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傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン

漫画もすごく読むので、書いてみようなど。

時代は18世紀フランス革命の頃、マリー・アントワネット専属のファッションデザイナーであるローズ・ベルタンに焦点を当てた物語。
彼女の何がすごいのかというと、当時女性が仕事をするということ自体がとてもハードルが高かった時代の中で、平民でありながら技術でのし上がっていった行動力である。
今現在も男女平等と言いつつも、本当にそうなのか?と疑問を抱く世の中ではあるが、その当時はあからさまに「男性の庇護がないと生きていけない」世界だったわけである。
何世紀も前のことなので、今更その環境に対して憤ったりしないが、その頃の日本は江戸時代(10代将軍・徳川家治)で、まあ世界的に似たり寄ったりの感覚だったのだろうと推測する。

その時代の中で、ローズ・ベルタンは「ふつうの」感覚であった。なぜ男性の庇護がないと商売ができないのか、男性に依存しないと生活ができないのか、まるで今現代の私たちが持っている違和感と同じような感覚を彼女は持っていたのだ。

物語のプロローグは、アントワネットが処刑される触りから始まるが、本編はローズ・ベルタンの若い頃からスタートする。周りが”女性の幸せ”を求めたり、求めさせたりする中で、幼少から”技術を手にする”という想いが強い彼女。
私はこの部分でとても共感した。手に職を持ち働くということは、私も同じように持っていたからだ。
育ってきた環境に左右されず、自分の手で未来を切り開くことは容易ではない。
だが、彼女はやってのけようとする。「結婚しないの?」という呪いの言葉がのしかかるけれども見事に跳ね除ける。

彼女がどのように真っ直ぐ自分の道を進むのか、詳しくは漫画を読んで欲しい。まだ物語は続くのだが、とてもスッキリする。物語の参加者の名言が散りばめられていて「なるほどそうだよね」と頷きたくなる。
私は一気読みをしてしまい、これから2周目を読もうとしているところだ。


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