見出し画像

2024年6月 天売島

焼尻島からフェリーで天売島へ。

フェリーターミナルの左に青い目立つ看板の店。電動自転車を予約してあるおろろんレンタル。

今夜の宿、民宿竹内の女将さんが車で来てくれていたので、ザックを託した。おろろんレンタルで電動自転車を借り出し、時計回りの一方通行に従い、出発。

フェリーが焼尻島に向けて出航していく。

港周辺より島の東側の方が商店や学校などあり賑やかな感じ。床屋もある。

小中学校。立派な校舎が目立っていた。
まさか、高校があるとは思いもよらなかった。15名の在校生のうち、島の子はひとりだけ。あとは、いわゆる離島留学の生徒たち。高校は定時制とのこと。

島の中央部に野鳥観察ルートがあるみたいなので、自転車で突入してみた。借りたのはママチャリではなく、小ぶりながらおしゃれでスポーティなやつ。タイヤも太め。若い人たちが下草刈りをしていた。

ウッドチップを敷き詰めたルートもあった。
焼尻島のオンコの自然林とはまた異なる雰囲気。様々な野鳥の囀りが響き渡る。

周回道路に戻り、南下。と、行手の道路上にたくさんのウミネコ。近づいても飛び立たない。

海鳥も多いし、その糞も多い。
海際にわんさかウミネコが飛んだり、止まっていたり。

ウミネコがたくさんいた黒崎海岸から先は長い登り坂。電動でない自転車を使ってる人たちは、自転車を押してしんどそう。その脇をスイスーイと失礼。登り切ると、島の南西端、赤岩展望台。

通路の先に見晴台。青い海。
あの岩が赤岩かな。海の色がとんでもない。焼尻島で聞いたのは、焼尻は緑、天売は青。なるほどと納得。

さらに先へ進むと、海鳥観察舎。そこまで辿り着くのが大変。風がめちゃくちゃ強く、体ごと吹き飛ばされそうなほど。

観察舎の中には単眼望遠鏡が設置されていた。
アザミ。
エゾカンゾウが見頃。

やっと道は下り坂。観音崎。展望所からは、南西を見れば先ほどの観察舎、北東には天売島灯台が見えた。残念ながら利尻富士は見えず。

条件さえよければ、左手の海の彼方に利尻富士が見えるのだが。
チシマフウロが咲いていた。1ヶ月前の礼文島が懐かしい。

港に向けて坂を下っていくと、正面にドカンと焼尻島。近いなあ。

焼尻島を背景に、今回借りた電動自転車。2時間2000円と焼尻島より高い。
焼尻島がくっきり。

自転車を返し、この店の2階の資料館を見学。なんだか物持ちのいい家みたい。あれこれ雑多なものが溢れていた。

道具類や蓄音機、漁業用具などありとあらゆる雑貨物が並んでいた。
昭和20年、もともと潜水夫であった先先代が茨城から一家で移住。島の沖に座礁していた船からあれこれ引き揚げの仕事をしたそうだ。その潜水服。

昼メシはおろろんレンタルの隣の海友丸で。なかなか混み合っていて、女将の大声がうるさく、オペレーションもひどい。

塩ラーメン、850円。麺がきちんとほぐれてない。

一度、宿に寄るように言われていたので、寄ってみると、外出中で、部屋は2階の右、荷物はそこに運んであるとメッセージ。
午後は島内巡りツアーを予約してある。集合場所は隣の宇宙館。

お洒落な造りの宇宙館。公営施設かと思いきや、民間運営だった。
プロ写真家の写真作品が展示されている。
どうやって上から撮ったのかしら。
出発前にコーヒーブレイク。

さあ、いよいよツアー出発。え? ガイドは日本人じゃないの? アジア人2名。自己紹介で、ネパール人とドライバーはスリランカ人と分かった。このコース、島めぐりとの記載だったが、実質は鳥案内だった。島の歴史や文化などの話を聞けるのかと期待したのに、裏切られた。なぜ、ネパールとスリランカか、彼らは西遊旅行社の現地駐在員だった。あちらは冬場がオンシーズン、暇になる時期に夏が混み合う天売島へ派遣されているのだった。人使い荒いなあ。野鳥、とりわけ天売島の海鳥のことは一生懸命勉強したらしい。
結局、午前中と同じルートを今度はワゴン車で回る。まずは黒崎海岸。さっきも路上に食い散らされたヒナの死骸を見たが、これはオオセグロカモメの仕業。こういうことは説明を聞かないと分からない。

美味しい内臓のところだけ食べ散らすそうだ。
彼はネパールから来ているパトナ。ふだんはヒマラヤトレッキングの案内をしている。日本語も達者。

望遠鏡でオオセグロカモメのヒナを見せてもらったり、観察を楽しむ。

海べりには足が黄色く小ぶりなウミネコ、大柄で足がピンクのオオセグロカモメが入り混じって巣を作っている。
オオセグロカモメのヒナは、頭に斑点状の模様。
全身真っ黒な海鳥はヒメウ。
こちらはウミウ。
ウミネコのヒナは黒っぽい体毛。親鳥にエサをねだっている。

次は、赤岩展望台、さらに海鳥観察舎。

ウミウの巣。ヒナもいる。望遠鏡にスマホ付けて撮影。

ツアーは1時間半ほどで終了。7名の参加者の大半は、ウトウ帰巣ナイトツアーにも参加予定。宿に戻り、チェックイン。缶ビールを買って、宿の前のベンチに座り、焼尻島を眺めながら、ビアタイム。いいねえ。贅沢なり。

ここが特等席。日差しは強く気温も高いが、吹き抜ける風が涼しく気持ちよい。

ここ、民宿竹内は、HPを見て安くて料理が美味しそうだったので決めた。HPは宿の人が作っている訳ではなく、宿の熱烈ファンである常連客の手による。そういう宿はいい宿に決まってる。

夕食の膳。刺身はソイ、ホタテ、甘エビ。上はツブ貝とエビの焼物。その下、左から、タコ頭酢味噌、ナマコ酢、赤ガレイ煮付け。その下、左から、アワビの貝殻に載せたツブ水貝仕立て、糸コンニャクたらこ和え。鍋はソイやその他白身魚のアラ汁。すべて島で獲れたものばかり。
ウニの漁期は始まっているが、海が荒れて一度もウニ漁には出ていないそうで、残念ながら生はなく、冷凍ウニをさっと煮ほぐした一品。嬉しいよ、これでも。
酒は国稀の冷酒。

いやあ、飲兵衛にはたまらんメニュー。ナイトツアーに行くからと、18時ではなく17時半からの夕食。この後が控えてるので、酒をおかわりしたいのをグッと堪えて、1本だけで終わりに。それでもゆっくり1時間半ほどかけて味わった。
同宿のふたりのご婦人ともども、19時20分にワゴン車に拾われて、赤岩展望台へ。今夜は参加希望者が多く、18時50分発と2部制運行。現地には先発隊がいたが、彼らが引き上げた後は、じっくり観察できて、これか大正解であった。

赤岩展望台、ちょうど空が茜色に染まっていた。すでに、ウトウは帰り始めていて、それを狙うウミネコもわんさか群れ飛んでいた。
道路脇にライトを当て観察しやすくしている。

はじめは、展望台へ行く通路の下を見ていて、時折、帰ってきたウトウが巣穴に駆け込むのが見られて興奮していたが、写真を撮るのは不可能。ま、目にしっかり焼き付けておこうと思っていた。先発隊が帰り、道路脇のライトのあたりで待っていたら、おお、ヒナがウロウロしたり、親が現れたり、まるでショータイム。

クチバシの上に角が出てるのが親鳥。
本当はヒナのために小魚をたくさん咥えているシーンを見たかったのだが。ま、贅沢を言っちゃあかんな。
ヒナとのツーショットだあ!

いやいや、大興奮のうちにナイトツアー終了。宿まで送ってもらい、やっと風呂に入り、風呂上がりの一杯も決めて、就寝。
翌朝は、隣室のご婦人方、6時出発のケイマフリ観察ツアーにお出かけのため早朝からバタバタ。1万2000円もするツアーにはとても参加できないわ。

宿の昔の写真が飾られていた。
港へ散歩。真新しい漁船が停泊中。ピカピカ光ってた。

今日も天気はいいが、乗る予定の朝一の高速船は欠航じゃないかと島の皆さんは昨日言ってた。7時過ぎにならないと分からない。

朝日を浴びる焼尻島もいいねえ。
前を走る道路から見た民宿竹内。
平屋建てに見えるが、実は2階にも部屋がある。

7時過ぎ、町内放送があり、本日全便運航決定。よかった。次のフェリーでも、予約してある高速バスに間に合うのだが、せっかくなので羽幌の町も歩きたい。
7時半から朝ごはん。

朝はなんと言っても名物フノリが入った味噌汁。タコ刺身、岩海苔、茎ワカメ、モズク酢、生ホッケ焼き。ご飯も美味い。

洗面を済ませ、会計も済ませ、荷造りをしてから、商店まで買い物へ。港近くに土産を売る店がないのだ。

高校近くの川口商店。朝早くから営業中。
無料で遊べるパークゴルフ場もある。

女将さんにお礼を言って宿を後に港へ。乗船客は少なかった。

高速船、羽幌までは4170円。安くはない。

羽幌港から連絡バスで本社ターミナル、ザックを置いて、北海道海鳥センターへ。バラ園の隣。

それなりに手入れされたバラ園だった。無料。
バラ園。
本当は天売島へ行く前に立ち寄って、予習すべきだな。

本社ターミナルは待合室も粗末なので、羽幌ターミナルまで歩いた。途中、夏まつりで屋台が出て家族連れで賑わっていた。

海産物や焼肉など美味そうなものが並んでいて、皆さん楽しそうだった。

車庫に隣接したバスターミナルは、冷房も入っていた。昔の写真や道具類も面白い。

60年以上昔の光景。
バスマニアは大喜びするんだろうな。

さて、あと2泊。札幌と小樽だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?