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支える人 ~【櫻坂46】渡邉理佐という存在~

 3rdシングル「流れ弾」MVの中に、田村さんが後ろに下がり、メンバー数人で下から持ち上げた状態のまま、空中で踊る場面シーンがある。

 MVでは画面が暗いこともあり、誰が担いでいるのか分かりにくい。
 シングル発売のタイミングに合わせる形で、音楽番組でパフォーマンスを観る機会があったので、そこでも、このシーンに注目していた。
 土生さん、武元さん、大園さん、菅井さん・・・そうか、今回は4人で担いでいるんだぁ・・・などと思いながらも、少し違和感がある。

 このような力業ちからわざが必要な場合、たいてい理佐さんが登場する。
 これは欅坂46時代からの伝統とも言えるもので、思いつくままにあげてみても、
・「不協和音」
  原田さんをリフトする土台ベース
・「語るなら未来を」
  平手さんが座りながら歌う場面の椅子役
・「避雷針」
  平手さんが走りながら飛び込む相手役
・・・などなど。
 理佐さんが、メンバーを支える役割となることが多い。そのような認識があるせいか、今回のシーンに異質なものを感じたのだ。

 しかし、それは、単なる見落としであった。いくつか出演している音楽番組の中に、そのシーンを違う角度から映しているものがあった。そこで、田村さんの腰を右腕で持ち上げ下から支えている「理佐さん」を確認することができた。しかも、顔も映らない裏方という形でサポートしているではないか。今までは、メンバーを支えつつも顔が判別できる形であったのだが、今回は、画面に映ることもなく、ひたすら土台に徹している。

 理佐さんは、non・no専属モデルとしても活躍している人気メンバーの1人である。その人柄から、メンバーからの信頼も厚く、グループ内でも人気が高い。
 今年の夏に行われた『W-KEYAKI FES』で、日向坂46の佐々木キャプテンが、理佐さんと写真を撮るために、メンバーが列になっていたというエピソードを披露していたくらい、他のグループの中でも憧れの存在である。

 にも関わらず、パフォーマンスとなると、彼女は「支える立場」でいることが多い。
 櫻坂46となってからも、センターの3人が思う存分やりたいことができるように、精神的にもパフォーマンス的にもサポートしているようだ。このことは、彼女自身もインタビューの中で話している。
 あのビジュアルとスキルがあれば、当然、センターに立っていてもおかしくないのだが、二期生メンバーがより輝けるように、小林さんとシンメのポジションで、しっかりとサポートしていることが、パフォーマンスからも伝わってくる。
 二期生の立場からすると、自分たちが、迷ったり葛藤したりしている時でも、頼れる存在がそばにいることで、それらを振り切って、パフォーマンスに集中することが可能となるだろう。
 欅坂46として、いろいろと紆余曲折を経てきていることで、一期生たちは強くなった。と言うより、強くならざるを得なかったといった方がよいのかもしれない。それらの経験から得たものが、二期生たちを支えるときに、大いに役立っていることは間違いない。

 「流れ弾」のセンターである田村さんの立場になって想像したとき、パフォーマンスの最中に後ろ向きに歩いて、そのまま身を任せるというのは、相当に度胸と勇気がいることだろう。
 後ろに控えているメンバーを心の底から信頼していないと、このシーンは成立しない。1stシングルから現在までの活動期間を通して、一期生と二期生の間で育まれた信頼関係を教えてくれるもの。それこそが、「流れ弾」の倒れ込むシーンではないだろうか。
 そして、この大事な場面の核となっているのが、やはり「理佐さん」という存在なのである。
 「流れ弾」をフルサイズで披露する時には、武元さんがメンバーが作る土台の上にダイブする場面がある。そこでも、台の一番下で、うつ伏せになって支えているのは、理佐さんである。
 理佐さんの上に勢いよくメンバーが集結するため、観ている方もヒヤヒヤしてしまうのだが、顔を防御する姿勢で待機している様子に、ここまで自分を捨てて、献身的にパフォーマンスできるのは、理佐さんだけだろうなぁ・・・と、ついつい感心してしまう。
 センターの二期生4人を輝かせるために、全力でサポートし続ける理佐さんの姿は、いつも神々しいほどに美しく光り輝いている。

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