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木の根

「自然の中に居ると、大抵の悩みなんてちっぽけだってつくづく思うよね。」

登山中にふと出た言葉。
最早、登山をする度に言っている。

綺麗事に聞こえるかもしれない。
だって、悩んでいる時は本気で辛いから。

しかし、これは決して現実逃避をしているわけではない。そして、悩んでいることが無駄と言っている訳でもない。
悩んでいることは小さなことでも、決してつまらないものではないのだから。

ただ、大きな木の根や切り株の年輪を見たら、私たちが生きることができる僅かな時間での悩み、さらには全ての出来事が本当にちっぽけに思えるのだ。

私たちは生かされているのだ。

そして、その僅かだけど大切な時間をどう生きよう。

流れに任せてもいい。

遠回りしても立ち止まってもいい。

勿論全力で走ってもいい。

時間の使い方に、生き方に正解不正解はない。

地球が、そして宇宙が歩んできた時間を線で表したら、私たちが生きている時間は点でしかない。いや、点でも見えないくらいだ。

だから急ぎ足でもゆっくり歩いても大した差はない。

枯葉が落ち、冬を越した木々が綺麗に芽吹くように、悩みは時間とともに自然と解決する。

強い根さえ張っていれば。

自然は頭の中を綺麗にしてくれる。

綺麗にするためにまた行こう。

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