素敵なファンに支えられて ~【櫻坂46】ラジオ出演のメンバーコメントから感じられること~
櫻坂46となってから、特に感じられるのが、メンバーのコメント力が非常に向上していることである。
最近は、ラジオでもコメント出演などが続いているため、普段は余り出演しないメンバーのコメントも聴くことができる。
欅坂46時代は、一部のメンバー以外は、余りコメントが得意ではなかったことから、ラジオ出演やインタビューなどの機会も少なかった。
その言葉にできない感情や情熱を、パフォーマンスという表現手段でしか伝えることが出来なかったことが、彼女たちが持つ独特の雰囲気や鬼気迫る世界観の源泉となっていた。
ある意味、この「不器用さ」こそが、彼女たちの魅力でもあったのだが、今は、きちんと自分の言葉で伝える術を身につけたことから、パフォーマンスだけに頼る必然性が薄れてきていると言えるだろう。
話すテーマが同じであっても、それぞれのメンバーが自分の言葉で話しているため、本当にコンセプトや歌詞の中身まで理解して、表現していることが伝わってくる。
彼女たちのこのような成長に歩調を合わせるかのように、今回のシングル曲として、「五月雨よ」のような曲調の表題曲が与えられたのは、偶然ではないはずである。
ファンは、どうしても、以前の欅坂46から続く、激しく迫力のあるパフォーマンスを好む傾向があるのかもしれないが、4枚目シングルのような世界もきっちり自分たちのものにして、新しい「櫻坂46」像を築き上げている彼女たちの姿を観て、じわじわとそのスタイルも受け入れられているようである。
この「変化」や「成長」を容認するところが、櫻坂46ファンの良さとも言えるだろう。
改名後、さまざまなジャンルの曲に挑戦している姿をじっと見守り、応援しつづけているファンの様子からは、「グループを応援すること」の意義すら感じることができる。
楽曲やMVがたとえ自分の好みではなかったとしても、それについて拒絶したり、反対したりすることもなく、「彼女たちが日々進化している姿」自体を堪能しているように見えるからだ。
このようなファンに支えられている彼女たちの進化は、留まることを知らないだろう。
様々な観客たちの嗜好や求めるものを、貪欲かつ柔軟に吸収しながら、全て「櫻坂46」色に染めて表現していくことが許されているからだ。
偏ったジャンルに拘泥することなく、多種多様なものに挑戦することで、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、ファンにとっては、楽しみでしかない。
今は、「本物の実力」を着々と蓄えている時期である。
そんな彼女たちの姿を、来月のフェスや卒コンというライブの場で、しっかりと味わっていきたい。
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