「良い歯の日発祥記念碑」
ちょっと違う「良い歯」と「いい歯」
★ジャンル【社会】
★場所 墨田区横網1-10-2
★最寄駅JR、都営地下鉄大江戸線両国駅
これまでの23区発祥の地一覧
★碑文
「歯科界の黎明期に本所歯科医師会は入江義次 五十嵐庭治君等の提唱で口腔衛生普及運動を起した その始は奥村鶴吉 加藤清治 川上為次郎 岡本清纓 高津武の諸先生に依頼して当時の本所高等小学校(現墨田区立両国中学校)で区内学童の口腔診査を実施した 会員の積極的活動とライオン歯磨の後援によってこの運動は日本歯科界最初の企画として当時の新聞に報道された この時学童数名を選び表彰状と「良い歯の日」と記したメダルを贈った 大正十四年(一九二五年)十一月七日のことである 本会の唱導は多くの反響をよび後年「ムシ歯予防デー」として発展するところとなった 本会発足五十周年に当り国民保健向上の一齣であるこのことが永く後世に伝わるようにこの碑を記念事業として建てるものである」
★解説
両国駅北にある江戸東京博物館のさらに北側に、途中から博物館の敷地となって通れない車道がありますが、そこから北に伸びる遊歩道の両国中学校出入り口脇にあります。
虫歯というものは人類の歴史の中では比較的新しいものです。狩猟採集時代、日本で言うと縄文時代あたりまで虫歯はほとんどなかったそうです。発生率は1%程度。それが農耕時代、主食がデンプンになると発生率が増大し10%近くになります。さらに産業革命後、世界に砂糖が流通しだすと虫歯率は4割にもなってしまいました。
近年の日本では特に子供の歯科検診体制の充実などで子供の虫歯は劇的に減っています。10歳から11歳の虫歯保有人口は、1987年の90%が、2011年には34%にまでなっています。このため最近では虫歯の多い子は親の育児放棄や虐待を疑うサインとまで言われるようになっています。ただ、世界の先進国の中では、日本はまだまだ虫歯の多い国です。
こうした成果は、明治以降の歯科医学の発達や特に虫歯予防運動の発展、普及の成果といえますが、その原点の一つがここです。
「いい歯の日」(11月8日)は、現在は日本歯科医師会の歯科保健啓発活動のPR重点日になっています。しかしそのようなった歴史は新しく、1993年からのことです。それの先立つ70年近く前に「優良歯牙表彰式」を実施し、
これより有料です。以下には記事全文のほか、写真、地図、関連情報リンクなどがあります。ご購入いただく場合、この記事だけで100円お支払いいただくより、マガジン「東京23区発祥の地めぐり」全体を500円でお買い上げいただく方がお得かと思います。最終的に数百本近い記事をご覧になることができます。よろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?