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「郵便発祥の地」

魚置き場だった最初の郵便局

★ジャンル【産業】
★場所 中央区日本橋1-18-1
★最寄駅 JR、東京メトロ駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
「ここは、明治四年三月一日(1871年4月20日) わが国に新式郵便制度が発足したとき駅逓司 と東京の郵便役所が置かれたところです」

★解説
 江戸橋の南にある日本橋郵便局の2か所に「郵便発祥の地」の記念物があります。
 1か所目は昭和通りに面した通用口脇で、「郵便制度の父」と言われる前島密(まえじま ひそか)像の下に、「郵便発祥の地」と彫られています。設置は1962年で、通便制度開始90周年を記念して設置されました。揮毫は設置当時の郵政大臣迫水久常(さこみず ひさつね)で、この人は終戦時の内閣書記官長で、玉音放送された終戦詔書を起草した人物として有名です。前島密像には「先生」とつけてあり、並々ならぬ敬意です。
 もう1か所は正面の入り口脇に銘板があり、ここに「碑文」の文章が掲げられています。
 江戸時代の手紙は、旅をする人に託したりするのが普通で、幕府や諸藩の公用や大商人などは飛脚を利用しました。しかし飛脚は高価で全国統一システムではなく、天候などでしばしば遅れました。江戸から関西に4日以内に届く大至急便では、4両(40万円ぐらいの感覚)かかったといいます。
 近代国家の発展には安価で確実で全国一律に書状を届ける「郵便制度」が必須だと考えた前島は、1870年に郵便制度の設立を政府に提案します。前島はその直後に郵便制度視察のためにイギリスに渡り、翌年の1871年、郵便制度に関する太政官布告が出され、東京・京都・大阪に郵便役所を置き、郵便制度が始まりました。料金は25里(約100キロ)以内100文(感覚的に1000円から2000円程度)と、飛脚と比べると格安になりました。
 開始時にこの制度を担った駅逓司(えきていし)と東京の郵便役所が、今の日本橋郵便局の場所にありました。当時、江戸橋はもっと東側にあり、江

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