見出し画像

ただ其処にある陽溜りの

私はずるくなりました
疑うことも知らぬ程
幼い心に触れたもの
賢い顔でねじ曲げて
身に纏う術を覚えたら
心が楽になったから

真の優しさ追い求め
自ら闇に彷徨う人を
不思議そうに眺めては
平凡の輪に安堵して
歳を重ねてきましたが
今になって恥じるのです

今だからこそありありと
己の姿が見えるのです
無知と欺瞞から目を背け
素直に振る舞う醜さが
認める苦しみ知っていて
素知らぬ顔で生きました

生きる道中私には
試練と言うべき様々な
悲しみ怒りがありました
かつて感じた温もりを
欲の道具に変えてまで
埋めたい孤独がありました

人目に触れる側面を
気遣いもどきで装って
世渡り上手になる程に
疑心暗鬼は増すばかり
懺悔したとて所詮は己
他人の事は他人事

決して誰にも奪われまいと
冷たく尖った胸の内
いっそ人ならざる者に
姿を変えてしまえたら
願う私に貴方は言う
早く人になりたいと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?