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『後世への最大遺物/デンマルク国の話』を読む┃古典に触れる100日

#30分読書習慣 、101日目からの100日間は古典を読むことにしています。101~104日は、オイゲン・ヘリゲルの『日本の弓術』を読んでいました。

そして、105日目からは内村鑑三の『後世への最大遺物/デンマルク国の話』を読んでいます。

読み終えた今は、この本は講演録がベースになっているから、聞き手を退屈させないよう、ユーモアや関心を引く内容を交えながら進めたんだろうと思っています。ただ、先にどんな話が続くかがわからなかったので、このときは悲しい気持ちになりました。聞き手は全員男性で、女性はいなかったのかもしれません。

そう、「文学というものはわれわれの心のありのままをいうもの」という一文も出てきて、じゃぁあの源氏物語批判はなんだったんだろうと思ったんでした。と同時に、どうやら内村鑑三が伝えたいのは小説うんぬんではなく、もっと別のところにありそうだぞと気づいたのもこの頃です。

後世への最大遺物とは、次の世代に何を遺せるのか、という問い。ここでそれが何なのかが明かされます。その言葉は、読んだ後にじわじわと感動が湧き出てくるもので、なんでやねんって思ったけど、そこでやめずに最後まで読んでよかったと思いました。

「デンマルク」とはデンマークのこと。ドイツとオーストリアとの戦いに敗れて、わずかに持っていた豊かな土地を奪われてしまった後、どうやって国を立て直したか、というお話でした。

困難がわが身に降りかかってきたとき、途方に暮れながらも先へ続く道はないかと探し続け、少しでも可能性があればそこに賭けてみる。もしそれがだめだったとしても、得るものはある(はず)。乏しい体験を振り返ってみると、得るものは期待していたものとは違う形でやってくることが多い気がしますが、あまり「それ」にこだわらず、目の前のやるべきことに集中するといいんじゃないかな、と自分に言い聞かせています。