見出し画像

201606 タイのリゾートアイランドでビールを飲めないとは

 リゾート地にはあまり興味がないのだが、珍しく昨夏、タイのサムイ島に出かけた。羽田を深夜に発ち、バンコクのスワンナプーム空港で乗り換え、早朝、サムイ空港着。南国のねっとりした空気が出迎えてくれる。チャウエンビーチのホテルに荷物だけ預けて町へ。町はまだ眠っていて、店も閉まっている。マッサージ屋が1軒開いていたので、足マッサージをしてもらった。オイルを塗って丁寧に揉んでくれる。1時間たっぷり揉まれて、疲れもとれた。200バーツ、約700円と安い。

 昼前になってもまだチェックインできないので、昼ご飯を食べにタクシーでラマイビーチの先まで。海岸沿いのシーフード料理の店。ワタリガニの揚げ物、エビすり身のさつま揚げみたいなもの、ソムタムという青パパイヤのサラダなど、どれも安くて大変美味しい。本当はこの日はタイの仏教の祝日のため禁酒日。でもビールを出してくれた。こんなに美味しい料理にビールがないなんて考えられない。おかげで昼間から少々飲み過ぎた。目の前の海では、若者が両足から水をジェット噴射して空に浮かぶマリンスポーツに興じていた。

 ホテルに戻り、今度こそ無事チェックインして落ち着いてから、ビーチへ。遠浅のきれいできめ細かな白い砂浜。リゾート客は西洋系が多いが、中国系も結構目立つ。日本人は少なめ。ビーチにはアクセサリーや宝くじなどの物売りがやってくるが、ホテル寄りに引かれたラインから内側には入れない。猿や大トカゲを肩に載せた若者もいる。有料記念撮影が彼らのビジネスらしい。

 部屋でシャワーを浴びてから、イサーン料理(タイ東北部の郷土料理)の店へ徒歩で出かけた。道路脇の電柱からは何百本という電線がぶら下がっていて異様な景色。30分ほど歩いてやっと目的の店に着くと店内は現地の人達で混み合っている。気がかりであったビールは、今日は禁酒日だから出せないとそっけない。しょうがない。

 豚の喉肉のタレ焼き、青パパイヤのサラダなど、どれも美味しい。焼き鳥風のガイヤーンも日本人の口には合う。アヒルの嘴を揚げたのは名物料理で、そのままパリパリ食べられて旨いが、これは切実にビールがほしくなる。飲み物はスイカジュース。辛い料理が多いので爽やかな甘味に癒やされる。

 3日目は現地ツアーを予約してあった。送迎車でジャングルの中の民俗村のようなパークへ。まず、象や猿の曲芸、ムエタイ(タイ風キックボクシング)のショーなどを見て、お待ちかねの象乗り体験。象の背の籠に座ると、象使いが象を歩かせる。足で象の耳を押したり引いたりして操縦する。ゆらりゆらゆら、いい気分。その後、小型トラックの荷台を椅子席に改造した車を猛スピードで飛ばして島の南部へ。離島タン島沖でシュノーケリング。珊瑚礁と熱帯魚の眺めを堪能し、ドリアン畑の中を登って、高台のレストランでタイ料理のランチ。同席したのはコペンハーゲンから来た家族。お父さんの愛車はトヨタ。魚は好きだけどお寿司は食べられないと言う。タイ料理もあまり口に合わないらしく、子供はチキンナゲットばかり食べている。

 帰国前日は海辺のホテル内のスパへ。海に面した大きな岩盤の上がスパになっている。まずは、ハーブの香りが立ちこめるスチームサウナで汗をたっぷり流す。潮騒が間近に聞こえる四阿(あずまや)のベッドに横たわると、ハーブを布で丸く包み蒸したハーバルバッグという熱いグローブみたいなもので全身をマッサージしてくれる。体全体が溶けていきそうなほど心地よい。ふと雨の匂いがすると思ったら、突然俄雨がざーっと通り過ぎていった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?