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エピソードを準備することの重要性 ~【櫻坂46】バラエティーに臨む心構え~

 今回(11月7日)の「そこ曲がったら、櫻坂?」(「そこさく」)は、「第1回 櫻坂あるある発表会」という企画で放送された。

 最近の「そこさく」は、メンバーの人となりを知ることができるものとして、グループ内エピソードを紹介するものが多い。ファンとしても、ふだんの活動からは知ることができない彼女たちの新しい一面を知ること出来ることもあり、嬉しい企画である。
 このような企画は、前提として、メンバー内の雰囲気が悪いと成立しない。TV番組などは特に、ちょっとした表情や言動で、そのあたりの関係性が出てしまうことが多いので、注意が必要だ。
 全国ツアーやそのためのレッスンなど、メンバー全員が同じ活動をしていることが良い方向に働いているのだろう。一期生と二期生の関係性が深まっている様子が、ライブMCや「そこさく」からも伝わってくる。
 以前は、どうしても、同期の内輪ネタが多かったが、今は、期をまたいだ先輩・後輩の交流を感じさせる話が増えてきている。
 自分たちの冠番組の中で、エピソード内容や話の組み立てなどを練習しておくことで、外番組に出た時にも、世間の受けが良い鉄板ネタを準備することが可能となるだろう。
 その際に用意するエピソードには、次のようなルールが必要だろう。

①人を傷つけないものであること
②メンバーをディスるものは、極力避けること
③コンプライアンス的な観点から問題がないこと
④グループの価値を下げないものであること

 少なくとも、上の4つは、守るべき最低限のものと言えるだろう。面白さを優先しすぎて、特定のメンバーを傷つけたり、エピソードを見聞きしている視聴者の気分を害するようなものであったり、グループのパフォーマンス評価に影響があるような内容のものは、極力避けるべきであろう。

 「日向坂で会いましょう」(「ひなあい」)を観ていると、日向坂46のメンバーは、お互いのエピソードを紹介するのが非常にうまい。
 絶妙なバランスで、面白いメンバーエピソードを次々と披露していく時の連携プレイは、番組をとても盛り上げている。
 これは、彼女たちの元々の才能という面もあるのだろうが、メンバー同士の仲が良く、相手を愛情を持って観察しているからこそ、出来ることだろう。
 もちろん、MCであるオードリーのお二人が、しっかりと彼女たちの話を面白おかしく味付けしてくれている手腕も大きいのだろうが、そもそものところで、メンバーから出てくるエピソード自体が強い。
 ふだんから、エピソードトークで使えそうな出来事を意識的にストックしているのだろう。そうでなければ、あれだけの速さでMCから振られた質問に対応できないだろう。けやき坂46時代から、アンケートにびっしりと回答を記入している様子が紹介されていたが、そのような番組への前のめりな姿勢が、今の業界内の評判につながっていることは確かである。

 「そこさく」でも、「ひなあい」ほどではないが、エピソードトークだけで番組が成立するようになってきたことは、大きな成長と言うことができる。
 以前、「バラエティー力の向上」と「楽曲パフォーマンスから受ける印象」の相関性について、一つの仮説を述べたことがあったが、どうやら杞憂であったようだ。

 先日の『1st TOUR 2021』の余韻から、過去のライブ映像を改めて鑑賞した際も、彼女たちのパフォーマンス力の向上をはっきりと感じることができた。歌やダンスが、一目でわかるくらい圧倒的に素晴らしくなっている。

 櫻坂46として、どのようなコンセプトとスタイルで活動をしていけばいいのか。
 より楽曲の世界観やメッセージを届けるために出来ることは何か。 
 そのような課題について、日々答えを模索している中で、自分たちが不得意とする部分を克服するために、地道な努力しているのだろう。
 すぐに成果は出ないかもしれないが、進む歩みを止めなければ、いつかは克服することができる。

蝸牛かたつむり ゆるゆる登る 富士の山

 小林一茶の作と言われているものだが、好きな俳句である。

 彼女たちの歩みは、確実に前進している。
 その進歩を日々感じることができるのが、ファンとしても、大きな喜びである。


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