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だんだんと ~【櫻坂46】「僕のジレンマ」MVの解禁日~

3月21日に春分の日を迎え、文字通り、暑さ寒さも彼岸まで・・・という気候となってきた。
東京や神奈川の開花宣言もあり、まさしく「桜」の季節と言えるだろう。
欅坂46から改名した時、正直、季節を感じさせる名前はどうだろう?と思っていた。
しかも、刹那的な儚さが、日本的な美しさと考えられている「さくら」をグループ名とすることは、かなり挑戦的なようにも感じていた。
海外で活動する時に、日本を代表する花の名前がついていることは、有利とも言えるのだが、4つのシーズンのうち、1つだけを打ち出していくことは、活動の恒常性という面から考えると、あまり相応しいとは思えないネーミングと言えるかもしれない。

改名してから、桜を題材とした歌が作られるわけでもなく、春という季節から連想されるような「卒業」「入学」「スタート」を感じさせるような楽曲も与えられないまま、活動を続けている。
唯一、「櫻坂の詩」があるが、欅坂46時代の「二人セゾン」を想起させるような世界観が歌われている。
これは、ライブなどの最後に歌われることが多く、全員が参加している曲であり、グループの紹介曲とも言えるのだが、どちらかと言えば、ファン向けで内向きな要素が強い。

今日の22時にMV解禁となる「僕のジレンマ」も、メンバー全員が参加する曲である。
卒業を控えている理佐さんが、センターとなって披露される最後の楽曲である。
歌詞だけを見ると、ジレンマの末に、残ることを選択した主人公の話となっているのだが、何度も聴いていて感じることは、ここで重要なのは、物語ではなく、そこで語られている台詞こそが重要であると言うことである。
なぜなら、理佐さんが、ずっと愛し続けている「櫻坂46」というグループを、「離れる」と決心するまでの葛藤が、一つひとつの歌詞に込められているように感じられるからだ。

ジレンマ
今すぐに行かなきゃいけない
わかっているのに 足が動かないんだ
ジレンマ
でも君をひとりだけ残していけない
心が引き裂かれるから

櫻坂46「僕のジレンマ」より

歌詞の中には、理佐さんが、一大決心をするに当たって、自分自身を説得するような台詞も登場してくる。

夢を追う代償は 残酷に過ぎていく時間だ
何を捨てて 何を得るつもりか

人生で大切なのは選択することだ
すべてを手に入れようなんて 虫が良すぎるってこと

優柔不断だと言われても構わない
無理だよ
どちらかをひとつだけ選べと言うならば
ここに残って後悔しよう

この世には 何一つ 割り切れるものなんてない
生きるということは ジタバタともがくこと
誰も迷うことなく まっすぐは歩けない

櫻坂46「僕のジレンマ」より

理佐さん自身も、今回の楽曲について、「自分の気持ちが歌詞になっていると感じた」ということを、ラジオなどで話している。
理佐さんが卒業するタイミングで書かれているため、彼女への当て書きの要素が強いのかもしれないが、どの歌詞も、何かを選択する時に、誰もが遭遇する気持ちばかりである。

さまざまな葛藤を経て、「卒業」という決断をした彼女の姿を目の当たりにし、この楽曲やMVに触れることで、勇気をもらう人も多いだろう。

今夜公開されるMVの中で、凜々しく旅立っていく理佐さんが、どのように描かれているのか、非常に楽しみである。


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