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4thシングルが正念場? ~【櫻坂46】スタイルの確立に向けて~

 ヨーロッパ最大級の音楽授賞式「2021 MTV EMA」において、櫻坂46が「ベスト・ジャパン・アクト」を受賞した。
 ベスト・ローカル・アクト賞の候補として、日本のアーティストの中から5組が選ばれ、ファンによる投票によって決定される賞である。
 わずか1年ほどの活動実績しかないアーティストが、この中に選ばれたこと自体が、実に素晴らしいことである。ノミネートされなければ、ファンがどんなに頑張ろうにも、投票することすら出来ないことを考えると、ノミネートされたことが、既に快挙であると言ってよいだろう。
 メンバーの皆さんをはじめ「チーム櫻坂」の方々が、強い信念をもって、ひたむきに努力されてきたことが、このような結果へと結びついたことを大変に嬉しく思っている。ファンとしても、このような誇らしい日が迎えられたことに、心から感謝している。

 このような快挙が、「3」枚目シングルで成し遂げられたことは、偶然ではないだろう。
 「3」という数字は、
 1=点
 2=線(点と点を結んだもの)
 3=平面(3点を結んだ図形)
というように、「影も形もない状態から、初めて形になった状態」を表すものである。
 日本では、漢字で「三」と書くことで、三本の線が「天・人・地」=万物を表しているとされたり、「みっつ」という読み方から、願いが叶うことを表す「満つ(=満願)」と考えられてきたこともあり、大変に縁起がよい数字とされてきた。

 最近のライブや音楽番組などに出演している彼女たちを観ても、「櫻坂46」としてのスタイルが確立されつつあることが、パフォーマンスからも伝わってくる。まさに、自分たちのスタイルが「形になりつつある状態」と言えるだろう。
 このようなタイミングで、3rdシングルの「流れ弾」が受賞対象となっていることが、彼女たちの世界進出の願いが「満つる(満ちた)」状態になってきたことを示しているのではないだろうか。
 まさに、「3」が意味する事柄が、彼女たちに訪れていることの表れである。

 今回の受賞は、彼女たちが真っ正面から楽曲に向き合い、パフォーマンスしてきた今までの活動(=過去)が評価された結果である。
 これまでの彼女たちの取り組み方を見ているので、全く心配はしていないのだが、過去に対する評価に安心してしまうようなこともなく、今後も進化の歩みを止めずに、ますますパフォーマンスの精度を上げてくることは間違いないだろう。それでも、次の段階に進むためには、並大抵の努力では到達が難しいこともことも事実である。

 3枚目シングルで形になりつつあるチームカラーやコンセプトを、次の4枚目シングルでどのような形へと進化させていくのか、まさにこれこそが「櫻坂46の正念場」と言うことができるだろう。
 「4」は、1年の季節の移ろいを「四季」と考えたり、方位を「四方位(東西南北)」とするなど、古くから四つ揃うことで「完成する」「安定する」「基礎となる」ことを意味する数字と言われている。
 図形でも、3点で結んだ線(=面)の上に、もう1点をおくことで立体となることから、「次元が変わる」(=二次元の存在が三次元の存在となる)ことを表している。

 欅坂46時代を振り返ってみたとき、4枚目シングルは「不協和音」であった。
 1枚目「サイレントマジョリティー」
 2枚目「世界には愛しかない」
 3枚目「二人セゾン」
とリリースを重ね、さまざまなスタイルを模索していたこともあり、4枚目が大変に注目されていたのだが、「不協和音」によって、ある意味、欅坂46のスタイルが確立したと言うことができるだろう。
 「世界には愛しかない」や「二人セゾン」のように、笑顔が多く、明るいキラキラとした表情でパフォーマンスをしている楽曲があるにも関わらず、世間からの認識は、「笑わない」「社会や大人への反抗」というものとなってしまった。
 5枚目の「風に吹かれても」では、「笑わない」というイメージが前提となっていたことから、「笑顔のパフォーマンス」という前口上で楽曲パフォーマンスされることが多かった。6枚目の「ガラスを割れ!」以降も、一度ついてしまった世間からのイメージが覆ることはなかった。
 紅白に出場した時に披露した楽曲をみても、「サイレントマジョリティー」→「不協和音」→「ガラスを割れ!」→「不協和音」というように、世間のイメージ通りのものが望まれていたことがわかる。

 櫻坂46として、次の一手となる4枚目シングルは、将来をしっかりと見据えた上で、慎重に決めていく必要があるだろう。
 国内のみならず、海外のファンをも魅了するパフォーマンスとは、どのようなものなのか、自分たちの強みをきちんと分析しながら確立していくことが重要となってくるだろう。
 今までのシングルとは全く違うスタイルとしていくのか、今までの中で必勝と思われるパターンに寄せつつ進化させていくのか、選択肢は無数にある。
 櫻坂46となってからは、3人センター体制をとっていることもあり、一度に違うスタイルの楽曲が披露できる。それ故に、失敗を怖れること無く、世間をあっと言わせるチャレンジを続けていただきたい。

 欅坂46の頃から、彼女たちがリリースしてくる楽曲は、いつも世間の期待を超えたものとなっていた。それだけに、楽曲の初解禁では、ファンに違和感を与えてしまう場合も少なくない。しかし、それこそが新しさの証しである。
 初解禁された時点では、その異質さから、あまり歓迎されなかった「不協和音」も、今では、欅坂46を代表する楽曲として世間から認知されるようになった。東京ドーム公演では、イントロが流れただけで、観客が絶叫するほどの感動を与える楽曲へと成長したのだ。
 櫻坂46には、まだ「サイレントマジョリティー」や「不協和音」のように、国民の大半が知っているようなレベルの楽曲が出てきていない。
 櫻坂46の正念場と思われる「4枚目シングル」。ファンや世間からの予想や期待をどのように超えてきてくれるのか、今から、とても楽しみである。


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