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おさまりきらなくてもいいんです〜美術館さんぽ3/14〜

「現代のやきもの 思考するかたち」菊池寛実記念智美術館

注)この企画展は現在終了しています

そびえ立つビルのふもとの美術館

半月ほど前の記録になる。
東急メトロパスを利用して都内の美術館めぐりをした。
ひとつ目はご覧の菊池寛実智美術館。
虎ノ門からも神谷町からも徒歩圏内。虎ノ門側は登り坂がきついので、私はいつも神谷町から行く。
きくちかんじつともびじゅつかん。
始め読み方の区切りが分からなかった。
実業家である菊池寛実の長女・智は現代陶芸のコレクターであり、当美術館の設立者。
現代陶芸の紹介を目的として開館したという。

とはいえ、美術館との出会いは陶芸ではなく竹工芸だった(2018 「線の造形、線の空間」展)。
個人邸宅のような佇まい、ガラスの手摺に導かれるようにして地下の展示室に降りていく…そんな隠れ家のような美術館をすっかり気に入ってしまった。
年に3、4回の企画展が催されるが、だいたい足を運んでいる。年を重ねて、やきものが気になってきたせいもある。

やきものといえば、一般的には食器のような器の形を真っ先に想像するでしょう
現代陶芸の形の豊かさと、その根源にある作家の創意に迫る

展覧会チラシより


私もそうだった。
やきものの表現世界の広さにおどろくばかり。
器じゃなくてもいい。何でも作っていいんだ!と。
タイトルの「思考するかたち」。
この「思考」とは作品と向かい合う私達の「受容」でもあると感じた。

なぜこの形になったのか?
足を止めて、違う角度から眺めてみる。
滑らかさ、艶めき、武骨…いろんなことばが生まれてくる。

印象に残った作品をいくつか。

隠崎隆一《丸板皿》
その大きさ。質感。色の深み。
何度も引き返して長い間見つめていた作品。

栗木達介《しろとぎんの作品》
陶器なのに布のようなあたたかみを感じた。
チラシにも使われているユニークな形の器。

辻晴明《信楽陶缶》
パインの缶詰を開けた状態をイメージして作陶したという。意表をつく視点。
ほかにも《信楽ステッキ》《信楽帽子》が展示されていた。ステッキはフランスパンのようなボリュームで可愛らしかった。

しんとしたイメージのやきものの内側に
転がるような楽しさがある。

続いて東京駅へ。

東京ステーションギャラリー

佐伯祐三展。テレビでも特集されていたので
平日でも場内は混んでいた。
むかし美術検定の勉強をしたときに出題された画家。
しかし作品を目にしたのは初めてだった。
厳選された代表作100余点。
構成が面白く、年代でなく彼が拠点とした街で分かれていた。
大阪、東京、パリ…。
短期間で次々と技法を取り入れ、作品は変貌を遂げていった。
大阪・中之島美術館に巡回予定だが、
どうやらそちらのほうが展示作品数が多いらしい。まだ行ったことのない美術館なので
大いに気になるところ。

その後蔵前と御徒町の高架下をぶらぶらしたり、テッパン土産の「わかば」の鯛焼きを求めて四ツ谷まで行ったりした。
心もお腹も満腹。
メトロパスも満喫。

注染手ぬぐい、ミモザ柄✨


そしていつもの





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