2023年11月 写真展
夕刻、忘年会の予定があり、せっかく都心に出るので、写真展を観ようと初台へ。東京オペラシティのアートギャラリー。
沖縄の女性写真家、石川真生。「石川真生 私に何ができるか」展。彼女の写真は、これまで写真集をパラパラ見たり、沖縄で何かの折に作品を数点見た覚えはあるが、ちゃんとまとまった写真展で作品を観るのは初めてだと思う。
入ってすぐのコーナーは、彼女の処女作、「熱き日々 in キャンプハンセン‼」からのモノクロ写真で、赤花アカバナー沖縄の女、という作品群だったが、ここだけは撮影禁止エリア。1970年代後半。
その次の一角は、同じくモノクロ作品。
その後は、港町エレジー、沖縄と自衛隊、基地を取り巻く人々、私の家族など1980年代から2000年初めにかけてのモノクロ作品群が続く。
今回、最も点数が多かったのは、2014年から始まった、大琉球写真絵巻というシリーズ。これらはカラー作品で、初期は沖縄の歴史を沖縄の人たちが演じる創作写真だったが、その後、沖縄各地で様々な活動をする人たち自身が各自それぞれに自分を演じる作品へ変化し、さらに直近では宮古島や与那国島など自衛隊基地を新たに作っているエリアへ。
後半のカラー写真群に少々疲れて、出口を出たら、ビデオ画像が流れていた。石川真生が、家出をして東京へ出てきて、写真家になろうとして、写真教室に2ヵ月ほど通った時の先生、東松照明さんが語っている。
懐かしい東松さんの語り口。2012年というと、この年の9月に沖縄へ行った際、東松さんに会っている。県立美術館へ寄ってみたら、たまたま沖縄の写真家の写真展オープニングで、そこで挨拶をするために東松さんが来ていたのだ。驚いたのは車椅子に乗っておられたこと。奥様が押していた。数年前には那覇のご自宅へ訪問したこともあり、入院中の病院へお見舞いに伺ったこともある。が、その日は本当に偶然だったので、簡単に挨拶だけして別れた。その年の暮れに亡くなられた。
10数分のビデオ画像を感慨深く見せてもらった。肝心の写真展より、こちらの方が強く深く印象に残った。
初台から下高井戸経由で、世田谷線に乗った。
向かったのは若林駅。歩いてすぐ、線路沿いの小さなギャラリーで、神津島のF君が伊豆の島々の星空の写真展を土日だけ開催していたのだ。
ギャラリーから、歩いて三軒茶屋に向かった。