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ユニフォーム改定に対する意見(初出2013年10月22日)

ボーイスカウト埼玉県連盟では、今回のユニフォーム改訂検討に関して、意見聴取をしました。

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(注:note掲載時にはすでに無いサイトですので、省略しました。)

そこで、私個人の意見を次の通り書いて送ってみました。私の意見について、どこで、どこまで考えてもらえるか全くわかりませんが、とりいそぎオリンピック並みに「参加することに意義がある」ってことで。

以下、全て黒澤個人の意見です。

ハット

旧制服を着ていた者からすると、スカウト時代ハットであったことから、現制服のベレーは違和感があります。同じように新制服にした場合、現制服を着てきたスカウトたちは新制服に違和感を感じることになるはずです。

ハットが「かっこいいと感じるか感じないか」と「懐かしいと感じるか感じないか」は別であり、ハットに対するあこがれを現スカウトが持っているのかどうかは大きな疑問です。この違和感を乗り越えるためには、ベレーからハットに変更する合理的な理由がもっと必要です。スカウトたちのハットに対する意見を把握しておかないと「大きくて、持ち運びが面倒で、メンテナンスが大変な邪魔な帽子」という印象が強くなるように感じます。

自分がスカウト時代、ハバザックに入らないハットはとても邪魔でした。懐かしさは感じますし今も持っています。しかし、自転車で移動するスカウトたちのことを考えると、ハットが再度提案される意味が理解できません。

結果、私にはハットは「ノスタルジー」にしか感じられず、採用するとするなら、ハットケースなどを充実させ、メンテナンスフリーな材質のものにする必要があると思います。スカウトたちの感覚からすると、邪魔な帽子を持ち歩くよりも、キャップなどを使用し、ハットを持ち歩かないという選択肢が当然あがってくると思います。

ハットの機能に対する評価を行うと、帽子の必要性が見えてくるように感じます。
たとえば、16NJの各県連・各隊の帽子を見ていると、ストローハット、ブッシュハット(ブーニーハット)、ベースボールキャップなどが採用されており、メンテナンスが大変な旧スカウトハットタイプのものは採用されていません。各県連・各隊は、金額的・機能的な検討を加えたうえで、つばで日除け・雨よけができる帽子のうち、これらを採用していますので、選択に合理性を感じます。

ちなみに、ベレー、ギャリソンキャップ等日除け部分のない、いわゆる「つばなし帽」も採用されていないことから、機能的な部分で現在の正帽であるベレーにも疑問を感じます。

新制服と「新記章」

制服改訂に合わせ、県別章の変更があるとの記述がありますが、それ以外の記章類の大まかな配置を示してほしいと思います。
これまでと同様な記章類の着用及び記章配置であるならば、制服の見た目の変化はほぼないに等しく、社会的な認知度に変化があるとは思えません。

開襟シャツ

開襟シャツが提案されていますが、制服を開襟で使用することをイメージしているのでしょうか?

開襟シャツは、胸からの空気流入量を増やすこと(=涼しくすること)を目的にした機能であると理解しているのですが、そうすると当然ネッカチーフとの相性は悪くなります(同様の理由で、開襟シャツ着用時にネクタイはしません)。ネッカチーフを着用しない制服の着用が認められるのならばいいと思いますが、そうでないのなら、開襟である意味がわかりません。アメリカ連盟の開襟シャツは、ネッカチーフをしない制服着用も選択肢の一つとしています。
今回の改訂では、なんのために開襟を選べるような「複雑な構造」になっているのでしょうか?

記章類の活用を考えてほしい。

現在、たすきによりスカウトの制服以外の記章配置場所を増やしていますが、できることなら制服内で全て配置できるようにしてほしいと思います。

中古のアメリカ連盟制服に人気があるのは、記章がカラフルである点なのではないかと思います。つまり、ボーイスカウトの制服が「かっこいい」と評価されるのは、制服に記章が多くついているからだと考えます。記章がなければ作業服と変わりません。

そう考えると、制服で重要なのは「機能的でシンプルであること」なのではないかと思います。各国の制服をみても、ベースとなる制服の生地やカットで何かを表現することはありません。ラルフ・ローレンのように「有名デザイナーがデザインしたこと」自体が社会的な意義を持つことはあるかもしれませんが、生地や色合い、カットなどは結局「機能的であること」がベースとなるはずです。

現制服採用時、デザインサイドは100%綿を当初取り入れていたにもかかわらず、利用が進むと100%綿はしわがひどく、メンテナンスが大変だったことは教訓になると思います。

もともと着用する服装としての制服は機能重視であることから、記章類がなければ、ただの作業着に戻ってしまいます。それなら、ベースとなる制服自体よりも、記章類の配置を再度考え、わかりやすく整理した方が効果的なのではないかと思います。

複数枚購入できる価格の制服にしてほしい。

制服自体はシンプル・低コストを最優先とし、ワンポイントの刺繍や開襟などの小さなこだわりをやめてほしいと思います。
低価格化により、スカウト各自の制服複数購入を促進するのがよいと思います。これにより、集会・キャンプで清潔な制服への着替えを指導者が促すことが可能となりますし、記章類の売り上げ増も期待できます。

また、スカウトが複数制服を購入することができれば、キャンプユニフォームを別途制定する必要もなくなります。記章をつけないなら、キャンプユニフォームを制定する必然性はありません。キャンプ中の活動着は普段着で問題ないはずです。

現制服改訂時に作業着を制定しましたが結果として購入されなかった経験を考えれば、スカウトが複数購入できる制服のほうが合理的です。

スカウトが複数枚購入できれば、寒いときは長袖、暑いときは半袖と着分けることも可能で、冬に半袖を着るような、意味のない「精神論」を排除することができます。現在、冬に半袖の制服を着ているのは「制服が高くて、半袖を買えと言いづらい」ことに端を発しています。だったら、2枚買って季節によって着分けた方が理にかなっています。

パンツの違いを明示するか統一してほしい

ブッシュショーツ、ハーフカットパンツ、ブッシュパンツ、ストレートパンツと4種類のパンツが提案されていますが、それぞれどのようなときに使うか、明示してください。なんのためにブッシュパンツとストレートパンツを使い分けるのか、意味がわかりません。

4種類あった場合、隊指導者としては「ハイキングはブッシュパンツ」「朝礼はストレートパンツ」「夏キャンプはブッシュショーツでいい」「夏休み中の集会はハーフカットパンツで」等といちいち指示をすることや、間違った場合に指摘・修正させることが必要になります。
せめて、「隊で統一する」ぐらいのことを規定で明記してもらわないと、結果として、隊で統一した制服を着ることが困難になります。

しかし、そういう運用にすると、無駄な在庫を多く抱えることになるのは明白です。制服としては長ズボン1種類で十分だと思います。

長袖はアウターとして使えるようにしてほしい。

長袖シャツは、インナーが着られるようなデザインにしてください。スカウトは寒いから制服の上に上着を着ます。記章を着用している制服がアウターとして活用できなければ、結局「上着を脱げ」という隊指導者の指示が必要になります。

アイロンのり、両面テープの採用

できることなら縫い付けをやめ、アイロンのりか両面テープなどの活用を検討してほしいです。記章類を授与してすぐに着用するために、縫い付けをできる限りやめてほしいと思います。特にビーバー隊、カブ隊は自分で縫い付けることはほぼないので、教育上の意味を見いだせません。

参加記章類を増やす

23WSJ協賛章が胸章として採用されています。これと同様に、16NJ参加記念章、23WSJ参加記念章等の胸章を増やしていくことで、年功章のような効果を考えていいと思います。

ただ期間を費やすのではなく、奉仕・参加の記念として胸章を永年着用できれば、参加したスカウトは自分の経験を胸章で示すことができます。これはローバースカウトが「俺は14NJはスカウトで、16NJはローバーのISTで参加したよ」という会話の機会を作ることになります。

自衛隊の防衛記念章を見ると、特殊な防衛(インド洋派遣や洞爺湖サミット従事など)に参加した者に対する胸章が制定されます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E8%A8%98%E5%BF%B5%E7%AB%A0

同様に、各県連盟で参加記念胸章を定めることができれば、胸章を見て、「共通体験」についてコミュニケーションをとるきっかけを作ることができると思います。

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