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2022年8月 隠岐1 島前・知夫里島

長年、行きたいと思いつつ行けなかった場所が隠岐。山陰地方は関東からは実に行きづらい。LCCも飛んでおらず、JRはジパング割を使っても高い。しかもさらに船で渡らねばならない。というわけで後回しにしてきた隠岐へ、いよいよ行こうと決めた。
羽田から米子空港、タクシーで境港へ。ここは水木しげる先生の故郷。バスも列車も建物も道路上の飾りもすべて鬼太郎ワールド。

ポストの上にも鬼太郎。列車のペイントも鬼太郎ファミリー。
駅前には水木先生自らの像が置かれている。

昼ご飯は乗船ターミナル内の回転寿司、大漁丸。地元付近で水揚げされた、鬼カサゴ、マイカ、カワハギ、ノドグロ肝などなど、どれも旨い。しかも安かった。

隠岐の島産の鬼カサゴ。甘味があって美味しい。
島根産のノドグロの肝。これは酒がほしくなる。が、今日は島でレンタカーなので我慢。

境港から高速船レインボージェットで西郷経由別府まで。

船体を持ち上げて、海上を時速70㎞以上で走る。

今回、計画を立てる時に、おき得乗船券というのを見つけた。事前にエントリーしておくと、復路の乗船券がタダになる。高速船は片道6680円、これはずいぶん助かる。2人で1万3000円以上だ。

お世話になった、おき得乗船券。特典2もクリアしたので抽選に当たるといいな。
乗船券の区間が、隠岐と本土、というアバウトな表記。

高速船は、隠岐の島西郷港に寄港した後、西ノ島の別府港に到着、所要約2時間。ここで島前(どうぜん)と呼ばれる3島エリア(中ノ島、西ノ島、知夫里島)を結ぶ内航船いそかぜに乗り換えた。ぐっと小さくなった船は、一度、中ノ島の菱浦港に寄ってから、目的地、知夫里(ちぶり)島の来居(くりい)港へ。
島前についてはこちらを。

来居港の内航船乗り場。島前諸島の各港には、隠岐汽船のフェリーや高速船乗り場と、
それとは別に内航船乗り場がある。

ターミナル内の観光協会でレンタカー借り出しの手続き。軽自動車、4時間(といっても17時で観光協会は終わるので、実質2時間半)で5000円と高いが、選択肢はないのでしょうがない。高い上に傷だらけの軽ワゴン車。坂道が多いのだが、アクセルを踏んでも馬力がない。借りる時に道路上の牛に注意するように言われた。道を塞いでいたら、そっと近くまで行き、ドアをバンバン叩き、それでも動かなければクラクションを鳴らすようにと。
向かったのは標高325m、赤ハゲ山展望台。狭い坂道を登ると、早速、見出し写真の親子牛。赤ちゃん牛がお乳を飲んでいる。そっと脇を通らせてもらう。展望台からは島前諸島が取り囲むカルデラでできた湾を眺められる、はずだったが、下界は晴れてるのに、山の上だけは雲の中。真っ白で何も見えない。近くの牛もかすんで見える。

とにかく牛は多い。島の人口約600人、牛は500頭いるらしい。
この後、道路を横切るタヌキを見かけたが、後日、知夫里島のタヌキは2000頭と聞いた。
山頂ということで、一応、三角点もあった。
これが問題の軽ワゴン車。車体は傷だらけ、タイヤは牛の糞まみれ。
道路の上は糞だらけ。もっとフレッシュな生々しい糞もたくさん落ちている。
少し下れば、晴れていて海もきれいに見える。

次に向かったのは、赤壁(せきへき)。隠岐へ行く前に、カミハテ商店という高橋恵子主演の映画を観たのだが、そこで自殺の名所として出てきた。確かに、今でも崖の際には柵などないから、怖い。火山噴火の溶岩が酸化して赤くなったそうな。これは海から見ないと全貌は分からない。

この赤い色の帯がずっと長く続いている。
柵がないのは怖いよね。高所恐怖症の人は前の方に行けない。
駐車場近くには古墳群があり、崩れた現在は玄室の一部が見える。

島の中心部、知夫漁港を回り込んで、東へ。島津島は細い橋で繋がれていて、海水浴場や神社がある。それにしても海の色が美しい。足ヒレを持った若者グループが橋を渡っていった。

島津島の入口は塞がれていて、島で放牧をしているので、入る人はハシゴをずらして
入るようにと注意書きがあった。昔は牛を泳いで島へ渡らせたという。
海岸近くの家の垣根に、ヘクソカズラの花が咲いていた。

島の主要道路は一回りしたので、港へ戻る。途中に地蔵の一群。そこに河井の湧水と呼ばれる湧き水。

河井の湧水の脇に立つ地蔵と石仏。
タヌキが湧水の飲み口を持っている! あまり気持ちがいいもんではないな。

港のターミナルで車を返し、今夜の宿、ホテル知夫の里に電話して迎えに来てもらった。ホテルは島の南部、海を見下ろす高台に立っている。部屋は2階。テラスからは海が見える。

左手には先ほど見てきた島津島が見える。

海が見えるお風呂で汗を流し、1階の食堂で夕食。あれこれ地の食材を用意してくれていた。刺身はカマスで、皮を引いた身と、皮目を炙った身の盛合せ。

前菜の真ん中は、神葉(じんば)藻と呼ばれるホンダワラ。カラシ酢みそ和えで。
迎えの車の中で、湾内に浮かぶ生け簀は岩ガキの養殖と教えてもらった。
その岩ガキが出てきたので嬉しかった。プリプリで美味しかった。
隠岐で唯一の日本酒、隠岐誉。

茶碗蒸し、レンコダイ塩焼き、鴨のローストと運ばれ、お酒も進む。〆のご飯は、アラ汁と寿司。

寿司はヒラメのにぎり。1貫はワサビ、もう1貫はショウガ。

料理は期待以上に満足できたのだが、隣のテーブルの高齢婦人トリオがうるさくて本当に困った。赤ハゲ山、赤壁とすれ違っていた人たちだったが、2名はおとなしく食事していたが、一人がずっと大声で喋りまくっていたのだ。少々酔っ払っている風だったが、こんなご時世なのに自重してほしいものだ。
翌朝は、雲が全体にかかっていたが、やがて晴れ渡った。

2階廊下から食堂とフロント。フロント上には赤壁の航空写真があった。
朝風呂も堪能。左上に突き出しているのが島津島の南端。
磯舟が沖へ出て行った。
岩ガキの養殖は、隣の西ノ島で30年前に日本で初めて成功した。

朝食後、港まで送ってもらい、お隣の西ノ島へ向かう内航船に乗り込んだ。

フェリーターミナルは立派な建物。この中に観光協会もある。


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