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2023年2月 高知・ジビエの宿

礼文島星観荘には3年前初宿泊。そこは友人Jさんの数十年来の定宿で、彼と一緒に行ったのだが、2泊目に緊急連絡が入り、ぼくだけ先に帰った。その時、入れ代わりに星観荘に来た女性がとても面白い人だったと後からJさんに教えられた。高知でジビエレストランを成功させ、まもなくジビエの宿を始める、と。
そのウワサのジビエの宿、ヌックスキッチンへ、Jさんと出かけることになった。

高知龍馬空港。もちろん、ジェットスターに搭乗して到着。
ここからバジェットレンタカーで一路、ヌックスキッチンへ。

物部川に沿って山の方へ走る。国道195号線、そのまま走れば四ツ足峠を越えて徳島県那賀町へと抜ける道だ。アンパンマンミュージアムを過ぎ、のどかな山里風景が広がった頃、国道脇に目指す宿があった。

小さな看板が正面に出ていた。ここはキッチンスタジオ。
宿泊棟はこの奥と右手の2ヵ所。

こちらの宿には、築100年の「古民家」と新しい「小さなおうち」の2つの宿泊棟がある。早速、オーナーの西村さんが案内をしてくれた。
まずは昨年春にできたばかりの小さなおうちから。外の階段を上って、ドアを開ければ、めっちゃお洒落な空間が現れた。

左手にソファとテーブル、右手の窓際には小さな木のテーブルと座り心地のいい椅子。
床暖房が入っているので、外は寒くても暖かい。
天井には大きなファンと照明、左手前の階段を上れば、ダブルベッドがあるロフト。

家具もそこここに置かれた小物類も、とにかくお洒落でセンスのいいものばかり。基調はあくまで明るい木造りの部屋。

ビートルズ、桑田佳祐からクラシックまで様々なジャンルのCD。
もちろん、ブルートゥースで持参の音源も飛ばせる。
階段の書棚には星野道夫の本なども。
後ほど、結果的にこのベッドでひとり寝ることになったが、
ジイサンには似合わないカワイイ熊さんがいるのだ。
キッチンの屋根の上にはテラスもあり、いい季節なら、ここで山里の景色を楽しみながら、
コーヒーでもビールでも飲みたいところ。
裏から見ると、小さなおうちはこんな建物。この2階部分がお部屋。

古民家の方は彼女の祖父母が暮らしていらっしゃったお宅とのこと。平屋建て、内装はもちろん今風にリフォームされている。

こちらが築100年の古民家棟。
長火鉢を挟んで革張りのソファで寛ぐ。こちらの部屋にも音楽は用意されている。
CDだけでなく、レコード盤も。隅っこにアコギも。
食事用のテーブル。部屋は石油ストーブで暖房中。足下はホットカーペット。
部屋の片隅にはこんな椅子も置いてあった。
床の間の部屋が寝室。昔はここから端まで全部つなげて、法事などしていたそうだ。
縁側には庭を眺めながら座れるように椅子が。

とにかく、どちらの宿泊棟も、少しでも居心地がいいように、さらに心和むようにと、細かな配慮が行き届いていると感じた。
それぞれをひとりずつ使って下さいと言われ、びっくり。なんと贅沢な! で、ぼくが新しい方の部屋を使わせてもらうことになった。

看板犬のタロちゃんは、お客さんにも大人気らしい。放し飼いの鶏たちとも仲良し。
鶏たちは、柵もないめっちゃ広い庭、というか大地で勝手に歩き回っているが、
勝手に鶏舎へ帰ってくるらしい。エライなあ。
寒くない時季は庭のテーブルでジビエの塊肉を焼いて食べたり、
朝食を外で食べたりもできるとのこと。
オーガニック畑、ハーブ畑など、広々とした中に作られている。

さて、お風呂はせっかくなので、新しい部屋の方で入って下さいということで、Jさんもやって来て交代で入浴。なんと槙の浴槽。ヒノキやサワラの浴槽は経験あるが、槙って初めてかも。

相当大きな槙の木でないと、この浴槽は造れない。
聞けば、とあるお方から特別に譲ってもらったとのこと。その方には翌朝会うことに。

槙の風呂は格別に気持ちよかった。風呂上がりのビールも一際旨い。
さて、そろそろお楽しみの夕食だ。古民家棟へ。

奥の野菜はアレッタ、ヒマラヤレモン塩とアヴォカドオイル和え。左は自家製コンニャク、白味噌、柚子酢、ニンニク葉、砂糖、ゴマのタレをかけて。

上の写真の右上はイノシシのハム、皮付きで美味しい。右下は脂身メインのイノシシの生ハム。やっぱり脂身が旨い。
さて、この後、どんなジビエ料理が出てくるか。

おお、シカのタンのグリル。これは初めて食べるかな。うまい。
タンの部位によって食感も異なる旨さ。
ビールの後はオススメに従って白ワイン。南フランスのオーガニック、ボンペシェブラン。

先ほどのアレッタも美味しかったが、今度は焼きケール。ほんのり苦味もあって、こちらも美味。
そして、シカ肉のアヒージョ。言われなければシカとは分からないかな。

ペーパーナプキンもお洒落。汚すのがもったいないくらい。
これにはホンマにまいりました。ノックアウトされた。シカのレバカツ。
ふんわり仕上がり。キャーと叫ぶほど美味しかった。白ワインに合うこと!

ジビエ続きの所で、海産物が登場。高知と言えば、ドロメ。それをオムレツ仕立てで。

いやあ、素晴らしい香り。ニンニクが利いたソースもいける。右の熊さんは塩入れ。

さて、今宵のメインディッシュはイノシシのすき焼き。放し飼いの鶏が生んだ卵を添えて。
ワインの後は、日本酒を。高知の銘酒、文佳人。

肉は背ロースと肩ロースの2種類。いい感じで脂がのっている。美しい。
イノシシ肉は煮え過ぎないように。柔らかくて味がしっかり伝わる。豆腐も美味しいきちんとした豆腐。おつゆが濃いので、食べ進むと、ちょっとしつこく感じるし、
せっかく美味しい野菜の味が分からなくなるのが少し残念だった。
ここで使われる食器はちゃんとしたものばかり。文佳人も一際美味しく感じる。
デザートは手作りのチョコブラウニー。これまた美味しい。

もう満腹。ふう。まだ改善の余地はあると思うが、期待以上の料理に大満足。食後のひとときを、持参した日本酒を飲みつつ、長火鉢の炭のぬくもりを楽しんだ。

土佐鶴特別純米。

部屋に戻り、冷蔵庫の中のポットに入った特別な水を飲む。うーん、これが美味しい。

明日、伺う奥物部の太夫さんの所に湧いている水。

翌早朝、目覚めると、窓の外の山の上に三日月。

目覚めて、こんな景色を見られるなんて、それだけで贅沢だ。

目覚めのコーヒーを一杯。

もちろん、ポットの特別な水を使って淹れた。こりゃ旨い。
テラスからは徳島との県境付近の山に昨日降り積もった雪が見えた。
ユズ畑では朝早くから仕事をしていらっしゃった。

朝ご飯もまた素晴らしかった。

和食、洋食、どちらと訊かれて、洋食をお願いした。パンも自家製、イタリア風のチャバタ。右上はトマトジュース、特別なハッピートマトのジュースでワインより高いという。凄く甘くて美味しかった。スープに入っている黒っぽい葉っぱはブラックキャベツ。
そして、朝食のメインプレート。シカとイノシシのハンバーグ。肉々しい旨さ。
目玉焼きは放し飼いの鶏の卵。イモはイノシシのラードで焼いてある。
結局、全部は食べきれず。情けないなあ。

デザートはキンモクセイジャムをトッピングしたヨーグルトと日本蜜蜂のハチミツ。そして美味しいコーヒー。心よりご馳走様でした。
精算。今回は全国旅行割と他にも割引きがあり、破格の格安、ひとり1万6000円。さらに地域クーポン2000円をいただいた。

他の都や県で使われるリージョナルペイというアプリではなく、
独自のシステムなので非常に使い勝手が悪い。結局、合算できなかった。

宿の詳細については、さらに写真があるので、気になる方はこちらをご覧下さい。

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