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NYを駆け抜けた人 | キース・ヘリング展

2024も明けて、あっという間にもう半月以上経ってしまいました。
今年も見応えのありそうな展覧会が色々あって、今から楽しみです。
展覧会一覧をながめなら、これもあれもと今からチェック中。

そして2023年の展覧会を振り返りつつ、昨年最後に訪れたのは、森アーツセンターギャラリーで開催中の「キース・ヘリング展」でした。
棟方志功を含め、ガッツリ系の展覧会が続いたので、このキース・ヘリング展は軽めにポップでちょうど良いな〜、と思ったのだけれど・・

それは私の思い違いで全然軽くない。。しっかりと考えさせらた展示会でありました。

サブウェイ・ドローイングから始まった彼の創作活動について、なぜこの作品シリーズだったのか、という疑問はどこかに引っかかりながらも宣活の一部だと以前はずっと思っていました。

このモチーフが獅子のようで好き

そのような意識で描き始めたのかどうかはわかりませんが、彼のアートが成りたつには、大勢の人の力が必要だったのだろうな、と今では思います。展示会でもそのような事を実際に言っていた、とありました。

順路を進みながら、彼がこちらに求めていたこと、伝えたかったこと、それが最後にわかるのか?!とワクワクしながら進みました。

言語と同じで、アートとはキャッチボールで投げるアーティストと、それを受け止める人がいて成り立つものですね。キース・ヘリングのあの作品群は投げて投げて、投げ続ける事が重要だったのでしょう。


このデザインは初めて見ました。意外な作品。


音楽シーンと深く結びついたキース・ヘリング

チョークアートというカテゴリーは、今では珍しくありませんが、あの素材と彼のラインはすごいバランス。ガリガリとひっかかって見えるようなラインと、永遠に続きがあるように思われるデザイン。
これが雑味もないようなアウトラインが出来上がるような素材だったら、ニューヨークの地下鉄のエリアに、永遠のラインデザインはあれほど温度を持たなかったのでは?。

取り憑かれたように深く入り込んだ、アンダーグラウンドやナイトクラブ。黒人やヒスパニック系のミュージシャンに魅了されて影響を受けて、きっと彼の中に流れる血のリズムがあのシンプルで力強い線となって、体の外に出てきたのではないでしょうか。
彼の線に音を感じずにはいられないのです。


圧倒される壁一面の表現

とは言ってもキース・ヘリングの作品はもはや私たちの生活の中にずっと前から存在しているものも多く、ちょっとした小物だったり、息子のTシャツデザインだったり。
もう見慣れた感じがするのかな〜、と思って訪れましたが、まだまだ知らない作品も沢山展示されていて、その新しい発見に自分でも驚き。

これに心掴まれた。なんだろう?ちょっと懐かしいような。


描いて描いて、力の限り線と形に残してこの世を去った、パワーアーティスト。自分の中に湧き起こるどうにもならない力とイメージ。
それに感謝もしたでしょうし、その事を恨んだり、苦しんだ時もあったでしょう。

今回やはり私が印象に残るのはこの輝く赤ちゃんです。
昔、この作品を見た時にはよくわからなかったのですが、今回改めて何故この作品が生まれたのか、を痛切に感じたのでした。

やはりマグネットを購入しました

同性愛者であり、エイズに侵された彼にとっては子孫繁栄という生物的役割について心に抱えるものがあったのでではないか、と思います。
彼が一生叶わないこの事は、憧れとか、尊敬とか、はたまた畏怖だったのか、とこの作品を見るたびに私の中で湧き起こる疑問。

誤解を恐れずに言うとすれば、子宮を持っている女性はそもそも建設的なのだと思います。
それは実際子供を持つ・持たないに関わらず、造りがそうであるから。
男性があえて何かを残そうとするのは、この建設的な要素が無いからなのでは、と。建物、地位、財力、陣地だったり。

もし世の中のトップが全部女性だったら、世の中に起こっている無様な陣地合戦は起こらないのではないだろうか。
これについては色々と反論を頂くのですが、私はそう思っています。

今回キース・ヘリングの力強い作品を通して、世界中の叫びを浴びたような気がしています。

部屋の四方から、彼の社会への叫びに囲まれる


さて、この展覧会の数日後に新宿の世界堂に行きましたら。やられた!カランダッシュとキース・ヘリングのコラボ!
なるほど〜、そうきたか。。さすがカランダッシュ、これは素敵なプロダクトを出したものです。

カランダッシュの色鉛筆が、こんなNYポップなパッケージに

これは思わずパッケージを塗りたくなりますが、色の区切り具合が難しいw。でもスイスから→一気にニューヨークになってしまった。
お子さんへのバースデープレゼントとかにも良いかもしれませんね。きっと子供だったら、自由になんの制約も枠もなく、手の赴くままに塗ってくれそう。きっとキース・ヘリングがこちら側に求めてたのは、そういう事なのかも。

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