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彼女がくれた贈り物とは? ~【櫻坂46】卒業コンサートの意義~

理佐さんの卒業コンサートが終演してから、少し時間が経った。
思いが詰まりすぎていて、すぐには記事に出来なかったのだが、少しずつでも感想を残していくことにする。

まず、今回の卒業コンサートの最大の意義は、このようなライブが開催できるようになったこと自体にあると言えるだろう。
グループで活動している限りは、全員が自分のもつ目標や夢を叶えることができないという宿命があるが、それでも、真摯に活動に取り組んでいれば、このような形で、有終の美を飾ることができるということを示した意義は、とてつもなく大きい。
特に二期生たちにとっては、憧れの先輩が素晴らしい前例を作ってくれたことで、自分たちも大きな夢を抱くことができるようになるだろう。

二つ目は、欅坂46の封印を解いたことである。
昨年末の梨加さんと守屋さんを送り出すために行われた卒業セレモニーでも、欅坂46の大人気ユニット「青空とMARRY」の楽曲が解禁されたが、表題曲をはじめとして、まさかこれだけの数が披露されるとは予想だにしていなかった。
セレクトされた楽曲自体は、「THE欅坂46」というものは少なかったが、ライブで必ず盛り上がる曲はもれなく披露されていたのではないだろうか。
しかも、その披露に当たっては、欅坂46初期のころからの伝統でもある「代理を置かない」スタイルがとられていた。
これは、欅坂46の「21人の絆」を表現した形なのだが、その場にいないメンバーの場所を空けたままパフォーマンスをすることで、欠けたピースともいうべきメンバーの姿が、観客たちによって補完されるという効果をもたらす。
実際、観客たちの間では、いなかったはずのメンバーの姿が見えたという意見も多かったようで、長らく封印された形となっていた「欅坂46」をその呪縛から解き放つことに成功していた。
ファンにとっても、あのパフォーマンスがまた観たいという要望も多かったので、今回のコンサートによって、その夢が叶ったと言えるだろう。
理佐さん自身も、苦楽を共にしたメンバーたちと、一緒に卒業の瞬間を迎えたいという気持ちがあったはずである。
理佐さんと同じステージに立っていた一期生の8人も、同じ気持ちだったに違いない。
楽曲を披露していたメンバーたちと、それを観ていたファンによって、目の前の舞台は、確実に「欅坂46」のライブになっていた。

3つ目は、櫻坂46が、既に欅坂46を超える存在になりつつあるという事実を示すことである。
セットリストをみても、櫻坂46の楽曲から始まり、間に欅坂46の楽曲パートをはさむ形で、再び櫻坂46の楽曲パートに戻るような流れとなっていた。
櫻坂46のメンバーとして卒業するため、当たり前とも言えるのだが、それ以上に、欅坂46の楽曲を途中にはさむことで、櫻坂46の楽曲の素晴らしさがより際立っていたのではないだろうか。
今回の卒業コンサートを通して観た時、あれほど切望していたはずの欅曲以上に、櫻坂46の楽曲に魅力を感じている自分がいた。
彼女たちが真摯にパフォーマンスに取り組んできたことによって、グループが大きく進化していることが実感できた。
これは大きな収穫である。
理佐さんがやりたいことをやり切ってくれたことで、ファンも思いを遂げることができた瞬間とも言えるのかもしれない。
理佐さんが卒業を考えていた時、「これなら安心して任せることができる」と思うことができたのは、今の櫻坂46の姿があったからだろう。
そして、自分が実感した「誇るべき櫻坂46」をもっと知ってもらって、一人でも多くの人から愛してもらうために、このコンサートの演出が組まれていたことは間違いない。
一見、自分がやりたいことをやっているようにみえて、実は、ファンやメンバーが一番満足し、もっとも輝くためにセットリストが組まれていたように感じたのだが、それは気のせいだろうか。

活動する中で、いつもそっとメンバーを支え、勇気づけてきた理佐さん。
最後の最後で、そのような「さりげない優しさ」を見せてくれていたとしても、決して不思議なことではない。






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