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2022年1月 薩摩湯めぐり2

指宿からの続き
鹿児島市内をパスして、錦江湾沿いに南下。桜島は雲に隠れて見えず。桜島へ繋がっている牛根大橋、橋の下にたくさんの漁船がいて、不思議な光景。養殖のための作業船だとは思うが。

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桜島にほど近い、江之島温泉共同浴場が最初の立ち寄り湯。民家の奥に浴室が立っている。お金は民家の方に受付場所があり箱に300円を入れるようになっている。箱の中には近所の人たちだろう、回数券がたくさん入っていた。トイレは民家の玄関先へ回り込み、上がらせてもらってすぐ左手。
さあ、温泉だ。浴室には中央で仕切られた浴槽がど真ん中にでんとある。奥の浴槽には、勢いよく源泉が噴き出していて、温度やや高め。手前はぬる、こっちの方がいいなあ。温泉はアルカリ性単純硫黄泉、47.8℃。
先客は常連さんが2人。後から入って、お先に失礼します、と出た。

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浴舎の前には梅の木。白い花が咲いていた。

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江之島温泉共同浴場の駐車場前からは、間近に桜島が見える。お、雲がとれて姿を表し始めたぞ。この後、一気に晴れ渡り、気温も急上昇。たぶん、16℃~17℃ぐらいまで上がった感じ。

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今夜の宿は、本来は鹿児島市内のはずだったが、キャンセルしたため、昨年も来た鹿屋市の太平温泉。相変わらず、昼間から温泉は繁盛してるようだった。今回も前回同様、別館のシングルルーム。1泊素泊り4400円。

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散歩に出かける。宿のすぐ近くで、学校から帰ってきた小学生が鍵を自分で開けて小さなお家に入っていった。下谷川沿いに歩き、海上自衛隊鹿屋基地の脇にある、神徳稲荷神社へ。来る時に機内誌で紹介されているのを見かけたお洒落なイマドキの神社だ。こりゃ、インスタ映えするよね。

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びっしり並んだ赤い鳥居をくぐり抜けると、本殿。その前の池には小さなキツネの人形がずらっと並べられている。

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そして、こっちにも透明な鳥居。神社の横には、半円形のコンクリート造りの建物。こっちもモダン。結婚式でもするのかなあ。が、その向こうには谷に沿ってお墓がずらっと並んでいた。こっちはお寺の領分だろうな。ヘンな感じ。

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ホテルに戻り、お隣の温泉へ。ここのお湯は肌がツルツルになりそうな、いわゆる美人の湯系。炭酸水素ナトリウム塩泉。スチームと乾式の2種のサウナもあれば、打たせ湯も寝湯もある。珍しいのは運動浴のための大きな浴槽。地元の方々が昼間から大勢来ている。
さあ、さっぱりしたところで、早めに晩メシに出かけよう。これまた昨年、立ち寄って気に入ったおでん屋、黒ぢょかへ。
しかし、ありゃ、ま。休業中。この店だけではない。飲み屋街、全部の店が休業してる。ショック。こんなはずじゃなかった。

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どこか営業してる店はないかしら。大通りに面した、ホステルの1階のジャパニーズイタリアンを謳う、はるんち。幸いなことに、まだ他にお客はいない。生ビール、自家製豆腐、名物のカルパッチョを注文。ビールは銅のマグカップで、豆腐はプリンみたいな容器に入って出てきた。味は悪くない。

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他に開いている店がないからか、次々、若いお客が入ってきた。こりゃ長居は無用。グラスワインとドリアを〆の注文として、1時間も経たないうちにお勘定を済ませた。

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コンビニに寄って、食後の甘味、マカデミアナッツアイスと朝食のパン、さらに、このあたりで見かける財宝の自販機で温泉水ペットボトルを買って、ホテルに戻る。夜の温泉は一層賑わっていた。
翌朝は6時オープンと同時に温泉へ行ったが、すでに駐車場には車がびっしり。お風呂は朝もハヨから大賑わいだった。ここにはペット専用のお風呂もある。

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チェックアウトして、さらに南下。海の向こうに、錦江湾の出口が見えた。今日もいいお天気。暑くなりそう。

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振り返れば、今朝の桜島はわずかだが噴火していた。

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向かったのは根占。諏訪神社、こちらにはなんと鳥居がふたつある。なぜなのかは説明書きはなかった。縁結びに御利益があるとカップル客に人気だとか。作法を知らずに、右の鳥居をくぐって、左から出たが、逆だったらしい。まあ、今さら縁結びも無用なので、いいか。

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根占港近くの立ち寄り温泉、ネッピー館へ。330円。内湯はさほどでもなかったが、露天風呂は茶色いお湯。こちらは源泉だと。ナトリウム塩化物強塩泉。湯口から源泉らしき湯が出ていたが、しばらくすると止まった。湯量調節か。まあ、なかなかいいお湯ではあった。露天風呂のすぐ脇の拡声器から流れるBGMの意味のない音楽はうるさかったけど。

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根占から今度は北上。すぐ近くの道路脇に、田の神(たのかん)さあ。田んぼの豊作を祈念して祀られている。甑を被り、しゃもじとすりこぎを持っている。いいお姿、だと思った。近くにもいくつかあるらしい。

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今回借りたレンタカーは日産note。車は悪くないが、カーナビが最悪で、次に目指したアビルランド坂元へ辿り着くのが一苦労。素朴な浴舎。410円。ぬる湯とあつ湯、電気風呂、サウナと水風呂がある。先客4名ほど。日差しが差し込む明るい浴室で茶色いお湯を堪能した。成分分析表が貼ってなく、調べても冷鉱泉などという紹介しかされていない。炭酸水素泉、と勝手に書いているサイトもあったが、根拠不明。垂れ流しになっている演歌のBGMがうるさかったけど、まあ好みの問題か。

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お腹が空いてきたので、鹿屋市内でお昼を食べることにした。お、自衛隊機が低空を飛んでいく。

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やました珈琲という自家焙煎の店の隣にあるお洒落なカフェで、アメリカンホットサンドとコーヒーのランチ。ホットサンドも美味しかったが、パンの耳をカリカリに焼いてあって、添えられたイチゴジャムで食べるのが良かった。ご自慢のはずのコーヒーはイマイチかな。

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次に向かったのは日当山温泉。ここでもカーナビ不全。苦労して辿り着いた日当山温泉センター。その脇の崖の下で西郷さんがわらじを作っていたそうな。

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260円。炭酸水素塩泉。肌に優しい感じ。岩風呂の浴槽。奥に看板が立っていて、熊襲風呂、とある。恐ろしげ。こちらは宿泊も可能。

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さてさて、最後の宿泊地は、妙見温泉秀水の湯。国道脇に立つ宿は、看板がなければ普通の民家にしか見えない。そもそも妙見温泉には、妙見石原荘や忘れの里雅叙園など、錚々たる名旅館が並んでいるというのに、もの好きだねえ、我ながら。いやいや、貧乏性なだけか。

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大家さんのお宅には指圧院が設けられている。玄関の戸には竹筒がついていて、日帰りの人はそこへ200円を入れる仕組み。声をかけると、ご主人が出てこられて、奥にある浴室の脇から階段を上がった部屋へ案内された。階段を登った所には、源泉のパイプに紙垂(しで)が付けてある。

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11号室。コタツが嬉しい。キッチンも立派。調理道具や食器類も豊富。大きな冷蔵庫とトイレ、テレビもある。長期滞在しても問題なさそう。ただひとつ、ご主人も申し訳なさそうに言っていたが、エアコンがコイン式、100円で2時間。

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さて、何はともあれ、温泉へ。突き当たりは女性用。その脇にこの表示板。

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右手に男と書かれたメイン浴室、左手にも男とあり、こちらは打たせ湯。そっちの中では脱衣できないので、裸のままタオルで前を隠して裸足で移動する、と先客に教えてもらった。女性風呂がありますよね、と確認すると、笑いながらおじさんは、みんな慣れとる、と。それはともかく、茶色っぽい適温のお湯は、片隅のパイプからドバドバ流れ出している。浴槽からザバザバ湯があふれ出していく。これがずっとそのまま。思わず、青森の古遠部温泉を思い出してしまった。これは素晴らしい。浴槽は広くはないので、せいぜい2人までかな。

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裸で打たせ湯に移動。お、こっちはぬるめ。隣は冷水。どっちも流れっぱなし。ぬる湯にゆっくり浸かって、時々、冷水を半身に浴びせて、温冷浴。ついでに肩や腰に打たせ湯も。こりゃ、いいわ。お湯の肌当たりも柔らかい。サイコー。

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1時間近く長湯してしまった。夕食は町の中のイオンで調達してきた。一人用の小さいパックの惣菜があれこれあったので助かる。スパイシーキュウリ。香ばしい鶏のたたき。少量の鶏タタキ、タマネギスライス、そこへニンニクとタレをかけて。旨いぞ。酒はイモ焼酎お湯割り。

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今夜のメインは、刺身。ミズカマスとトビウオ。ミズカマスはスーパーで切り身をカットしてもらってきた。2パック、これで500円もしない。お味は、大変上等なり。ねっとり旨味が溢れる。
あとは惣菜3点盛り、ベビーチーズ、ばら売りミカン。
食後は、地元の知覧茶とお菓子。
食休みの後、またお風呂へ。どうやら、宿泊客はぼくの他に、もう2部屋、各1名ずつ男性がいるようだ。

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翌朝、6時に温泉へ。西の国は日の出が7時過ぎと遅い。なので6時は真っ暗。昨日教えてもらった照明のスイッチを入れて、ひとり貸切入浴。浴槽の石には温泉の成分がびっしり付着している。朝からドバドバ、激しくお湯が出てくる。贅沢なり。
もちろん、打たせ湯へも移動。じっくり楽しませてもらった。

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朝ご飯はサンドイッチに野菜ジュース。〆にコーヒーとヨーグルトとみかん。朝ドラ観てから、もう一度、名残の温泉を楽しませてもらった。いやあ、本当にいい温泉にめぐり逢えて良かったなあ。

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はやいもので、もう帰る日になってしまった。今朝は小雨が降っている。肌寒い。霧島温泉を通り過ぎ、山の中へ。目指すは、新湯温泉。何もない山の中に突然、建物が現れる。湯煙の中に。

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上の写真の右側、国民宿舎のフロントで手指消毒と検温、600円を払う。さらに、名前、電話住所を書き込む。
湯小屋は上の写真の左側。単純硫黄温泉、60.5℃。硫黄成分が濃いお湯。湯が溢れる部分の岩は、指で触れると黄色い粉がこそげ落ちる。

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こちらも内湯から裸で露天風呂へ移動。女性風呂には履き物がないので誰もいないが、露天は一応混浴となっている。こちらは貼り紙の注意書きがやたら多い。露天風呂は入浴15分以内、とある。入浴料を払うときに、入浴は30分以内にして下さい、とは言われていた。実に、細かい。まあ、人気があって混み合うことも多いのだろう。小雨降る中、屋根の下で露天風呂を楽しんだ。最後に内湯に浸かって、お約束通り30分。

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初日に寄ることができなかった霧島神宮へお詣りに。ホントは初めにご挨拶しなきゃアカンですね。由緒正しい、規模も大きな神社だが、ゴタゴタしていなくて、なんだか好感を持てた。

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さて、ふたたび霧島温泉中心地を経由して、立ち寄り温泉をあと2ヵ所。行く手に湯煙。ようやく雨もあがった。

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関平温泉。入口の貼り紙に、マンボウエリアからの客は利用自粛を、とあるが、本日から鹿児島県もマンボウ入りしてる。ということは県民もお断りしてるのか。そんな訳はなく、問題なく、手指消毒と検温のみで、320円払って入場。
浴室内には、新床温泉と関平温泉のふたつの浴槽。新床の方が広い。お湯は新床の方が少し濃い感じ。どちらも無色。成分的には、新床はナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉65℃、関平は単純温泉36.5℃、とある。
すぐ下には物産館もあり、とりわけ、関平温泉の温泉水を大々的に販売している。ペットボトルを1本だけ買ったが、自宅へ何十リットルと宅配する人もいるようだ。美肌に効能あるとか。

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さて、最後の温泉はここ。ラムネ温泉千寿の里。派手な招き猫のお出迎えだあ。受付は無人、湯上がりの女性お二人が、勝手にお金を入れていけばいいのよ、お釣りもそこにあるから、と教えて下さった。今年になって、300円から400円に値上げしたみたい。なんでも値上がりするご時世だ。

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浴室の前に飲泉所。紙コップで1杯。おお、いかにも炭酸泉のお味。いいですねえ。左には大きな成分表。炭酸水素イオンがずばぬけて多く含まれている。泉温55.5℃、湧出量毎分90リットル。成分的には炭酸水素塩泉。

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内湯はこんな感じ。さすがに湯量豊富というだけあって、湯口からはお湯が流れ続けている。そして、上がり湯のための専用浴槽も大きなものが用意してあり、こちらも掛け流し状態。湯温は41℃ちょいぐらいか。いいお湯だ。

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内湯で温まってから、露天風呂へ。おお、広い。手前が温度高め。奥の半分がぬる湯。これがとっても気持ちいい。最後の最後で、いい温泉にめぐり逢えたわ。いやあ、今回のお気に入りベスト3は、ここと、最初の霧島湯之谷温泉、そして昨夜泊まった妙見温泉秀水湯、以上に決定。
次に来るときは、ここラムネ温泉千寿の里に宿泊してみようかな。

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空港へ向かう手前で寄り道。昔、列車に乗ってきて、この駅で停車して弁当を買った事がある。嘉例川駅。駅舎前のベンチには、1匹のネコ。一昨年、名物駅ネコ、にゃん太郎が亡くなったとニュースにもなった。そのネコ舎は今も駅舎内に花を飾られているが、このネコはどうやらそういう存在ではないみたい。

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旅の終わり、レンタカーを返却して、5000円を返金してもらい、鹿児島空港ターミナルへ。いつも立ち寄る大空食堂で、旅の〆の一杯をやろうと思ったら、現在アルコールの提供はしておりません、だと。えーっ、それはないでしょ。しょうがないので、鶏飯バイキング600円を。

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