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2022年11月 小浜島

西表島の大原港から小浜島行きの船に乗った。鳩間島とは違って、小浜島航路はめったに欠航しない。小浜島は大きなリゾートホテルもいくつかあり、積極的に行ってみようとは思えず、これまで未訪。

思いの外、大きな船がやってきた。団体ツアーが一緒だったからだ。

小浜島はすぐ近くに見える。とりわけ由布島あたりからは目と鼻の先。が、30分以上かかることになっていて不思議だなあと思っていた。船に乗ってみてその理由が分かった。浅瀬が広く、大回りしないと小浜島の港には近づけないのだった。

島はすぐに見えるのだが、なかなか辿りつかない。

出航が少し遅れたため、15分近く遅れて小浜島に着いた。迎えにきてくれていた民宿のご主人も、遅かったね今日は、と言う。宿は港から坂を登った上にある集落の中にあった。鳩間島と比べれば島自体も大きいし、集落も大きい。

民宿だいく家。現在は素泊まりのみ。

一服後、集落周辺の散歩へ。意外に赤瓦屋根の家が多い。

サンゴの石垣、赤瓦屋根が、あちらこちらに見られる。
赤瓦屋根の上にはシーサーが鎮座する。
こちらは、昔の朝ドラ、ちゅらさんのロケに使われた「こはぐら荘」、重文指定。
見学はできない。
こはぐら荘の屋根の上のシーサー。

集落を外れると、サトウキビ畑や牧草地が広がる。

バナナの実と花。
ノゲイトウがあちこちにいっぱい咲いている。
ダイサギだろうか、たくさん見かけた。
馬やヤギもたくさん見かける。
鳩眞島と同じように蝶は多く、やはりここでもアサギマダラが多かったが、
これはスジグロカバマダラ。

こんもりした林の中には御嶽。回り込んで島で一番高い前岳の展望台まで登ってみた。

展望台からの石垣島方面の眺め。右上奥に石垣市中心街が見える。
西表島はさすがに大きいことがよく分かる。
平らな黒島も近い。右手には新城島も。
小浜島も猫が多い。

宿の近くの商店で明日の朝食とビールなど買い込んで宿に戻り、大相撲千秋楽観戦。地元柏出身の隆の勝と琴勝峰は2人とも7勝7敗で千秋楽を迎え、誠に残念ながら共に負けて負け越しとなってしまった。

大相撲観戦のお供はオリオンのプレミアムビール。

晩メシは予約しておいた居酒屋へ。小浜島の店は飛び込みでは入れない、予約は必須と下調べの中で分かっていたので、あれこれ手を尽くしたが、酷い対応が多かった。早目にと思い1ヶ月前に電話したらもっと間際にならないと受けられないと断られたり、宿に入ってからでないと予約受け付けないとか、そもそも電話に出ないとか。そんな中でやっと予約できた、島人ぬ居酒屋あーじゅ。宿から港方面へ向かい、小中学校を越すと、派手なペイントの店があった。

店の中はいかにも居酒屋風なんだけど。
看板猫は愛想なし。

一番乗りだった。2席しかないカウンター席へ。泡盛を1合からからでもらい、もずく酢、島豆腐冷奴、シャコ貝刺身を注文した。

冷奴はこんな嬉しい形で出してくれた。
シャコ貝刺身は酢醤油で食べるのがいいと言われた。

奥さんは石巻出身、可愛らしいお嬢ちゃんが時々現れてお手伝いしている。後からやってくる客は遠くのホテルから送迎しているようだ。島ではそのスタイルが中心。

仕上げに麩チャンプルー。

1時間半ほどでお勘定。宿に帰りコスタリカ戦を途中から観た。部屋のテレビは小さくて高い所に置いてあるから見づらいので、階下の食堂の大きなテレビで。
翌日も朝からよく晴れた。

窓の外を見たら、朝焼けが凄い色をしていたので、学校の向こうまで歩いて出たが、海が見える所に着く頃には、朱色が褪せてしまった。

昨夜、少し飲みすぎたようで、買っておいた朝メシは食べ切れなかった。反省。チェックアウトし、ご主人に港まで送ってもらう。

午前中電動自転車を借りた。ママチャリタイプ。

レンタルショップのオヤジさんが手作りMAPで、モデルコースを説明してくれた。最初に行けと言われたのは前岳展望台、昨日行ってるのでパスして、2番目から回った。北浜(ニシノハマ)。リゾートホテルの入口脇から海岸へ下る。

正面から見ると立派に見えたが、裏に回ると潮にやられてサビだらけだった。周囲には分譲別荘が立ち並んでいる。
ニシノハマには誰もおらず、景色を独り占め。
鳩間島と同じで、小さなヤドカリがいっぱいいた。

先へ進む。今度は島の反対側。マングローブ展望台。

ヤギがあちらこちらにたくさんいる。
展望台からは西表島が間近に見える。そして、由布島も。足下にはマングローブの林。

ここから、島の西部に細長く突き出した先の細崎(クバザキ)へ向かう。それなりにアップダウンがあり、電動でなければとても回れない。クバザキは小さな漁村。港は大きくて立派。

道路に堂々と寝ていたクロネコ。
だだっ広い公園の片隅にマンタ展望台。
漁港の脇には嘘みたいに美しいビーチ。真ん前にでっかい西表島。
クバザキには民家は少なかったが、こんなおしゃれな家もあった。

さて、この先はリゾートホテル、はいむるぶしの近くを経て行くが、そこに気になる施設がある。が、はいむるぶしはコロナ禍以降、宿泊客以外は敷地内へ立入禁止にしてると聞いた。ダメ元で電話して、どうしても見せてほしい、来島前にPCR検査をして陰性の証明書もあるし、ワクチンは5回目も接種済みで、と話したら、許可をしてくれた。ありがたい。
生まれ故郷の岐阜市には名和昆虫博物館があり、小学生の頃から何度か行っていた。その分館がここにあるのだ。

はっきり立入禁止の看板が出てる。
きれいに手入れされた敷地内を行くと、ありました。
島で見られる蝶の各種標本の他にも世界各地の珍しい昆虫類が展示されていた。
なぜこの島に名和昆虫博物館の分館があるのか、この説明で分かった。
イワサキ、の名前が冠された蝶たち。

さて、島の大半は回り終えた。

ヤギだけでなく、牛も非常に多い。
シュガーロードと呼ばれているらしい。
その割にはサトウキビ畑はあまりなかったが。

最後は、トゥマールビーチでのんびり海と対岸の石垣島を眺めて過ごした。SUPをしてる人達がいた。

遠浅のトゥマールビーチ。
沖合を船がすれ違っていった。
浜辺近くに咲いていた白い花はオドリコソウだろうかと思ったが、ゴマの花のようだ。
電線に止まっていたのはリュウキュウツバメ。

早目に自転車を返却し、あとはターミナルで過ごした。

手作りというグァバアイスが美味しかった。
石垣までの船は大型船が来た。団体客が乗り込んだ。

あまり期待せず訪れた小浜島だが、それなりに楽しませてもらうことができた。やはり、島はひとつひとつ個性があるなあ。

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