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「日本労働運動発祥之地」

キリスト教的「友愛」精神も日本労働運動の源流の一つ

★ジャンル【社会】
★場所 港区芝2−20−12
★最寄駅 都営三田線芝公園駅

★碑文
「大正元年(1912年)8月1日この地に在った基督教ユニテリアン教会「唯一館」において鈴木文治ら15名が「友愛会」を創立し、それ以来、我が国労働運動は継続して発展して来た。この故をもって、ここは我が国労働運動発祥の地であり、労働運動の主流を形成して来た由緒あるところである。この歴史と伝統を継承する日本労働会館と友愛会館は、友愛会創立66周年を記念して建碑する」

★解説
 増上寺前の日比谷通りを南に行き、芝園橋を渡って歩道橋のある左側の三田会館裏にあります。
 碑名の「労働運動」がミソで「労働組合」でないところにご注意ください。
 日本の労働運動は、近代的工場、企業ができはじめた明治初期から散発的に起こってきました。ストライキなどの労働争議は明治10年代からありましたが、「労働組合」といった継続的団結には至りませんでした。
 それが明治10年代後半になると、活版工や鉄工などの中から労働組合を作ろうという動きが出ますが、なかなかうまくいきませんでした。その後日本の資本主義も発達し賃金労働者が増えてくると、いよいよ労働者の団結気運も高まります。
 1897年(明治30年)には、片山潜(かたやま せん)らが労働組合期成会を立ち上げますが、治安警察法などの施行で弾圧され、1901年(明治34年)には解散してしまいます。
 こののちにできたのが友愛会です。友愛会の元となったユニテリアン教会は、キリスト教の一派ですが、かなり異端です。4世紀に成立した三位一体説(神、精霊、キリストは同一であるという教義。現在のキリスト教のほとんどが採用する。つまりキリスト=神ということ)を否定しており、また他の宗教にも極めて寛容でした。
 ユニテリアン教会は1894年(明治27年)にこの碑の場所に「唯一館」とい

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