こんにちは。
今回は上縦束のⅠの線維(一番上)について解説していこうと思います。
まずは白質線維とは何かについて解説していきます
次に、何という白質線維があるのかを説明していきます。
ここから上縦束Ⅰに入ります。
上縦束の接続について解説していきます。
上頭頂小葉から補足運動野、背側/内側運動前野で終わるとされていますね。
次は上縦束が接続する領域について解説していこうと思います。
まず、この3つが主要な接続のある部位ですね。
簡単にまとめただけでも多数の機能があり、これを繋いでいる上縦束の重要性がわかりますね。これらを一つずつ解説していきます。
まずは補足運動野です。
自発的な、行為の開始や、予期的姿勢調節(APA's)に関わるようですね。
今度は障害された場合の症状についてですね。
運動の開始や抑制の困難さや、無動症などの動作の開始障害に加え
強制把握などの抑制された反射の様なものが脱抑制する障害、
APA'sに関する姿勢障害にも関与しています。
また、運動を開始したい気持ちも減少する可能性があり、発話の減少もみられています。
上縦束Ⅰでは感覚と運動のネットワーク、そこから運動への影響も考えられそうです。
次は上頭頂小葉についてです。
上頭頂小葉の概説になります。
中心傍小葉と、内側にある楔前部という2つから構成されます。
機能としては多感覚の統合で、身体地図を作った対象の位置情報の把握、チップダウン(随意性)の注意機能に関わるようです。
間隔を統合しているので様々な感覚に関与し、上頭頂小葉の障害も数多くありますね。立体覚認知やサッケード、注意機能まで関与していますね。
多種多様な機能がある分、繋がりがある部分も多く、その一つにSLFⅠがありますが、他にも様々な接続やネットワークがあります。
その中で、背側注意ネットワークにSLFⅠが関与しています。
背側注意といえばトップダウン、随意性の注意で、自分から能動的に向ける注意のことを指します。
下記のスライドのサルは多感覚の統合をしながら手を伸ばすことに障害が認められていますね。
私たちはあらゆる感覚を感じ取りながら目標物へ手を伸ばしたり、目的の方向へ手を伸ばしたりしています。それを障害されると複雑な手の動きや、目標物へのリーチ動作が障害されてしまいます。
経路では上頭頂小葉は背背側経路に属します。
形態経路という字の形態に関する経路にも属しています。
ゲルストマン症候群といえば角回ですが、ゲルストマン症候群にも関与していると言われています。局所的な場合もありますが、まとめて周りが障害されることもあるようです。
次に人格との関係ですが、基本的には前頭葉が担当しています。
一部、外向性については上頭頂小葉が担当しているようです。
失調といえば小脳をイメージされるかと思います。
頭頂葉性運動失調というものもあり、上肢に多くみられるようです。
次は視覚性の運動失調です。
上頭頂小葉は視覚と触覚の統合も行っているため、視覚性運動失調の一部が関係しています。
また、脳幹からの情報、脳幹への情報、運動前野への情報障害によっても起こりえます。
運動前野とは、生成した運動プログラムを中心前回に送る役割を持っています。特に巧緻動作や筋緊張とも関連しています。
運動前野は視覚から得た情報に対しリーチするような課題でより賦活されます。運動の前にある先行性随伴性姿勢調整にも関わります。(中心前回が働く前に網様体脊髄路で姿勢筋の調整をするのです)
運動前野はとくに近位筋に関与しているようですね。
運動前野は運動前の準備やイメージなどでも賦活がみられています。
特に前部の背側運動前野は前頭前野に近い働きをしています。
腹側運動前野に関しては、視覚的誘導に関わるようです。
CI療法での活性化や、運動機能の代償が行われます。
背側運動前野は視覚との結びつきが強いです。運動前野を障害するとこの連合が失われた運動が生じることになります。
運動前野は、複数の可能性のある運動プログラムから、1つの準備状態に収束させる働きを持っています。
これは分散型コンセンサスとして提唱されています。
これは有名な実験ですね。
運動前野を損傷したサルは、損傷側の手で物を取ろうとすると、前にある透明な壁に真っ直ぐ手を伸ばしてしまうというものです。
運動前野は視覚的手掛かりからどうやって運動すればいいのかということを無意識に判断しています。
運動前野は大脳基底核とも連絡していて、運動調節が行われています。
運動前野は側頭葉ともつながっているようです。
また、言語に関する課題においても働いており、様々な部位の調整にッ変わっている可能性があります。
また、運動錯覚において、運動関係のネットワークが活動しています。
運動前野はミラーニューロンシステムを構成する部位となっています。
模倣などにも関わりそうなネットワークですね。
外国人アクセント障害というものがあり、普通にしゃべる言葉が外国人の喋り方の様になってしまいます。
その場合一次運動野/運動前野、大脳基底核が損傷に含まれるようです。
調子にのって図を作ってみましたが、運動前野はこのような感じで働いています。
この説明を上の図にしました。
説明はこちらになります。
運動前野は病態失認にも関与するようで、特に遷延しやすいようです。
次のテーマに入ります
ここでは運動をテニスで例えています。とても分かりやすい流れですね。
次は頭頂葉に戻って、二次感覚野ニューロンが運動前野と前頭前野に信号を送って記憶保持しているのは衝撃ですね。
アクティブタッチについて進んでいきます
自分から随意的に触る行為をアクティブタッチと言います。
これには運動の感覚誘導が重要です。
運動前野と同時に活性化し、S-1に先行し、調節し合っているようですね。
次は頭頂間溝ですが、場所に応じた運動前野の領域に投射し、運動を調節しています。
前庭神経核との関係についてです。
前庭神経核から運動前野への入力もあり、運動調節に寄与しています。
他にも大脳基底核や小脳にも投射し、運動調節系の領域に信号を送っていますね。
運動前野も関わっていますが、後部頭頂葉も乗り越え動作の2~3歩前に活動しているようですね。これらいくつかのネットワークで歩行はできています。
運動前野は複数の運動を準備でき、NO-GOですら準備できるようですね。私たちの行動選択には欠かせない存在となっています。
運動観察療法で、運動イメージができるのはこの機序で行われていると考えられます。
特に、自分ができうる活動を見たときに働きやすいそうです。
上記にもありましたが運動前野損傷で病態失認が持続するようです。
年齢と共にPMdと運動野の接続が弱まるのであれば高齢者は若い頃と比べて運動がしづらい理由もわかりますね。
運動の一種である発話の調整にも関わるようです。
遂に上縦束Ⅰに戻ってきました。
上縦束Ⅰでは、運動調節以外にも、自分を許す尺度、対処尺度、生活の質尺度と負の相関があり、自己へのやさしさとも関連しているようです。
これが最後のスライドになります!
利き手に関して上縦束の非対称性とも関連しているようです。
SLFはやはり視覚の知覚にも重要な様ですね。しかし視知覚には寄与しないようです。
上縦束Ⅰ、どうだったでしょうか。
ほとんど運動前野の説明になってしまいましたが。。。
何気ない私たちの運動とよく関連しているようですね。
ではまた、他の解説で会いましょう(*ノωノ)