見出し画像

2024年5月 礼文島での日々

今年は5月28日から6月1日まで、4泊5日、礼文島に滞在できた。
まずは、2日目。この日はレブンアツモリソウが目的。花の写真は別途。スタートは昔からある群生地。が、ここはアツモリソウがめっきり減ってしまった。むしろ、駐車場手前にそこそこ咲いていた。

船泊の集落から鉄府へ向かうと、道路の右手に木道が整備された昔からのレブンアツモリソウ群生地がある。去年、その先の左側に展望台が新設された。
去年来た時には、ここがまだオープン前だった。広いエリアにパラパラアツモリソウが咲いている様子が分かる。この右奥にはサクラソウモドキが咲く場所があって、10年以上前に来たときにも見た覚えがある。今年もしっかり咲いていた。

ここから船泊集落方面へと向かう。

廃屋周りに八重の桜がまだ咲き残っていた。

海沿いの国道に出ると、トド島が見える。晴れてくれてよかった。昨日は何も見えなかった。

2020年にはトド島へ渡った。ずいぶん前に無人島になっているが、集落の痕跡はかろうじて残っていた。
集落内の店舗の中には廃業した所も。最北端のたい焼き屋さんも今はやっていない。

そして、集落の先の方、ガソリンスタンドの下の海岸。去年、教えてもらって、レブンアツモリソウがたくさん咲いていることを知った。ただ、去年見かけた赤い花は今年は残念ながら出ていなかった。アツモリソウの花の写真は別ページで。

ここは、間近でレブンアツモリソウを観察できるのが嬉しい。

そして、もうひとつの目的、双葉食堂。店に入ろうとしたら、ちょうど出前に出かけるご主人が出てきて強い口調で、今日は無理! と取り付くしまもない。残念。マリンストアで土産と一緒に簡単な昼メシを買って海岸でランチにした。

土産は自宅と妹宅宛に宅配便で送った。
ちょうど手頃な流木があったので、これに腰掛けてランチ。

旅人御用達の喫茶店、談が開店していたのでコーヒータイム。

深煎りタイプのコーヒーとレアチーズケーキ。どちらもなかなか美味しい。珈琲豆は専門店で焙煎したものを取り寄せている。自家焙煎なんてのはただの自己満足で、素人がやっちゃいけない、というのがご主人の持論らしい。

宿に電話してヒコさんに迎えに来てもらった。途中、最近開店したという店「れぶんちゅら」に寄ってもらう。

店の隣にお父さんが昆布を干していた。漁は解禁前だが、海岸に流れよってきたもの。
店の一番のウリは店主の女性が作るアクセサリーだが、海産品も置いてある。トド島の最上昆布を1年間寝かせて旨味を出してから粉に轢いたというねかせ昆布粉は小さな瓶で2800円もする。試食させてもらったが、美味しいけど高過ぎ。天然の岩海苔3枚1500円を買った。

一度、宿に戻ってから、スコトン岬まで歩いた。

歩道のアスファルトを突き破ってタンポポが群れ咲く。ナニコレ珍百景だ。タンポポロードと呼んだら、観光客に受けるんではないかとヒコさんに進言したが、受けなかった。
トド島を間近に眺めるスコトン岬には観光バスもやってくる。手前には民宿もあるし、土産物店もある。そこで売ってる土産は高いし、地元産ではないものが多い。

3日目は桃知コース。島の南部、知床側から歩いた。

知床の町を下に見て、本当なら利尻富士に見送られるようにして歩くのだが、雲に隠れて見えないなあ。

この先、ずっと様々な花々が目を楽しませてくれる。それらは別途。

元地灯台。島に来て初めて外人さんを見かけた。中年カップル、登山姿で元気に歩いて行った。
奥に見えるのが桃岩。大昔は岩の上まで登れたらしい。下に見えるのが有名な桃岩荘ユースホステル。熱烈なファンが今もたくさんいる。
コース内のひとつのハイライト、キンバイの谷。海からの冷たい風が吹き付ける西側斜面、写真の左側斜面だけに、様々な高山植物が生える。
ゴールの桃岩展望台近くなると、右手に利尻富士が見える、はずだが、まだ雲の中だった。一面に生えている紫色の花はレブンコザクラ。

桃岩展望台登山口まで下って、タクシーを呼んで元地集落の海カフェへ向かった。徒歩だと、長いトンネルの中を歩かねばならない。車があればすぐなんだが。とうわけで、店へ来るのは2度目。

キタムラサキウニの昆布〆。1500円。これは驚き。旨すぎる。ウニを昆布と一緒に冷凍してある。甘味と旨味が一体となっている。ちゃんと特許とか商標登録とかしておかないと、すぐに真似されてしまうよと忠告。スコトン岬の店なんか平気でやりそうだもの。ちなみに貝殻の下に敷いてあるのは、前の浜で取れるめのう石。
メインはホッケバーガー。これまた旨いわ。函館から取り寄せてるというバンズも旨い。
あれこれおしゃべりしてたら、素敵なものをおごってくれた。ナイショ。
次は、夜に来て、じっくり腰を据えて、一杯やりたい。正式名称は、DinningCafe 海。

向かいに土産物店。

女性がやっている。もとは島の宿で働いていた島外の人。漁師のご主人と結婚して島の人になった。めのう石の細工品がメインだが、冬場に3ヵ月過ごす沖縄の浜比嘉島の塩なども売っていた。れぶんちゅら、よりもよほど沖縄っぽい店。おつまみ昆布を買った。

帰りはトンネルを歩いて抜けた。1500m、なかなかツライものがあった。

車がトンネルに入ると、轟音が鳴り響く。出口はまだか、まだか、と耐えながら歩いた。

トンネルを抜けると、礼香寺。ご住職が庭に高山植物を植えていらっしゃる。以前にも見せてもらいに来たことがある。

礼香寺の入口には桜の花。
庭先にはいろいろ高山植物が咲いていた。こちらはリシリゲンゲ。ちょうど居合わせたご住職は、レブンソウの白い花だとおっしゃるが、そうではないはず。あまり花にはご興味はなさそうな気配。他にもウスユキソウらしき花も咲いていたが、レブンウスユキソウとは少し違う感じ。詳細不明。
この日も最後はうすゆきの湯。やっと利尻富士が見えるようになった。

4日目は礼文滝コース。林道入口までヒコさんに送ってもらった。

林道入口からスタート。
しばらくは林の中のいい感じの道。オオバナノエンレイソウやマイヅルソウなど咲いている。花の写真は別ページ。

レブンウスユキソウ群生地の手前で、西海岸が見下ろせる。

あ、昨日行った海カフェが見えた。

群生地にはまだレブンウスユキソウは影も形もない。代わりにミヤマオダマキなどが群れ咲いていた。

やっと礼文滝への入口に着いた。さて、無事に滝まで辿り着けるかな。手前までは10年ほど前に入ったことがある。

笹原を抜け、林を抜け、ハイジの谷を見下ろすペーターの丘へ。Jさんはここでのんびりしてると言うので、ひとり谷へ下って海岸の礼文滝を目指した。途中で、登ってくる人たちに聞くと、何ヵ所か徒渉するポイントがあるが、最後がロープもなく水量も多かったので、そこで引き返してきたと皆さん言ってる。ま、行ける所まで行ってみるか。

ハイジの谷。小川沿いに小径が続く。
行く手には西海岸の海が見えている。
途中までは、このようにロープが張ってあって徒渉もしやすい。
ここが最後の徒渉ポイント。川幅も広く水量も多いし、ロープがない。実はレブンウスユキソウ群生地に腕章を巻いた町役場のパトロール員がいて、滝までの道を尋ねたら、ちゃんと川の中の岩も固定して、ロープも張ってあるから問題なく行ける、と言っていたのだが…。
ま、無理はやめとこ、と先へは断念。この日出会った中に、滝まで行ったという人は2人いたが、後の5~6名はみな断念組だった。

ペーターの丘に戻ると、Jさんがレブンウスユキソウが咲いてると教えてくれた。おお、いいもの見られてよかった。10年前に、この近くでレブンアツモリソウを見たので、今回も探したが見つけられず。で、林道まで戻ると、さきほど出会った町役場のパトロール員がそこにいた。レブンウスユキソウが咲いていたと話すと、未確認だったらしく、自分の眼で確かめに行った。その時、レブンアツモリソウは咲いているんだけど、と言う。それなら先に教えてくれればよかったのに。もう今は咲かなくなったのかと思っていた。

彼らは車で移動している。林道へは一般の人はもちろん車は乗入れ禁止。

さて、帰りますか。向かうのは香深。今日もうすゆきの湯で一風呂浴びてヒコさんの迎えの車を待つ。

林道の先、正面に利尻富士が聳えていた。いいねえ。
うすゆきの湯からも利尻富士がバッチリ見えた。もちろん、露天風呂からも見える。

さて、島抜けの日。朝食後、香深港まで送ってもらった。

途中、ゴマフアザラシの群れを見た。いつもこのあたりにゴロゴロしている。
行きも船はアマポーラだったが、帰りもアマポーラ。ラッキー。走ってる船の中では一番新しい船で、2等椅子席があるのが助かる。
この日は6月1日。桃岩荘は開所日なのだ。歌と踊りのお見送りが有名なのだが、まだ見送る客はいない。まずは今年初の客のお出迎えにやって来たというわけ。
おそらく、マラソン大会にこのコスプレで走るんだろうな。マラソンと言っても10㎞コースとのことだったから。

そして、星観荘のヒコさん、同宿の皆さんのお見送りを受けて、出航。

ありがとう。また来るからね。また会いましょう。

行きの船ではまったく見えなかった利尻富士がくっきり海に浮かんでる。

本当は礼文島から利尻島へ渡るつもりだったのが、利尻島もマラソン大会があり、そっちは参加者も多く、本格的大会で、4月の初め時点ですでに島中の宿は全室予約済み。今年は残念ながら利尻島は諦めたのだ。

さて、これから宗谷エリアを巡るのだが、この続きは別ページで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?