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超ソーシャルディスタンス



¨I did a little dance¨


「少し踊ってしまった」




これは2020年6月8日の閣議後に記者会見を行った、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が話した言葉だ。

国内に新型コロナウイルスの感染者がいなくなったと報告を受けた時の喜びを表している。

実際に報告を受けた際、居間で踊っている姿を娘さんに目撃されたとか…

ニュージーランドは世界で最も速いコロナ対策を行った事で有名だ。

5段階の警戒基準がある中、迷うことなく3月25日時点で警戒レベルを4まで引き上げ、大規模なロックダウンを行った。

その後、減り続ける感染者を見て後徐々に3~2と警戒レベルを下げていき、ついに新規感染者数が0になった。

その後17日間連続で新規感染者が0になり、最も緩やかな警戒レベルの1へと移行。

警戒レベル1とは基本的な感染対策の徹底を行う程度で、ソーシャルディスタンスや公の場所での集まりも気にせずに行えるレベルの事だ。



ニュージーランドは他国と比較して何がすごいのか?


対策の速さはもちろんだが、それは圧倒的な感染者と死者の少なさと言えるだろう。

2020/12/6 時点 

【累計感染者数】
ニュージーランド:約2078人
アメリカ    :約1475万人
日本      :約16万人

【累計死者数】
ニュージーランド:25人
アメリカ    :約27万人
日本      :約2300人

新型コロナウィルス (COVID-19) 統計情報より引用

数字を見てもらえばわかる通り、桁違いで感染者と死者が少ない。

そもそも、人口が少ない(約500万人)事も挙げられるが、人と人の接触で感染が広がると考えるなら1つの切り口として人口密度に焦点を当てて見てみよう。

(人口密度とは1k㎡に何人の人がいるかというもの)


【人口密度の平均値】
ニュージーランド:約18人
アメリカ    :約36人
日本      :約347人

最大(東京)   :約6400人
最小(北海道)  :約66人


これが3国の人口密度を表した数字である。

日本がかなり多く見えるが、ニュージーランドとアメリカの差は2倍ほどしかない。

それでいて感染者数と死者の数はありえない程の差がついている。

もちろん州、日本で言えば各県事に人口密度は大きく異なってくるし、各国事に文化やライフスタイルが変わってくる為、一概には言えない。

しかし、人口密度と言う面で見ても他国よりコロナの被害を最低限に抑えた国と言えるだろう。



やはり決めては最速で行ったコロナ対策



きっと、誰もこんなに被害が大きくなるとは思いもしなかっただろう…。

最初に中国で感染者が出たと聞いて、危機感を持った人は少ないはずだ。

「中国大変そうだなぁ」と思う事はあっても、どこか他人事。

それは日本だけではなく他国もそうだったはずだ。

各国が経済を止めてまで対策をする程なのか?一部だけ止める方向がいいのか?とあれこれ考える中、ニュージーランドは違った。

すばやく危機を察知し警戒レベルを4に引き上げ、ルールを破る者には罰金、最悪の場合は逮捕されると言った様な徹底したコロナ対策を実践した。

結果が最短でのコロナ収束。

2019年の12月頃にコロナが中国から広まり、2020年5月には感染者が0になっている。

5か月でコロナの被害が収まったのだ。

現在、日本はコロナの被害が歴代最高とピークを迎えている。

飲食店での集団クラスターやGOTO継続問題等、まだ被害が収まる事はないだろう。

いつまでコロナが続くのだろうか?いつになったら友人と飲みに行けるのだろうか?

そういった小さい思いの積み重ねで国民にコロナ疲れが溜まっていく中、日本という国は次にいったいどんな対策を講じるのだろうか。

そういった意味でニュージーランドは国民との"ソーシャルディスタンス"をキッチリ守った国なのではないだろうか。






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