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「東京高等蚕糸学校発祥之地」(東京農工大学発祥の地)

日比谷から移り、研究所から学校に

★ジャンル【学校】
★場所 北区西ケ原2-3
★最寄駅 東京メトロ西ヶ原駅

★碑文
「明治十九年十月 麹町内山下町より移設 農商務省蚕病試験場
 明治二十九年三月 改称 農商務省蚕病業講習所
 大正三年三月 文部省移管 東京高等蚕糸学校
 昭和十五年四月 移転 現東京都小金井市
 昭和十九年四月 改称 東京繊維専門学校
 昭和二十四年五月 昇格 東京農工大学」

★解説
 東京メトロ西ヶ原駅を降り、地上に出たところにある花と森の東京病院(旧大蔵省印刷局病院)の道路に面した敷地外れの植え込みにあります。
 千代田区にある発祥の地「農産陳列所蚕病試験場跡」でも書いた通り、東京農工大の前身となった東京繊維専門学校は現在の新宿御苑で誕生し、一旦消滅したのち帝国ホテルの場所で復活。この西ヶ原に移ってきます。新宿御苑から帝国ホテルまでは、農商務省管轄のカイコに関する研究機関、という側面が強いものでした。
 1874年に内務省勧業寮内藤新宿出張所(現在の新宿御苑内)蚕業試験掛として誕生した際には、当時の重要輸出品だった絹を生むカイコの研究機関でした。それまでは日本中でカイコが育てられてはいましたが、それは農家の経験や伝承に従ったもので、科学的研究はなされてこなかったからです。
 その後1879年に蚕業試験掛は廃止されますが、1884年、日比谷にある現在の帝国ホテルの場所で蚕病試験場として復活します。これが移転したのが碑文にある1886年の移転です。
 その後1896年に蚕病業講習所となり、さらに1914年にカイコの研究機関「蚕業試験場」が設立されると、機関の重複を避け、研究と教育を分離するために文部省

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