九獣(ゲイ小説)

9monは、どっちかというとやる相手探しだ。
俺だってそのつもりで使ってるから、それは良い。大体、ログインするのはムラムラして仕方がない時。
発情期というか、性欲が高まる時期が数ヶ月に一度ある。
そういう時はセックスや、男のことしか考えられなくなってIQが50くらい下がっている気がする。

9monを開いて、自宅近くに表示される男たちを値踏みしていく。

なかなかタイプがいない。
いいなと思うと(有)とか書かれていたりする。なら、アプリやるなよ、と心の中で突っ込む。一応、彼氏持ちとはやらないという自分の決まりがあるのでパス。
でも、公表してるだけ、まだマシなのかもしれない。独身の振りをしてアプリをしてる男なんて沢山いるだろう。

自分好みの数人の男にいいねと、メッセージを送る。
でも、反応が返ってこない。
ムラムラしてる時は、数分も待てないものだ。お高くとまりやがってと勝手に言いつつ、相手探しに戻る。


バカみたいにスクロールしてはプロフを読み、そんなことで1時間以上は経った。
無駄な時間が過ぎる。
でも、自覚はあっても辞める気にならない。溜まってるものを、できるだけ満足して出したい。それだけのため。
ここまで来ると意地にもなっていて、オナニーで出すのも悔しい。
さらに9monに熱が入る。

そんな時、自分のタイプど真ん中の男を見つけた。
ハウリングしてるから、向こうもムラムラしてるか?
メッセージ送ったら、すぐに返事がきた。


「どんな感じですか?」


この手の質問、何回も答えてきたけど、どう答えれば正解なのかいまだに不明。
お互いタイプならやりたいです、みたいなことを書いて返信する。
そっから、返信は途絶えた。

結局、今日はオナニーして終わった。

正気に戻ったら、そんなことで休みが終わっていたことに気付く。


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