まるで生きてるみたい!【コマ撮り大道芸人】篠𠩤健太
今日は「モノ」に「命」を吹き込む職人、篠𠩤健太さんのお話しです。
「世界の感動時間を増やす」というスローガンのもと活動をされています。タイトルにもある通りプロのコマ撮りアニメーターで、内容は実際に見てもらった方が伝わりやすいと思います(15秒程の動画です)
・webメディア「Real Sound」に取材を受けている。
・「スッキリ」「シューイチ」や「サンデージャポン」などのテレビにも取り上げられている。
・国際賞NY ADC Young Guns17 winner 歴史に名を残している。
・note に書いた記事が「先週もっとも多く読まれた記事のひとつ」に選ばれている。(コマ撮りの仕方【レールガン】)
などなど、数々の功績があり、全部数えだしたら枚挙にいとまがありません。なので、ここでは割愛させて頂きます。
そんな、すでに有名な篠𠩤健太さんの作品の魅力を、果敢にもド素人の僕が話していこうと思います。当然、僕はコマ撮りのコの字も知らないですし、どこの誰かも分からない人間の言葉なんて全然響かないと思います。なので「世界的に評価されている作品を素人が語る」という行為に対する批判は数えだしたら枚挙にいとまがありませんので、ここでは割愛させて頂きます。
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何が魅力的か
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①表現力がすごい
まずは電撃の表現。CGではなく手持ちのライトを使ったようです。ライトをシュシュッと動かした時の光の残像を利用してコマ撮りしたのだとか。すごい!
次は水の表現です。「和柄の生地」と「綿」と「針金」を使ったようです。篠𠩤さんの場合だと1秒の映像を作るのに12~24枚の写真を撮るとのこと。平均18枚だとすれば、この水の切り抜き動画だけでも5秒ぐらいあるので90枚の写真をとっている計算に。。圧巻ですね!
次は「麺のすすり」です。これは目立つようなポイントではないかもしれませんが、僕は見入ってしまいました。キャラクターの口元を見えないようにして麺を動かしたのだとか。本当にすすってるみたい!
②セットの作り込み
彼の動画は【Animist】というyoutubeのチャンネルで観れます。そしてそのほとんどが「学習机」に見立てたセットになっています。この「学習机」と「おもちゃ」という組み合わせが子供心を刺激され観ていてワクワクしてしまいます。出演するおもちゃに合わせて机に何を置くかを変えていたり、背景のピントをずらしておもちゃを引き立てたり、すごい見入ってしまいます。
あとは照明の使い方も上手だなと思います。全灯の時もあれば薄暗いなかでスポットライトを使ってみたり、一瞬真っ暗にしてエフェクトの光だけを使ったりです。特に薄暗い中でおもちゃが動き回る姿は、学習机が舞台と言うこともあり「子供の頃に遊んでたおもちゃ達も実は夜中にこっそり動いていたんじゃないか」というファンタジーを妄想してしまいます。トイ・ストーリーみたいな感じですね。
③制作風景が観れる
コマ撮りの様子を動画やnoteで公開しています。完成品だけでも充分に楽しめるんですが裏方が観れるとより理解が深まるので僕は満足度が上がります。一方で篠𠩤さんは「制作風景を観ることで、かえって夢が壊れてしまう人もいるかもしれない」という葛藤もあったと、どこかのnoteで書いてました。いろんな方への配慮もある優しい人なんですね!
④こだわりの強さ
篠𠩤さんの子供時代のエピソードがnoteに書いてありました。
・友達の Tくんとガンダムのおもちゃで遊ぶ
・篠𠩤さんが手でビームの形を作り、Tくんに飛ばす
・飛ばすと言ってもTくんのおもちゃまでは手が届かないので途中で止まる
・止まった地点からTくんがビームを引き継ぎ、Tくんも手でビームを作る
・作ったビームをTくん自身のおもちゃにヒットさせる
そしてTくんもビームが直撃したらボカーン!と演出をしてくれるが…
やれ「撃たれたおもちゃの動きが気に入らない」だの「引き継いだビームのスピードが違う」だの思ってたみたいです。
他にも「動きに緩急をつけすぎ」や「地雷を踏むタイミングは今じゃないでしょ」などが気になり、おもちゃ遊びを中断してダメ出しをする事もあったのだとか。変態ですね。。
別の角度では、撮影中の昼食は抜くことが多いらしいです。理由は「食べると眠くなって集中力が落ちるから」コマ撮りの撮影はかなり時間がかかるみたいで、13秒の映像で撮影5時間、編集3時間。4秒の映像の撮影に8時間。8秒の格闘シーン撮影だけで14時間以上かかったり、めちゃくちゃ時間がかかるんですね!一度やり始めたら一気に集中してやるタイプだとも書いてましたが、、食べない代わりにレッドブルを飲んでるのでしょうか。。
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どういう人か
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1989年愛媛県生まれ。アニメーターを志したのは小学校3年生の時でそこからずっとアニメーター目線で過ごしてきたようです。大阪の美術専門学校を歴てTYOアニメーションスタジオ「ドワーフ」に入社。さまざまな作品制作に携わりながら、2019年、国際的なアートやデザインの賞「NY ADC Yong Guns17」に入賞。その時の心境をこう書いています。
賞を頂いたからといって僕の人生が大転換するとは思っていません。実績として残り誰かより有利になるかもしれませんが、それぐらいです。
僕は今の日常に疑問だらけで満足していません。5年後10年後に本当に自分が好きなことをして誰かの感動時間を増やし続けるには今の延長線上では叶わないのです。結構、人生賭けてきたので必死です(笑)
道は分かりませんが新しいことにチャレンジして変えていかなくてはいけないのです。まだまだ足掻き中です。
向上心がものすごいですね!僕なら100%調子にのります。
それからも会社から帰宅して夜な夜なコマ撮りをして編集をして朝方4時とか5時にTwitterにアップしたりと貪欲です。その背景にはこんなことも書いてました。
本来、僕は「自分の作品を自分でアピールするのはカッコ悪いことだ」と思っていました。作品を見れば分かるだろう、と発信しませんでした。
しかし、過去に力を尽くした作品が受け取ってほしい相手に届かないという虚しさを経験しました。「作品は届けたい人にちゃんと届けるまでやらなくては意味がない」と考えを改めて自分自身で情報発信を始めました。
彼のコマ撮りに対する情熱が伝わってきますね!
その後およそ5年ほど勤めたTYOドワーフを退社し個人としての活動に力を入れて現在に至ります。もちろん個人としてもどんどん注目を集めていますので今後も楽しみですね!(僕も愛媛出身なのでなんだか嬉しいです)
あと「0000 Studio」でも配信してくれたらおもしろそう!
作業中をライブ配信するアプリ(けんすうサンが運営している)
(ふぉーぜろすたじお)
最後に一番大事なことが抜けてたんですが、、
篠𠩤健太さんの「原」は「𠩤」です!点がないほうの「𠩤」です。
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