見出し画像

ゆるんでほぐれてきゅんとして〜美術館さんぽ2/2〜

「特別展 癒やしの日本美術ーほのぼの若冲・なごみの土牛ー」山種美術館

かわいいものは単品でもかわいいのだが、数が増えてかたまりになるとマシマシになる。
どうでしょう、仔犬たち。
唯一撮影可能だった、長沢芦雪《菊花子犬図》。小さなほわほわ、組んず解れつ、たまらない構図。
すみません、犬派なもので。

昨年12月から展示していて、こちらも年をまたいでしまった。
先週ようやく講座が終わり、解放感からお出かけすることに。

山種美術館の最寄り駅は恵比寿。
いつもは恵比寿から少し歩いて、坂を上ってゆく。
電車の時間を調べていたら、代官山から歩く経路が出た。恵比寿と大して変わらない。
それなら乗換なし、代官山から行ってみよう!と意気込んだ。

でもね…方向音痴。
地図アプリも回してしまう。自分の現在位置がよくわからない。

案の定迷った。

近いから油断したけど、午後からのおでかけは鑑賞時間が限られている。
入館は16:30まで。
代官山から恵比寿を目指したはずが、まんまと渋谷に近づきつつあり焦る焦る。
(並走するバスの行先で気がついた)
慌てて向きを変えて、何とか恵比寿駅。
初めから恵比寿で降りれば良かった…。

「癒やし」「ほのぼの」「なごみ」
タイトルから想像できるように、かわいくて親しみやすい日本画が集められている。
年始にちなんだ七福神とか。子どもや動物のテーマもたくさん。

頬が緩みっぱなしで心がぽかぽかする感じ。
若冲も細密画からは想像できない、とぼけた表情の《鶏図》。《お福図》からは「いやですよ、うふふ」なんて笑い声が聞こえてきそう。
江戸時代の「ゆるかわ」でほぐれたあとは、風景に癒やされる。
吉田善彦《五月の沼辺》は初めての作品だったけど、あわい色彩の水辺が魅力的で、ベンチに座って見つめ続けた。ほとりで時を過ごしてみたい。
雨や風の表現が秀逸。目で捉えにくいものを工夫して表している。
そして、かわいい動物・子どものオンパレード!仔牛に山羊に羊の親子。土牛のアンゴラウサギは毛のほわほわ感が溢れていた。

 目が楽しいから生き物を描くのが好き

その気持ちが見る側にも伝わっている。
じっと見つめて細かいところまで描き込んで。毛並みや瞳の濡れた感じ、生まれたての少し頼りない表情…守りたくなる。

ミュージアムショップを挟んだ反対に第2会場がある。
心が解き放たれる絵画。
菩薩や観音様など想いのこもった作品が並んでいた。

展示フロアは地下にあり、そう広くはない。
でも散歩するようにゆっくりと鑑賞できる。
土地柄か、着物姿のマダムもお見かけした。
1階の喫茶室では展覧会にちなんだ和菓子が楽しめるんだけど、あいにくタイムオーバー…閉店していた。

次は恵比寿から歩いて来よう。
もう少し早い時間に。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?