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「東京高等工芸学校創設の地」(千葉大工学部発祥の地)

一つの学校から二つの学校へ

★ジャンル【学校】
★場所 港区芝浦3-3-1
★最寄駅 JR田町駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
敷地外解説板
「東京高等工芸学校は、工業製品を美しく、かつ機能的に創造する技術を学ぶ高等教育機関として、大正10年12月この地に創設され、戦時下の昭和19年3月東京工業専門学校と改称されました。常に日本の工芸産業教育の指導的地位にあり、また多くの留学生を教育するなど、工芸技術の発展に貢献し、その出身者は「芝浦の出身」という愛称で重用されました。また、東京高等工芸学校は、わが国ラジオ放送発祥の地でもあります。大正14年3月には、その図書室から日本で最初のラジオ電波が送り出され、日本放送協会は当地に「放送記念碑」を建立しております。しかし、昭和20年5月の空襲により、校舎、工場等が灰塵に帰したため、戦後同年10月、学校当局は当地での再建を断念し千葉県松戸市に移転、昭和24年の学制改革により新制大学の千葉大学工芸学部となりました。昭和26年、工学部と改組、昭和39年千葉市弥生町に移転しましたが、当地に根ざした「実利と美とを一体に」という建学の精神は、脈々と受け継がれています。後方に見える青銅と黒御影石の碑は、当地にあった東京高等工芸学校(現千葉大学工学部)を記念し、工芸産業教育発祥の地として同窓生有志が建立したものです。聖火を中心にマーキュリーの羽根をあしらい、それにハンマーと筆を組み合わせた校章をかたどっています」

敷地内記念碑
「東京高等工芸学校は1921年(大正10年)12月この地に創設された。工業製品を美しく、かつ機能的に創る技術の高等教育機関を提唱された東京高等工業学校(現東京工業大学)教授松岡壽、安田禄造両先生のご努力により生まれた。工芸図案、工芸彫刻、金属工芸、精密機械、木材工芸、印刷工芸、写真の7学科があり、今日の工業デザイン思想の基礎となる科目が創設されていた。また創設の地を芝浦に定め、東京港の躍進と、銀座の町に展示された近代工芸品とから『実利と美』とを体得し、あわせて制服を当時のいわゆる学生服とせず、背広にネクタイ、フェルトの中折れ帽子として、紳士たるの意識を涵養するようにした。しかしこの母校は1944年3月東京工業専門学校と改称、翌年5月には戦禍で焼失して千葉県松戸市に移転を余儀なくされ、1949年の学制改革で、千葉大が工芸学部として再発足したが2年後には工学部と改組、1964年に千葉市に移転した。これより先1924年(大正13年)に設けられた付属工芸専門学校は幸いに戦禍を免れてこの地に残り、1951年東京工業大学に移管され工学部付属工業高等学校となった。2001年12月吉日、母校創設80年の記念すべき年に同窓生一同相謀りこの記念碑を建立、東京工業大学に寄贈した。」

★解説
 田町駅の芝浦口(東口)を出た右側に東京工業大学附属科学技術高等学校があります。その敷地の外、田町駅東口交差点そばの歩道上に解説板があります。碑はそこから校内をのぞくと見えます。今は東工大の附属校なのに、どうして千葉大工学部の発祥の地なのでしょう? これにはいろいろと経緯があります。
 元々はこの東京高等工芸学校は、東京工業大学の前身の東京高等工業学校工業図案科の後進の学校でした。工業図案科の設置は1899年(明治32年)。工業図案科とは、今で言う工業デザイン(インダストリアルデザイン)を学ぶ学科です。しかしまだ新しい概念だった工業デザインは教育行政の計画者たちによく理解されなかったらしく、「図案なら美術だろう。では芸術学校の方がいい教育になる」と、なんと1914年(大正3年)に廃止され、東京芸術学校(今の東京芸術大学)に移管されてしまうのです。ビックリですね。
 しかしさすがに美術学校の下ではいろいろとうまくいかず、廃止当時の工業図案科長だった松岡壽(まつおか ひさし)や卒業生だった安田禄造(やすだ ろくぞう)は、美術とは異なる産業工芸教育の必要性を訴え続けました。その結果1921年(大正10年)になって、独立した専門学校として再発足することになりました。
 松岡は画家でしたが、工業デザインに理解が深く、初代の校長となります。安田は小学校の教師から工業図案科に入り、オーストリアに留学して工

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