ネタバレトップガンマーヴェリック
満を持して見に行って思いつく限りの愛と感想。
あと何回か見に行くのでそのたびに気づいたら追記予定。
とりあえず6/8現在ということで。
構成要素
こんなことを語るのも野暮なんだろうけど、まず全編を通して感じた成分はこんな感じ。
トップガン(前作)40%
エースコンバットシリーズ20%
トップガンマーヴェリック20%
エリア8810%
ライトスタッフ5%
ファイアーフォックス5%
ちょっとだけエネミーライン
良くも悪くも、じゃないけどとにかく大ヒットした前作のオマージュ、小ネタ、色んなものが特に前半にゴリゴリにこれでもか、と詰め込まれている。ということで以下に列挙します。
・オープニングの忠実なオマージュ
前評判からデンジャーゾーンで始まったことの盛り上がりを聞いていたけど、いやいや、そんなことより薄っすら流れるTOP GUN ANTHEMから出て来るこれでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1654757470301-bPEFk8boRF.png?width=800)
なお、その後の発艦シークエンスについてもオリジナルのカット割りが当然追加されているものの、基本的にほぼ同じ割り方でつないでいる拘りっぷり。そのうち誰かが横に並べて比較すると思うけど、ほぼこの通りのシークエンスで割ってる拘りが凄い。本来発艦シーケンスと着艦シーケンスは分かれていて同時に進行はしないものなんだけど、途中で着艦シーンを差し込んでるところまで一緒。カタパルトオフィサー達がエキサイトしてるところまで再現していて、よくここまで入れ込んだなぁと思った。
・唐突に現れるライトスタッフ
続いて、マーヴェリックの登場シーン、NINJAが出て来るところは割と有名なので割愛するけど、ここから何故かモチーフがライトスタッフという映画に変わる。見た人なら下の動画を見れば何を言わんとしているかすぐわかるはず。確かにチャックイェーガーとマーヴェリック、境遇も含め似ている。ここでチャックイェーガーを想起させるところを知っておくとこの後の展開にも割と深みが産まれる気がする(けど割とマニアック過ぎないかなこれ)
ダークスターが滑走路上に出て来る時意味ありげに尾翼のロゴにクローズアップされるけど、それはスカンクワークスのロゴ。ということはこの時マーヴェリックは恐らくエリア51にいたはず(スカンクワークスはエリア51に拠点を持っていたため)
![](https://assets.st-note.com/img/1654758047958-dmiO4FxOyR.png)
そしてその計画を止めに来た少将(エド・ハリス)は、ライトスタッフでは主役級の扱いとなるジョングレン役で出演していて、ある種のこじつけかもしれないけどこの辺は色々リンクしてるなあ、と思うわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1654758362974-ucfC3mEhsk.png?width=800)
と、オープニングから20分足らずの時点でゴリゴリにサンプリングされまくっておりまして、この手の映画好きな人なら恐らく本編そっちのけでこういうところに頭が向かってしまうと思います。その他前半はとにかく前作トップガンのモチーフ祭りでして、気づいたところだけ列挙すれば
・
バーで後の教官と知らずトップガンファイターが軽口を叩いて翌日に共感として出現したことで唖然とするシーン(下の2つのハイブリッド)
・ルースターのピアノ
(これは有名か)なんなら服装も寄せてるし
・最初のドッグファイトで下限高度を下回っての撃墜で怒られるところ
細かいところだとドッグファイトシーンのカメラワークも(2機重なるように飛ばしてるところとか)も、割と前作の要素を強く受け継いでいると思うわけです。
・Who is the best pilot?のメタ構造
個人的にはここが一番ぐっと来たポイントで、前作においてこのシーンはアイスマンとマーヴェリックの初めての会話シーンで繰り広げられるわけなんですが、今作では今生の別れのシーンでこのセリフが、アイスマンの口から告げられるわけです。そうやってみると、マーヴェリックがあそこで涙を流した意味というものがかなり分かりやすくなるのではないでしょうか。私はここのシーンでそれに気づいてしまって(ああ、この後アイスマン死ぬな)と思ってしまいました。
・ポルシェと家に来た時のカメラワーク
超細かいんですが、前作での相手役チャーリーが乗っていたのはポルシェ356で、今回は911ナローということでここにもサンプリングが隠されてますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1654759291645-NcxS42oyTO.png?width=800)
この動画の40秒過ぎからのカメラワーク、マーヴェリックがペニーを家に送り届けるときにほぼ同じアングルを使っていて、この辺にも細かい技が隠されてました。
・Talke to me Goose/daddy
本作の中で時々マーヴェリックが呟く"Talk to me Goose.",これはマーヴェリックとグースの信頼関係を表すセリフなんですが(パイロットとRIOのコミュニケーションワードでもある)、これを最後の最後でルースターが呟くんですね。そのシチュエーションがピンチに陥っている時(ルースターの場合はターゲットに間に合わない)につぶやかれる、ということでこの辺のシチュエーションが分かってこのセリフを聞くとグッと深みが増すと思いました。
・ハングマンは本作のマーヴェリック
これは議論が分かれるところかもしれませんけども、ハングマンのキャラクター設定がかなりマーヴェリックに寄っている、かつシチュエーション的にも同じですね。
・自分に過度な自信を持ち周りを顧みないところ
・且つ、腕という点では周りから一目置かれているところ
・教官に完膚なきまでに叩きのめされても折れない心
・作戦時バックアップに回されてしまうところ
・ピンチで現れて救世主として活躍する
・最後のセリフが「See you on the deck」
※前作ではマーヴェリックが使ってるんですねこのセリフ(4:55~)
見たいかどうかは別として、ハングマンでもう1作ぐらい作れそうな気がしないでもない(けど、あんまり楽しくなさそうかも)
ここからはその他要素について
作戦はエースコンバット
ミッション説明シーンから含め影響受けてないとは言わせない出来でしょう。エースコンバットは毎作品に渓谷突破ミッションがあるし。
・敵地からの脱出はアイアンイーグル
ファイアーフォックスよりこっちの方がなんとなくしっくりきました。
エリア88にも渓谷通過ミッション(というかあっちは渓谷に基地があるんだけど)もあるし、渓谷っていうのはやっぱ映えるんですね。
・雪原逃走はエネミーライン
これは割と想起した人が多いじゃないだろうか
と、ここまで色々書いてみたけどサンプリングネタがあることが悪いわけではないし、そういうところも含めて許されてしまうトップガンマーヴェリックという作品はとても偉大だな、というお話です。
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