレッションとは、この犬の鳴き声の大きさを据え置いたまま、
それ以外の音(猫の鳴き声)を増幅させる事です。

それ以外の音が増幅されますから、猫の鳴き声も大きくなりますが、当然、周囲の雑音もそれに伴い大きくなってしまいます。
(例外的には、特定の帯域のみを増幅させる機器もありますが、ここでは話がややこしくなるので除外しますね)

ちょっと聴いた感じでは聞き取れない小さなノイズも、
このコンプレッションで、無視できない大きさのノイズになります。

一つの歌謡曲でも、このようにトリートメントされた音源が、数十トラック組み合わされて曲になりますから、積みあがったノイズ成分は・・・
それは恐ろしいレベルになります。

ここから更に、マスタリングという、仕上がった曲の周波数帯を整え、
先ほどのコンプレッション(マキシマイズとかリミッティングともいう)を、更に行います。
※ちなみに、世の中にはこのマスタリング・エンジニアといって、これを専業にしている人もいる・・・

だから、最初の録音時に、可能な限りノイズを減らしておきたい!のです。

まあ、近年は、混入してしまったノイズを除去してくれるプラグインすらありますから、後から処置を施す事も可能です・・・が。

余分な加工は、時間も技術も費用も浪費するので、
最初からキレイに録っておくにこしたことはない。のです。


という事で、曲の音質向上の為には、
電源も、最上流である配電盤まで遡って対処する。
そして、録音時に、ノイズの混入が可能な限り少なくする。

つまり、キレイな音の為には、キレイな電気が必要です。


皆様がお聴きになっている、ミュージシャンの曲も、

御多分に漏れず、この様なトリートメントが数多と施され、

世に出回るのです。

という訳で、今日もお読み頂き、そして、貴重なお時間を頂き
ありがとうございました。


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