音声編集とその種類

はじめまして!シチュエーションボイスや音声の編集をしている ”くろ” と言います。
あ、素人です。

noteを使うのは初めてなので何もわからないけど、備忘録と自分のやってることの紹介として書いていこうと思います。

さて早速本題へ。
「音声編集ってどんなことしてるの?」って言われると、
ざっと2つの種類に分けることができます。

1 声の編集
2 効果音

1、声の編集

声の編集は、下記の4つの作業をしています。

①ノイズ処理

録音される声は、使用するマイクや部屋の環境によってかなり変わってくるので、聞きやすいものに調整していく必要があります。
オーディオリペア用の専用ソフトによって、ホワイトノイズ(サーという空気音)や反響音、リップノイズや歯擦音など、様々な種類のノイズを除去することができます。
ただしこれは除去し過ぎると声質が痩せてしまったり、その場の空気感がなくなってしまったり、わざと出している音まで消えてしまうので状況を見て処理していきます。

②声の加工

これは様々エフェクターを使って声質を聞き取りやすくしていきます。
例えばイコライザー(EQ)を使って声の周波数を変化させることによって聞き取りやすくしたり、コンプレッサーを使って声の音量差をなくしたり、マキシマイザーを使って全体の声圧を上げたりします。

③ダイアログ編集

不要な部分をカットしたり、声と声の間隔を調整して効果音を入れる編集をします。それによって作品の流れがスムーズになって、自然に物語が進行していきます。
逆に無音の空間をつくることによって緊張感を出したり、登場人物同士の距離感をとることもできます。
カット時にはフェードインやフェードアウト、クロスフェードすることによって自然に繋げていきます。

④別録り[アフレコ]

一発録りではなく、後に再録してもらって、セリフを追加したり差し替えたりすることもあります。
これは例えば、実際に録音してみたところ、ある一部の箇所の声だけ聞こえにくかった場合です。
そのような場合は、その箇所を別録りすることによってしっかりと聞かせることができます。 
他の例として、「心の中の声」を表現する場合には、別録りで録音した方が声の表情をはっきり変えて録音することができます。
また、2人以上の声を使う場合は、最初に録音した人の声に合わせてもう1人の声を録音することもあります。
別録りすることによってそれぞれの声を加工することができるので、これはとても効果的な録音方法です。


2、効果音

作品によっては声以外にも効果音を重ねていく作業があります。
セリフや台本を読み込んで、可能なら作成者と打ち合わせしながら、どんな音が必要なのかを考えていきます。
声だけではわからない登場人物の動きや反応を効果音によって聞き手に伝えることができます。

効果音については、以下の3種類があります。

①サウンドエフェクト[SFX]

ストックしてある様々な音を声に当てはめていくことによって、あたかもセリフにあった動作をしているように、また、その場にいるような効果音を重ねることで、実際にはその場にいなくても臨場感を出すことができます。

②フォーリー[Foley]

声に合わせながら効果音を録音する手法をフォーリーと呼びます。 
布や水、様々な小道具を使って音を作っていきます。
これは実物を使うわけではなく、違うものを使ってその音を作るため、まるで音で演技をするように録音していきます。
もとからストックしている効果音を使うよりも、その場面にぴったりの音を「作っていく」ため、上手くできれば全体のクオリティが上がる方法です。

③環境音[Ambience]

これは、声や多くの効果音の背後にある音のことです。
これがあることで、「今どこにいるのか」ということを一瞬で表現することができます。
例えば、パソコンの音や電話音、人の会話が後ろでたくさん鳴っていれば、そこは「会社」なんだなと分かりますし、車の音が後ろで鳴っていれば、そこが「外」もしくは「道路沿いの建物の中」なんだなと分かります。
こういったことをわざわざセリフで説明するのは不自然な場合がありますし、逆に環境音があれば「それが実際に存在するどこか」というリアルさを増すことになり、その場にいる感覚になります。

また環境音を重ねることによって、録音した声のホワイトノイズを隠すことでき、結果として全体のクオリティを上げることにも繋がります。


全体の大まかな流れはこんな感じですが、次回からは実際にやっていることなどを個別に紹介していければと思います。




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