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本番でしか学べないこと ~【櫻坂46】独特の緊張感がもたらす内在する能力の覚醒~

 円盤化しているライブ映像や録画した番組などを時系列に沿って観ていると、同じ楽曲でも、細かな演出の違いや振りの変更などを確認することができる。振付のTAKAHIRO氏が意図的にやっている部分もあるのだろうが、メンバーそれぞれが、カメラに抜かれる部分などで、独自に工夫している場合も多いようだ。
 また、MV撮影の時よりも、歌番組に出演している時。歌番組に出演している時よりも、ライブを重ねている時の方が、圧倒的にパフォーマンスのクオリティーが上がっている。楽曲披露の機会を重ねるごとに、どんどんと一体感が強まり、こちらに訴えかけてくるエネルギーも強くなっている。
 これから、年末年始の音楽番組ラッシュが始まる。毎週、何らかの番組で彼女たちのパフォーマンスが観られるのが、ファンとして、とても嬉しい。
 以前、欅坂46時代に、番組ごとに楽曲を変えてきたこともあった。普段であればTVでは観る機会がない「避雷針」や「月曜日の朝、スカートを切られた」「エキセントリック」などが披露された時、結構な反響があったことを思い出す。世間一般がもつアイドル楽曲の印象を覆すパフォーマンスに、善し悪しは別として、人々の感情が揺さぶられたことを示していると言えるだろう。このように異質なものは、人々の記憶に残りやすい。
 3rdシングルが発売された後だけに、今年の年末は、「流れ弾」が披露される機会が多くなるだろう。3人のセンター曲の中で、一番攻めた演出であることもあり、世間に対するインパクトという面でも、「流れ弾」が一番適しているのかもしれない。
 ファンとしては、せっかく3人のセンターがいることもあり、メドレーで3つの楽曲を披露したり、森田さんや理佐さんの楽曲を披露する機会があると楽しみが増えるのだが、他のアーティストとの絡みもあるため、なかなか実現は難しいだろう。

 ただでさえ忙しい年末という時期ではあるが、アニバーサリーライブが出来ることは、彼女たちにとって、プラスに働くだろう。
 レッスンを重ねることはもちろん大切なことであるが、やはり、人前でパフォーマンスをする時の緊張感から生まれる集中力と気合いは別格なものである。人は得てして、そのような場面に遭遇すると、意識的な制御が効かなくなり、自分でも思ってもいないような力を発揮することがある。
 今年の活動で言えば、『櫻坂46 BACKS LIVE!!』がそれに当たるだろう。センターやフロントというポジションでパフォーマンスをすることで、殻を破ったメンバーをたくさん確認することができた。特に、遠藤さんや大沼さんなど、新二期生の成長が目覚ましかった。それまでの少し自信なげな様子がすっかりと影を潜め、明るく誇りに満ち溢れた表情でパフォーマンスをしている姿に、思わず目を奪われることも少なくない。

 次のライブによって、また新たな輝きが発見できることを大いに期待しつつ、一つひとつのパフォーマンスをしっかりと堪能していきたい。


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