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「2020年米国大統領選と日本株」について考えてみました

「2020年米国大統領選と日本株」


株式市場での焦点は、コロナウイルス禍による影響から、11月の米国大統領選に移りつつあります。主要スケジュールを列挙すると、8月に民主党・共和党の全国大会開催、9月末から10月末に開かれるTV討論会を経て11月3日の投票日となります。

現状の候補別指示率を見ると、米国調査機関が報じているように民主党バイデン候補が優勢で、米国ミネアポリスにおける警察官による黒人殺害事件、ボルトン元大統領補佐官のトランプ政権暴露本の出版などから、共和党地盤の南部諸州でも同氏の優位が伝えられています。

投票日まで4カ月を切り時間があまり残されていないことに加え、下院も民主党に抑えられていることからないこともあり、共和党トランプ大統領の再選には赤信号が点滅しつつあるという見立てが大勢となりつつあります。こうした予想を受けて、大方の日本株ストラテジストは、増税などを標榜する民主党政権下では株式相場の調整局面を迎えるとみています。

短期的にはこうした見方も有りかなとも考えますが、今回のコロナウイルスによる影響は
社会・企業に大変革を及ぼそうとしています。社会通念、企業活動が大きく変わらざるを得ないことから、今回のコロナウイルス禍は企業が成長するかどうかの触媒となるのは間違いないと思われます。

このため、少し長い目で見るとESG、国連の提唱するSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する企業の成長性は高まっていくとみられますし、行動様式・働き方等が変化していくにつれてお金の流れも変わっていくと予想されます。諺にもある通り、「風が吹けば桶屋が儲かる」という訳です。株式市場が上昇しなくても、産業構造の変革により成長企業が生まれやすい素地が整いつつあると言い換えることもできます。

とことで、過去の日本の株式市場をかえりみると流通の変革期にはセブン・イレブン(現在、7&IHD傘下)、また、ゲームの革新期には専用端末を使った新電子ゲーム機器・ソフトを投入した任天堂が高成長し、時価総額を飛躍的に増加させました。投資信託の運用資産残高が拡大する中で、これまではチャールズ・エリス氏(著書:「敗者のゲーム」、「投資の大原則」など)などが薦めるインデックスファンドに投資すれば、リスクを抑え、それなりのリターンをあげられてきました。こうした投資方針を見直す時期に来ているのではないでしょうか。事実、著名な米国投資家のバークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット氏は熟知した企業に集中投資し同社株主から神様のように尊敬されています。

ただし、一言だけ但し書きを残しておかなければなりません。こうした意見は投資のプロには当てはまることですが、すべての方に集中投資を薦める訳ではありません。大きく成長し株価が大きく上昇する企業といっても、株式投資のテキストに載っている位ですから数は極めて少ないですし、株価が上昇する前に見出すことは至難の業です。であるならば、運用実績のある成長株に投資するETF(上場投信)を見つけた方が手間が省ける無難な選択肢かもしれません。

Malon, 7. 8. 2020

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