「0」から「1」の功績 ~【櫻坂46】偉大なる先輩たち~
今週は、櫻坂46の「五月雨よ」と乃木坂46「Actually…」が初披露された。
それぞれのファンが、新曲について若干「違和感」を覚えたらしく、初解禁・初披露があってから、ザワザワと騒がしい。
そこでは「~らしい」という単語が飛び交っているのだが、ここで忘れてはいけないことがある。
坂道グループは、「乃木坂46」から始まっている。
AKB48全盛の頃、公式ライバルとして企画されたのだが、スタートしたばかりの頃は、ここまで「国民的な存在」になるとは、誰も予想していなかったかもしれない。
どうしても、有名なグループのアンチテーゼとして発足すると、「パチもん」扱いされることが多く、一定の期間、市場を湧かすことはあっても、長続きしないのが常だったからだ。
しかし、乃木坂46は、そんな自然淘汰にも耐え、今も続いている。
乃木坂46時間TVで「五期生お見立て会」が行われたことからもわかるように、引き続き、世代交代をしながら、これからも大きな未来を感じさせてくれる存在に成長している。
29枚目シングルが「欅坂46っぽい」という意見もあるのだが、そもそも、「欅坂46」は、乃木坂46の姉妹グループとして発足している。
欅坂46の絶対的センターとして知られている平手さんが、生駒さんセンターの「制服のマネキン」のMVを繰り返し観て、とても影響されたという話は有名である。
「唯一無二」と言われ、「今までのアイドルにはないスタイルを確立した」と評されることが多い「欅坂46」は、乃木坂46という存在がなければ、この世に生まれなかったのだ。
この世にない「何か」を創り出そうとしたことがある人なら知っていることだが、「0」から「1」にするための苦労は並大抵のものではない。
乃木坂46が、デビュー当時、どのような扱いを世間から受けてきたかについては、映画にもなっているので、知っている人も多いだろう。
大先輩たちが、10年にわたって、間なく断なく活動を続けてくれたおかげで、櫻坂46や日向坂46が存在できているという事実を、決して忘れてはいけないのだ。
その偉大なる功績へのリスペクトは、それぞれのロゴマークからも分かるだろう。
乃木坂46の「紫」に重なるようにして、「白」(櫻坂46)や「空色」(日向坂46)がロゴとして使われているのも、偉大な先輩たちの存在をしっかりと意識しながら活動をしていることの表れである。
ファンが勝手に、「欅っぽい」「日向っぽい」などと思っているグループコンセプトや雰囲気も、元々は、乃木坂46の中に「種」としてあったものである。
想像するに、櫻坂46と日向坂46をマネジメントしている会社が、「Seed&Flower」という名称であることも偶然ではないだろう。
そのような経緯や意義をしっかりと理解しているファンは、坂道グループ内のどのグループを応援していたとしても、「乃木坂46」への尊敬の念を欠かすことはない。
また、それぞれのメンバーをみても、実際のところ、非常に仲が良い。
それは、「ザンビ」や「ボーダレス」など、坂道合同の企画があった時に顕著に表れる。
特に坂道合同オーディションで加入したメンバー同士は、グループの垣根を越えた固い結束や信頼を感じることが多い。
先日卒業した新内さんのラジオに、尾関さんと松田好花さんが出演したことなども、その一つの表れと言えるだろう。
どちらかと言うと、メンバー同士より、それぞれのファン同士の方が、「違い」を声高に主張することが多いような気がする。
メンバーの皆さんは、どのグループにいたとしても、それぞれに刺激しあって、良いものを吸収しながら、今も進化を続けている。
そんなパフォーマンスが観られる世界に、ファンはもっと感謝するべきなのかもしれない。