スピイベント潜入記⑤【2020年10月6日、7日「シンデレラ・プロジェクト」】
◇◇
■「未来は私達の手に」
happy「いきますよ? せーの?」
「かっこいいーー!!」
という会場の大声援を浴び、オジザイルなどの男性陣が誇らしげに手を振り、はけていった。
そして程なくしてスクリーンに表示される文字……。
さあ、お前ら覚悟はいいか?
アラ還Angels(エンジェルズ)
本当だもん。アラウンド還暦いたもん。
「パワフルステージ45」で45歳以上の洗礼を浴びたのに、まだ上がいるんだもん。
今大会最年長の奥様方のステージだ。
スクリーンには練習風景とともに、煽り文句が金色の文字でザザッとカッコよく現れる。こんなのパチンコだったら大当たり確定演出だよ。
日本の未来は 私達の手に
指ピストルのおば様達「アラカーン!エンジェルズ!バーン!」
ぐおお、撃たれたあっ!
そんで「日本の未来は」て。
あんたらはもう未来なんよ…。とっくに未来が来とるんよ。
ダンサブルな洋楽に乗せ、割と露出度の高いマドンナのような衣装を着たおば様達が現れ、踊る踊る!
たった5人で幕張メッセを沸かすのか! やるなアラ還ども!
アリーナ席からの声援がさっきまで「何々ちゃーん!」だったのに、ここだけ「何々さーん!」になっていて、もう私はそれに気付いた瞬間にあまりにも面白くて面白くて耐え切れず吹き出してしまう。
決してダンス自体を馬鹿にしたわけではない。頑張って踊っていたはずだ。笑いが止まらなくて涙目になっていたからあんまりちゃんと見られなかったけど、多分。
うちの母は62歳なので、ちょうど今この元気にノリノリで踊っている方々ぐらい。そう思うとなかなか来るものがある。
「フー!!最高ー!かっこよかったでしょう!年齢を聞いてもいいですか?」
と、一人一人に順番にマイクを向けていくhappy。
「57歳です」
「61歳です」
「62歳です」
「まだ66歳でっす!」
「62歳です」
あのさあ、そこはちゃんと段取りして「まだ66歳」のノリがいい最年長を最後に並べとけっつの!(怒)
しかしすげえな。5人で308歳だぞ。いや足すな足すな。
すると、ステージ上で堪えきれなくなったアラ還さんの一人が泣き出してhappyに近付き抱擁。
それがきっかけになったように5人とも身をよじって全員が号泣開始。
で、一人一人がhappyと熱く抱き合う。
ああ、この年長者5人だから特別よね。一応、このご時世なんで具合悪くなったら検査はしようね。
happy「フランスとかヨーロッパはないと思うけど、日本はまだ少し年齢的な縛りを感じる。だから歳を重ねるごとにどんどん元気に、どんどんやりたいことやってっていうのが日本の未来の希望に繋がると私は思っていて、だからこの方たちに思いっきり輝いて思い切り拍手喝采を浴びて欲しい。いつからだって何だってできると5人が証明してくれた」
??? おーん…。
なんか、うまく締めようとしてるけどワケがわからんぞ……。
ぶっちゃけその人らお金払ってステージに立って好きに踊ってただけやで。
■「happyの愛人」
休憩に入り、初日と同じように「富豪カラオケ」の時間だ。
(初日の様子はこちら)
今日はわりかし太めの人が多かった。(ごめんて)
なんか最後に「本気マガジン」みたいな素人雑誌作っている方々がでてきて「望めば叶いますね。happyちゃんはホンマやね」みたいに言ってた。
なんかもういいやと思ってトイレ行ったからちゃんと観ていなくてごめんやで☆
それでさ、カラオケ終わってステージが暗転してからしばらく準備にわちゃわちゃしていて全然再開しないの。
なんの時間なんだよオラァ! まいてけまいてけ!
予定より40分以上も遅れとんねん!初日に続いて!
ようやくスクリーンにタイトル。
「LOVE WORLD」
ハイでました。これ。
happyの親友にして愛人でもあることを公言している女性アーティスト(芸術家?)の愛さんの登場だ。
会場で二人のBL(GL?)ふうの同人誌が売られているのが分かるとウォッチャーは結構ざわついたものだ。
この愛さんはたしか初日のCATSにも出ていた。
さすがhappy界隈の実質ナンバーツーだけあって、音楽もダンスもやけに気合い入ってるんだよなあ……。
イケメン風の銀髪に映える化粧、黒と赤の衣装でダンサーを従えてシティーボーイっぽい音楽。
顔のまんまのハスキーな歌声。やっぱりお前さんもオリジナルソングを持ってんだな。
どこにコネクション持ってるのか知らんけど、コイツらの自己プロデュースのための力技ってすげえな本当に……。地下アイドルとかがどんだけ苦労してると思ってんだよ。
マイクの都合なのか低くてハスキー過ぎるのか、会場ではほとんど歌詞が聴き取れない。歌もまあ下手とは言わないがそこそこで、あまり響くものがない。
「オープンハートできたら奇跡」「ヘルツが響き合って」「それはもう何もこわいもんなんてない」みたいな歌詞だったけど、それはもう何も詳しく調べる気なんてない。
happyへの想いを綴ったものなのだろうか。
歌い終えると「最初間違えたー」みたいにおどける愛さん。
「こんにちはー! みんなの太陽、アイキンです!」
会場「ウギャーーーーーーー!」の「フオオオオオオオッ!!!」
初日にhappyが出てきた時ぐらいの歓声が渦巻く。すっげえなおい……。
芸術家と言っても日本人10万人中1人知っていればぐらいの人だと思うんだけど……。
そういえばhappy界隈のキャラクターデザインとかもほとんどこの人なんだよね。カラフルなダルマとか高額で売ってる感じ。
もしかしたら人気はhappyに匹敵するのかもしれない。
「企業協賛枠ということで、雑貨屋さんをしているんですが、今日は御神体である自分を売りにきました!(目を見開いて仁王立ち) 僕を買ってください!」
会場「ウギャ(略)
なーんか、もう終始ノリがきっついんだよ。
あー潜入なんかやめとけばよかったわ(今さら!?)
するとここで「HTL(happyの研究所とかいうノリのやつ)オーケストラ部の皆さん26人」が登場。
吹奏楽でもう一曲だそうだ。
「ヘルツ全開で演奏するぞー!」(愛さん)だって。ここのオーケストラでヘルツ(周波数)持ち出されるとちょっと怖い気がしてしまう。
曲名は「君を食べたい」。さっきより穏やかなポップな曲。
「君を煮込んで食べちゃおうかな」みたいな歌詞。ハスキー抑えて高めの歌声にしているのでなんとかやっと歌詞が聴きとれた。いや、さっきから歌詞を聴きとれたからなんなんだよって言われたらマジでそれまでなんだけどさ。
「愛してるじゃ全然足りないこんな気持ち」みたいに動きながら歌っている。むしろ声量が全然足りない。
ああっ!? な、なんと!
いつの間にか、鮮やかな赤い肩出しドレスを纏ってほほ笑むhappyちゃんがステージに登場だあ!
頭に可愛らしいでっかいリボンを付けているぞ?
えへへへ?37歳うふふふふ?
愛ちゃんが歌いながらhappyを指さして「びっくり!」みたいな演技。
ひざまずいて歌い、その横でhappyがドレスのスカートをヒラヒラさせながらぶりぶり踊るこの構図よ。
煮込んで食べちゃいたいぐらいムカつk 失敬、素敵な気持ちになるネ。
二人でランウェイでお手手をつないだりして楽しく歌い終えた。
愛ちゃんはhappyに向かい「(ドレス)可愛いー」。
happy「可愛いでしょう?(丸山)敬太さんにお花のドレスを作ってもらったんですう」
会場「ドワーー!」やら「可愛いーーー!」とかなんとかで「フオオオオオオッ!」
happy「敬太さん見てくれてないのまだー。あゆ(浜崎あゆみ)のドレスを見て『こんなの作って欲しい』って敬太さんにラインしたら『いいよー』って言って、それで送ったやつがたまたま敬太さんのドレスで。うれしいーもうー」
敬太さん敬太さんうるっせえなあ、てめえはよお!
有名デザイナーの丸山敬太氏(KEITA MARUYAMA)がこのスピリチュアルイベント、シンデレラプロジェクトに関わっていると知れ渡ってからしばらく経つが、何の問題があったのか実はついに最後まで本人がステージに上がることはなかった。
複雑な事情があったのかもしれない。
にもかかわらず、「敬太さんにラインしたらー」じゃないんだよまったく。
大人の事情を察してやれや少しは。
いかん。つい口が悪くなってしまった。(今さら!?)
気を取り直そう。
次回、いよいよあの大物教祖様が降臨する……。
― 続く ―