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褒め称えよ、己自身を

今年も残すところ、あと半月足らず。
去年の今頃、まさか世界がこんな事になっているとは夢にも思っていませんでした。まさに激動の一年と言っても過言ではないでしょう。
振り返れば本当にいろんな事がありました。
蔓延する例のウイルス、度重なる炎上騒動、経済を動かすほどの鬼滅ブーム、槇原敬之また覚醒剤所持で逮捕、等々……。
語りだすとキリがありません。マッキーだけちょっと弱いな。

抗いようのない事象に翻弄され、心は疲弊してきます。このモヤモヤはどう解消したらいいのでしょうか。どこかに、誰かにぶつけるべきなのでしょうか。それとも、ぐっと堪えて飲み込むべきなのでしょうか。どちらにしたって誰かは傷つき、また誰かは我慢をしなければならない。そんな状況を生むだけの負のループがその先には待っています。我々はこのままダメージを蓄積させていくしかないのでしょうか。

否。

そんなはずはありません。そんな事があってはなりません。世界が敵に回るなら、誰も自分をケアしてくれないなら、自分が自分のケアをするしかない。そうです。己をリカバリーするのです。
褒めましょう。褒め称えましょう。崇め奉りましょう。己自身を。
生きろ。そなたは美しい。
みんな違ってみんないいに決まっているのだから。


よって、ここに「N-1グランプリ2020」の開催を宣言いたします!

N-1グランプリとは、今年一年間で書いた自分のnoteの中から上位十作品を選出し、順位を付けた上で一つ一つに解説を添え、とにかく自分で自分の作品を誉め称えるという、文学的公開自慰行為の賞レースです。選ぶのも自分、選ばれるのも自分です。そして祝うのも自分、喜ぶのも自分。スキの数、閲覧数、他人の目や評価なんて関係ありません。自分だけが楽しめて、自分だけ気分が良くなる為の、自分の自分による自分の為の賞レースです。当コンテストに参加する際にはハッシュタグに「#N1グランプリ2020」とつけてください。僕も主催者として責任をもって、暇があれば読みに行きます。行けたら行きます。多分行かないけど。

※事の発端はコチラを参照↓(リプ欄でもうだうだやってます)


では、さっそくいきましょう。

10位

【風のように攫ってよ】

お馬鹿な小学生男子「僕」と、ちょっぴりおませさんな小学生女子「井上さん」の瞬くような恋を描いた作品です。まず冒頭の教室のシーンがノスタルジックで素敵ですし、起承転結における「転」の部分の唐突さに痺れます。人によっては「なんでそうなるの!?」と、あまりの急展開に振り落とされそうになるかもしれませんが、当時の僕はそれこそが正攻法だと信じてやみませんでした。ちょっと残念な子だったもので。
この話は面白いですね。ネタ自体も然ることながら、話を展開させていくテンポも良い。ある程度笑わせて、飽きさせないうちに締め括る。その潔さ、スピード感。まさに風のように掻っ攫っていく様はエクセレントの一言に尽きます。あと、これを新年早々書いてるっていうのもすごい。投稿日、一月十日ですよ。絶対他にやるべき事があると思う。
今となっては井上さんの顔なんて、まったくもって思い出せませんが、あの一瞬だけは本当に恋をしていたのです。そんな、ほんの少しだけほろ苦い恋のメモリー。逆佐亭 裕らくの傑作「風のように攫ってよ」が第10位でした。


9位

【総員Sucker】

中学生のときに、ただなんとなく入部したサッカー部での思い出を綴った名作です。
僕の過去を描いたエッセイにちょくちょく登場する田中ですが、本作でもしっかり活躍してくれました。まさに漫画家さんとかがよく言う、「キャラが一人歩きする」ってやつですね。まぁ、実在する人物なので一人歩きも何も、普通にその辺歩いてるんですけど。
これけっこう好きなワードが散りばめられてて、「熱血タイプのポケモン」とか「メンヘラ女よりも重い」とか「DV男予備軍か」とか、とにかく僕のワードセンスが光る作品です。オチもバッチリ決まったし、言う事はありません。noteさん公式のお題で書きましたが、noteさんからは一切音沙汰がなかったです。多分、見落としているだけでしょう。こんなに面白い話が選ばれないワケがないですものね。


8位

【もしも君が泣くならば】

傷ついている人を笑うって最低だと思うんですけど、それでもついつい笑ってしまう。そんな後期傑作の一つです。本人からしたら切ないんだろうけど、最後はどこか爽やかに微笑むことの出来る失恋の話です。いや、僕のではなく。友人の。まだ書いていないだけで、こういうエピソードが“山の数ほど”あります。
高校一年生の時の話ですね。僕という人間が周りからどう見られていたかというのが実によくわかる描写が若干引っ掛かりますが。
冒頭のなかなか重い腰を上げないところから、一気に加速していく展開は目を見張るものがあります。ぐいっと引き込まれる感覚が気持ち良いです。
筆力よ。己が筆力よ。天井知らずの才能よ。もはや恐ろしい。
またこんなん書きたいなぁ。来年の目標の一つにしよう。


7位

【海老天クライベイビー】

まずタイトルが素晴らしい。どこがどう素晴らしいのかは、よくわかんないんだけど。意味もよくわかんないし。でも感覚的に惹きつけられる魅力というか、引力を感じます。アジカンの曲名から拝借したのと、「海老天くらいで子供じゃあるまいし……」というダブルミーニングがキマっているワケです。もう、そういうとこ超技巧派。職人芸と言っても過言ではないですね。
内容も勿論良きかな、です。クソ面白い。自分でも笑いながら書いた覚えがあります。最後ちょっとだけ怒ってたけど。思い出し笑いと、思い出し怒りを同時にするって凄くないですか?天才なのでしょうか。素敵。抱いて。天才クライベイビー。


6位

【あの日の居酒屋から愛を込めて】

たまにこういうのをぶっ込んで来るのが油断なりません。ニクいね、裕らくさん。前半、普段通りの作風で小ボケを挟みながら、少しずつ少しずつ本題、話の本質に引きずり込むような技がキラリと光る傑作です。筆力よ。己が筆力よ。目覚めよ、大地よ。大地関係ないか。
私設賞応募作なのですが、見事受賞しました。本当にありがとうございました。創作って楽しいけど、苦しいですよね。楽しいけど。いや、楽しいんですよ。何度転んでも、辛酸を舐めさせられても。我々は辞められないじゃないですか。実際に辞めてないじゃないですか。僕も貴方も。それが答えだと思うワケですよ。僕ぁね。それでいいじゃんか、って今も変わらず思ってます。あと「それぞれの路線のホーム」ってワードが二回出てくるんですけど、この一回目と二回目の意味の違いに気づいてもらえたらすごく嬉しいです。それぞれに“路線”はあるし、そこにはそれぞれの“ホーム”があるんです。はい、シビれたね。ファンレターはTwitterのDMでお願いします。


5位

【男子高校生の非日常】

自分で言うのもなんですが、まさに“真骨頂”です。持ち味をフルに活かした作品といったところでしょうか。「こういうのを待ってたんだよね!」って心から言える名作ですよね。現在から過去、そしてまた現在へ、という時系列もなかなかよく出来ているし、メインである過去の話だけではなく、その前後でもしっかりポイントをゲットしているところに笑いへの並々ならぬ執念を感じます。あと地味に「無論、Zに意味はない」って一文が最高です。そこが一番面白いです。
青春って面白いけど、やっぱかっこわるいし、汚いものなんです。だからこそ愛してやらなきゃいけないじゃないですか。そんな泥まみれでダサい日々を笑いに昇華させて初めて、「あの頃はよかったな」って笑えるんですよ。
知らんけど。(←これ一回ちゃんと使ってみたかったんです)


4位

【放て、紅蓮無双百連撃】

「えー!これ4位かぁ!もっと上だと思ってたけどなー!」
という声が聞こえてくるようです。というか、聞こえました。よくよく聞いたら自分の声でしたけど。でも、思わず自分で言っちゃうくらい自信作です。これ本当に面白いと思う。文句無しに笑える傑作だと思うんですけど、応募したコンテストには掠りしませんでした。どうなっているのでしょうか?おそらく審査員の皆様がメガネを忘れて画面がよく見えてなかったのでしょう。
会話だけで物語を展開していくのって、何気に難しいんです。今どっちが喋っているのか、ってのを明確に読み手に伝えないといけないワケじゃないですか。それとなく。その辺の匙加減と設定が絶妙です。あと、会話の内容だけで、今何が起こっているのかも読み手に提示していかないといけない。これもまた難しい。でも、その辺も上手くクリア出来てると思うんですけどね。オチに繋がる伏線もしっかり回収できたし、初めから最後まで無駄のない、いや、見ようによっては無駄しかない展開には脱帽です。頭を空っぽにして読んで笑って、そして読み終わった後に何も残らない。理想形の一つです。
あと余談ですが、僕の脳内ではこのやり取りは、バイきんぐのお二人に演じてもらっています。どっちがどっちかは言わずもがなでしょう。


3位

【元バンドマンの半分は黒歴史で出来ている】

これはもう堂々のトップ3入りです。THE 力作って感じ。
この世の中で一番馬鹿な生き物が中学二年生男子だと思うのですが、二番目はバンドマンだと思っている僕です。でも馬鹿だからこそ。馬鹿であればあるほど、愛おしい。そう思うんです。
全三篇にわたって元バンドマンの苦悩を書いておりますが、すべてにちゃんと山場を持ってくるというボリューム感が完全にバグってる傑作中の傑作です。オチも素晴らしい。要所要所で伏線を難なく回収していく様はついつい「It's cool!」と言ってしまいがちです。
実際、この作品でフォローしてくださった方も多かったです。
たくさんの方に読んでもらえて幸せでした。被ダメージ量が半端じゃなかったですけど。途中で「俺は何の為にここまでして書いているのだろう」と自問自答しちゃいました。それでも読んでくださった方が笑ってくれるなら、と思い、血の涙を流す勢いで書き上げた作品です。その見上げた博愛精神。伝記を出版されてもいいくらいです。国民栄誉賞をもらってもいいくらいです。あ、CDは無事すべて叩き割れました。もう皆様があの曲を聴くことは無いでしょう。清々しました。


2位

【遺書】

これ、マジで凄くないですか?
笑えるのに泣けるんですよ。一つの発明だとすら思っています。ゲラゲラ笑いながらちょっとしんみりして、最後ホロリと泣けるとか、もはや宮藤官九郎さんが1クールかけてやることを朗読時間にして十分足らずでやっているようなものです。怪物でしょ。ほんと。
笑えるnoteを書く作家さんはたくさんいます。泣けるnoteを書く作家さんもたくさんいます。でもそれを一記事の中で同時にこなせるのは、note広しと言え、そういないでしょうね。底の見えない男ですよ。僕って人は。
タイムラインに並んだ時の、タイトルと表示されている冒頭数行のインパクトもいいですよね。ドキッとするじゃないですか。二度と使えない、一発限りの手法ですが、そこでこの会心の一作が出せたのはある意味では僥倖というやつかもしれません。
どうだろう。これがタイムラインに表示されて、思わずクリックして、読み終わった瞬間に「やられた!」と悔しく思った方はいるのでしょうか。僕だったらめちゃくちゃ悔しいと思うんだけどなぁ。

さて。
ではいよいよ1位の発表です。
栄えあるN-1グランプリ2020、王者noteはこちら!



1位


【ハートに火をつけろ!】

はい、天才。
完全無欠とはこの事でしょう。断トツです。全編通して一切無駄がない。
元々、前置きが長いというか、比較的スロースターターな僕ですが、これに関しては、初っ端からトップギアです。掴みから〆まで、全てにおいて面白い。もう、独りで爆笑しながら書いたし、今久々に読み返したらやっぱり笑いました。素晴らしい。正直、この手の方向性でこれ以上のものは、多分もう書けないと思います。書き上げたときに「すげーもんが書けた!」とワクワクしたのを覚えています。「早く投稿しちゃいたい!」っていう。普段はあまりないんですけど、これはそう思いました。
正直言って「僕がこの一年で書いたnote」に限らず、このnoteというプラットフォームで今年投稿された全ての記事の中でも五本の指に入るくらい面白いと思っています。
そのときの自信の表れは、書き終わって投稿した際に、自らシェアしたツイートの内容からも窺い知れます。

もう、本当にこれ。この一言。これでダメならもういいです。マジで。
毎回書く度にこれが言えたらかっこいいんですけどね。



【総括】

いやぁ、褒めた褒めた。初めてこんなに自分を褒めまくりました。
自画自賛だけで五千文字も書くとか狂気の沙汰です。頭がどうかしてると思います。しかも平日の早朝四時に。二時間後には起きて仕事に行かなきゃいけないのに。頭がどうかしてます。
でもいいのです。今年もいろいろありましたし。それなりに頑張ってきましたし。せめて自分くらいは自分を褒めてあげないと。やってられないじゃないですか。来年もやろ。これ。確実にフォロワーさん減るとは思うけど。


というワケで、自画自賛の最高峰を決める、N-1グランプリ2020でした。


御後が宜しい様で。



お金は好きです。