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2022年5月21日 南アルプス林道

日程:5/20明大前14:00→17:00仙流荘(泊) 5/2仙流荘6:05→6:30歌宿の手前→シナノコザクラ、ホテイランなど撮影しながら林道歩き→10:27手をあげてバスに乗車→10:45仙流荘→11:14道の駅南アルプスむら長谷→11:40高遠 壱刻(昼食)、酒屋買い物12:15→12:50諏訪大社上社本宮13:15→15:20美ケ原某所15:35→19:05新座駅

メンバー:横井、秋田、長崎

いつも山の花を一緒に見に行く、70・60・40歳代のトリオ。これまでも各地のコザクラ類を見てきたが、今年はさらにコザクラ追求の年にしようとなった。先日のクモイコザクラに続き、今回はシナノコザクラを目指す。ちょうどホテイランも咲いている頃。山ではなく、林道の脇で見られるというから、しめしめとほくそ笑む。
まずは前泊。翌朝一番のバスが出るターミナルに隣接する長野県伊那市の仙流荘。17時過ぎに到着。温泉を一風呂浴びて、大相撲観戦の後、夕食。山小屋に毛が生えた程度の宿と思っていたら、ちゃんと出来たてアツアツを一皿ずつ出してくれた。炙りサワラとホタテ刺身、茶碗蒸し、イワナ塩焼き、コシアブラなどの天ぷら。酒は地元の黒松仙醸。

仙流荘。日帰り入浴も可能。われらは安い料金にしたので写真の本館の部屋。
右の方に新館があり、少しお高くなる。
山の宿らしく、ロビーには南の方から撮影された南アルプス主峰の大パノラマの写真。
食前酒と前菜。そば米とろろ、タケノコとワラビ、フキ酢味噌。
黒松仙醸、生酒。すっきりタイプ。その後、黒松仙醸本醸造を2合いただいた。

翌朝は、4時半起き。5時から朝食。野菜の具だくさんの味噌汁が美味しかった。天気は曇り。昼前まで降らずにもってほしいなあ。

しっかり充実した朝食膳。ご飯の炊き方がイマイチで残念。

すぐ隣がバスターミナルなのでありがたい。

南アルプス林道バスのターミナル。6月14日までは歌宿まで、15日以降は北沢峠まで運行。
新しいバス車体。ホイールカバーはピッカピカだった。
バスの待合所の庇の下にツバメが止まって囀っていた。
仙流荘~歌宿は850円、別に荷物代が220円必要。

始発バスには我々を入れて10名ほどが乗車。一度来たことがある長崎君のアドバイスで右側に座った。バスは、黒川に沿って走り、やがて戸台大橋を渡り、山道を登っていく。運転手さんがいろいろ解説をしてくれる。正面に仙丈ヶ岳が見えます、もう一度見える場所があります、など。

車窓から見えた仙丈ヶ岳。真ん前に見えたので、ちょっと方向感覚がおかしくなる。

やがて、花の解説が始まる。花の見所にさしかかるとスピードを落とし、○○○が咲いています、この付近で一番大きなキリの木です、花が終わりかけていますが上の方ではまだ咲いています、などなど。
やがて夫婦連れがシナノコザクラ群生地で下車する。終点歌宿はもう少し先だが、我々もここで下車することにした。あいにく雨が降り始めている。トンネル出口に荷物を置いて、シナノコザクラの撮影。かなりたくさん咲いている。斜面を登れば、接近も可能。さあ、撮影タイム開始。

このトンネル出口にザックを置いて、空身で傘とカメラ類を抱えて
手前の方の岩場斜面に撮影に行った。
シナノコザクラは、こんな感じで岩場に張り付くようにして咲いていた。

ちょうどこのあたりは、仏像構造線という大断層が走っていて、その境目に当たる。仏像構造線は関東山地から沖縄にまで至る。東側は1億年前、西側は2億年前の地層。西側の石灰岩の岩場にシナノコザクラが咲いている。いつものように、花の写真は別ページで。

仏像構造線の説明板。
仏像構造線の実際の現場。断層の右手にシナノコザクラ。
周囲の木々の緑色がまばゆいくらいに鮮やか。
向かいの山には雨雲がかかり、幻想的な雰囲気。

一通り、シナノコザクラを撮影して、林道を下ってゆく。次のお目当てはホテイラン。ぼくは初めて。おお、ご対面。少々興奮気味に撮影しまくった。ここまでで、すでに2時間は経過している。まだ2㎞も歩いていない。

2段重ねで咲いていたホテイラン。
登ってくるとき、バスの車窓からも見えた目印のような花。
思い思いに花と向かい合うのはいつものこと。時間があっという間に過ぎていく。

ホテイランを撮影し終えて、再び下り始める。その先にもシナノコザクラはポツポツ咲いている。次第に雨も弱まってきた。空気がうまい。もうひとつの目玉植物、チチブシロカネソウも僅かながら見ることができた。

苔の上にタチツボスミレの群生。
森の中は木々の若緑色と苔の濃緑色で染められている。
日陰の谷間には所々、残雪も残っている。
対岸もこちらと同じ石灰岩の地層で、露出しているのは幕岩と呼ばれる石灰岩の岩壁。
土砂崩れ防止の金網の下にムシトリスミレ。
獣のアゴの骨の一部、発見。クマかイノシシか。
本当に美しい森の緑色。大自然の生命力を感じさせてくれる。
トチの葉っぱもぐいぐい伸びている。

やがて、道幅が広い箇所に出たので、下ってくるはずのバスを待つことにした。このあたりはどこでも乗車可能。結局、6時半過ぎから歩き始めて、わずか4㎞の区間を4時間かけて歩いたことになる。

やってきたバスには誰も乗っていなかった。
戸台大橋を渡る。

ターミナルに着いて、車に乗り換え、最寄りの道の駅へ。パン屋さんが人気らしい。まだ昼前、昼食は高遠の蕎麦屋へ。高遠蕎麦を売りにする壱刻。辛みダイコンの絞り汁に特製味噌を溶いて、蕎麦をつけて食す。なかなかいける。蕎麦自体も風味たっぷりで美味い。蕎麦湯は濃いめか薄いめ、選ばせてもらえた。濃いめで。これまた美味しい。満足。
隣の酒屋で、ここでしか買えない、黒松仙醸で醸された高遠の米の酒、やまむろを買い求めた。
さて、その先、まだ時間が早いので美ケ原の某所へ。タデスミレ、という世界でもそこにしか自生しない希少な花らしい。が、結果は空振り。あたりはニリンソウ、エゾノタチツボスミレなどは咲いていたものの、肝心のタデスミレは見つけられず。

タデスミレ捜索はハズレ。残念でした。

さあ、帰ろうと車を走らせていると、田んぼ脇にキジがいた。

山の中の田んぼもすでに田植えは終わっていた。

実はこの日、その手前で、ヤマドリを間近で見かけた。カメラが間に合わなかったのは残念。起き上がるようにして羽をばたつかせていたが、頭部は鮮やかな赤色をしていたからオスだな。
帰路は東御ICから関越道経由で、いつもの新座駅まで。全く渋滞なしで帰ることができた。


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