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2022年1月 薩摩湯めぐり1

昨年秋に確保したジェットスターの成田~鹿児島往復便、8000円なのでメチャ安でもなくフツーの値段。今年になって帰路便が運休とメール。通常はできないキャンセル払い戻しが可となる。が、ネックがひとつ。鹿児島市内の宿泊に市のキャンペーンを使っていて、それが取消不可、4000円を事前に払い込んでいた。4000円で1万円分の宿泊ができるはず、だったが…。なので、帰りの便を1日後へ変更した。これで、また飛行機は取消不可。で、出発僅か数日前になって、今度は鹿児島市キャンペーン事務局からマンボウエリアの人は利用自粛しろとメール。特別に払い戻してやるとも。ふざけんなよ。もっと早く言えよ。事務局に電話すると、あくまで要請なので強制ではないとぬかす。そもそもめちゃくちゃ使いづらく分かりづらい独自のシステムで金を払わされ、問合せても小馬鹿にしたような対応しかしなかった。気分悪いし、鹿児島市は今回は泊まらず、立ち寄りもしないことにした。その後、鹿児島も同様にマンボウになったが、県民にも利用自粛を訴えたのかいな。
長くて不快な前書きを陳謝しつつ、旅立ち。初日は鹿児島空港からレンタカーで、レンタカー割引のためのスタンプをもらうために2ヵ所立ち寄って、宿へ。
以前から気になっていた霧島湯之谷山荘。

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湯治部は母屋から階段を登った先。部屋には冷蔵庫、テレビ、エアコンあり。大相撲初場所千秋楽、御嶽海優勝の瞬間はかろうじて観ることができた。

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部屋の向かいには共同炊事場。湯沸かしのコンロ、ヤカンは無料で使用可。調理道具や食器も各種揃っている。

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さっそく、内風呂へ。3つの浴槽。一番奥は硫黄泉で熱め、一番手前は微炭酸泉で冷たい、真ん中は両方の混合でぬるい。順番に奥から手前へ順番に浸かるとよいと壁に貼ってある。湯はもちろん源泉掛け流し。温泉自体は江戸時代に開かれ、ここのお宿は昭和15年開業。

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微炭酸のお湯がいいなあ。湯口からぶくぶく泡だった源泉が注ぎ込まれる。体温よりやや低め。でもじっと浸かっていると、じんわりしてくる。

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冷泉と真ん中のぬる湯の浴槽の間には木の間仕切り。横にすれば止まる。外せばたくさん注ぎ込み、ぬる湯の温度が下がる。縦に置くと、ほどよく混ざる。気がつくまでに少し時間がかかった。

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床は滑らないよう切り込みが入っている。

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宿には、別に露天風呂がある。チェックイン時に希望の時間帯を伝えて、30分間貸切で入浴できる。岩風呂、まあこっちはフツー。

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1泊素泊り5800円。夕食は温泉街外れのスーパーで買ってきた惣菜。オクラには味が付いていなかったので、鶏皮チップ柚子胡椒風味をトッピングして。

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メインのおかずは、県産のアジ刺身。ピッカピカで旨かったあ。醤油はご当地の甘口刺身醤油にて。酒は黒伊佐錦をお湯割りで。鶏唐揚げはレンチンしてからいただいた。
食休みの後は、もちろん内風呂へリターン、心ゆくまでお湯を堪能した。今回の旅の出足は絶好調。

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翌朝、朝風呂の後、簡単に朝食を済ませ、朝ドラを観てから出発。一面、霧に包まれていた。
狭い道を下って、国道へ出ると、昨夕は気づかなかったが、霧島温泉中心地の湯煙が行く手にもうもうと立ち上っていた。

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この日は、途中で温泉には寄らず、出水市へ向かう。お目当てはツル観察センター。

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こんなにたくさんツルが来てるとは思いもよらなかった。センターへ辿り着く前に、狭い農道のすぐ脇に、すでにいっぱいツルがウロウロしていた。

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そして、観察センター2階からの眺めはもう驚くしかない。こんなにツルを一度に観たのは初めて。大半が黒っぽいナベヅル。

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午前中は、撒かれた餌を食べに集まってくるので、こんな光景が見られるのだという。1階の土産物売り場の一角ではコーヒーを飲みながら、ツルたちを眺めることもできた。
ぼくのようなついでに立ち寄ってみました的なものもいれば、観察用の三脚付き単眼望遠鏡やバズーカ砲みたいな高倍率望遠レンズ装着カメラを持参して、熱心に観察をしているマニアもそこそこいた。彼らにとっては、何年ぶりかでたった1羽飛来したソデグロツルが気がかりだったらしい。こっちには見分けなどとうていつかないのだが。

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空を飛び回ってる姿もたくさん。かっこいいねえ。

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で、たまに真っ白なマナヅルもまぎれている。1時間ほど楽しませてもらった。

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さて、薩摩半島西岸を南下。お、甑島が見えてきたよ。懐かしい。3年前に訪れた時に工事中だった中甑島と下甑島の間の橋は昨年開通している。

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昼ご飯は、道の駅阿久根で日替わり定食。おかずはタイのアラ煮。量がものすごい。もったいないので残さずいただいた。

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道の駅阿久根には、日本一めでたい自販機、という表示が出てたので、気になって見に行った。なんのこっちゃ。

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半島を最南端まで南下すると、茶畑の向こうに開聞岳がうっすら見えてきた。

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海沿いに出ると、どかんと開聞岳。昔、登ったなあ。ぐるぐる渦巻き状に登ったのを覚えてる。

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今夜の宿は、鰻池にある民宿うなぎ湖畔。今回の旅で唯一1泊2食付きで泊まる。値段も1万近く、と最高値。世間的にはちっとも高くないけどね。名前や住所電話を書くだけでなく、ワクチン接種証明も見せた。1週間ほど前に有効期限が切れたPCR検査の陰性証明も一応見せた。来る前にもう一度検査を受けようと思ったが、近所の指定場所はどこも検査キットが切れていて検査停止中だった。そうそう検温手指消毒はもちろんしました。

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荷物を部屋に置いて、近所を散策。宿の向かいには、ユーモラスな西郷さんの銅像と石碑。この左のお宅に、明治7年、西郷さんはお供と犬を連れて滞留したのだそうな。

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立ち寄り湯はこぎれいな建物。ここへは2度ほど来て入浴している。一度泊まってみたいと思っていたのだ。

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きりっとしたネコがいた。

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集落内はあちこちから温泉の蒸気が上がっている。家ごとに、温泉の噴気を利用したスメと呼ばれる炊事用のカマドがある。廃屋も目立つ。こちらは空き地になってしまっているが、温泉蒸気だけは家がなくなってもしゅうしゅう湯気を上げ続けているのだった。

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宿の屋上に上ってみると、鰻池が見える。よく晴れて波のない夜には、池面にびっしり星が映り込むという話を聞いたことがある。今夜は無理だな。

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さて、温泉に入ろう。内湯と露天風呂がある。冬は湯温が下がらないようアルミシートを全面に浮かべてある。露天のシートを外してから、内湯で少し温まって裸で露天へ行くと、宿のおネエさんがシートを戻し忘れたとでも思ったのか、また敷き詰めていたので、すぐに入ろうと思って外してたんですよ、と言うと、半分はそのままにして入って下さいと言われた。あちゃ、情緒もへったくれもないなあ。ぬるめが好きなんだけど、と呟くと、他のお客さんもいますから、と。あれ、今夜は客はぼくひとりのはずなんだが。後で分かったのは、立ち寄り湯で来る人もいるのであった。

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こちらは内湯。ポップな壁画がカワイイ。お湯は無色透明の単純温泉。湯温、81.6℃。あれ、けっこう高温。でもシートかけないと冷めるとは。湯量がさほど多くないのかな。

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部屋は宿泊者専用の別棟で、小ぎれいな和室。テレビ、エアコンあり。冷蔵庫とトイレは共同。
夕食は母屋の広間でひとり。地元の焼酎がイケてるラベルだった。もちろん、これをお湯割りでいただく。

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実はチェックインしたときに、ソラマメが好きなんだけど、今夜は食べられるかしらと訊いていた。それならとソラマメサービス。エビ塩焼き、オクラ煮物、モズクなどの酢の物、カツオたたき。そして茶碗蒸しが絶品。下に通常のタマゴ出汁ベースでワラビなどとともに小さなお餅、その上全面にスメで蒸したお粥が載っている。先代女将考案とのこと。こりゃなかなか美味しかった。

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そして温泉蒸気で蒸し上げたスメ料理。塩は坊津産の粗塩で美味しい。この後で、大きな豚ナンコツのスメ蒸し。こってり味付けがしてあって、とても柔らかく仕上がっていて丸ごと食べ尽くした。

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焼酎をもう1種類、地元の大鰻。ご飯は一口二口しか食べられなかったが、美味しい米を使っていた。で、デザートがミカン2種類。右は桜島こみかん、左は新しい品種ではれひめ。どちらも感動的に美味しい。香りが華やかで、味も濃い。後で調べたら、桜島こみかんはけっこういい値段で売られていた。

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翌朝、朝風呂。昨夜と違って、お湯はほとんど注ぎ込まれていない。湯温は十分。
風呂上がり、どうも調子がすぐれない。旅先でたまに起きる症状。夕食をひとりで食べるから、短時間で一気に飲み食いしてしまい、消化機能がおっつかなくなる。結局、朝ご飯は食べずじまい。あのご飯からすると。きっと美味しい朝食だったに違いない。無念なり。

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さて、この日は小さな立ち寄り湯を巡るつもりだったが、調子が悪いので、とりあえず、指宿の砂蒸し会館の休憩ルームで一服しようと寄った。受付で、砂蒸しじゃなくて温泉だけと伝えて料金を払い、風呂へ行くと、地元のじいちゃんたちがサウナなどを楽しんでいた。さくっと上がって、休憩室へ行くと、な、なんと閉鎖中。ええー。何のために来たんじゃあ。

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さて、この後、鹿児島市内は通り抜け、大隅半島方面へ。続きは、別項で

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