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SHOWROOM審査の意味 ~【櫻坂46】唯一無二というコンセプトが生まれた理由~

『レコメン』(文化放送)の月曜Wパーソナリティーが、櫻坂さくらざか46キャプテンの菅井さんから、副キャプテンの松田里奈さんに変わった。
CDデビュー直後から、欅坂46(櫻坂46)情報を届けてくれる貴重な存在だっただけに、交代したパーソナリティーが引き続き、櫻坂46メンバーとなって、正直ホッとした。
交代後の初回放送では、井上梨名さん、武元唯衣さんも駆けつけて、とてもにぎやかで楽しいものになっていた。
上品ながらも、天真爛漫な様子に魅力がある菅井さんとは、また別のスタイルで、振られたことに全力で応えようとする松田さんの人柄の良さが、存分に発揮されていたのではないだろうか。

欅坂けやきざか46時代、グループの危機的な状況でも、世間に対して、しっかりと状況の説明やその後の決意などを伝えてくれたキャプテンの菅井さん。
松田さんには、そのような場面が訪れないことを願うばかりであるが、番組を盛り上げていこうとする松田さんの存在は、すぐに番組にとって、欠かせないものになるだろう。

欅坂46の一期生は、おとなしく話すことが得意ではないメンバーが多い。
実際にCDデビュー当初から振り返ってみても、ラジオパーソナリティーとなれたのは、平手さん、小池さん、菅井さんの3人であった。その後、土生さんも加わるが、彼女の場合は、発言の意外性を買われての起用だったように感じる。
外番組などでインタビューを受ける時は、ラジオ組のメンバーにプラスして、副キャプテンの守屋さん、グループきっての秀才ねるさん、演技力に定評がある小林さんの発言が使われることが多かった。

乃木坂46の妹グループとして募集されたメンバーの中で、SHOWROOM審査を経ずに合格しているのは、欅坂46一期生のみである。
けやき坂46ひらがなけやき一期生からは、全員SHOWROOM審査を受けて合格を勝ち取っている。
そこでは、不特定多数に向けて自分をアピールし、興味を持ってもらうことでランキングをあげていくことが求められる。
この審査は、タレント能力の高さや自己プロデュース力が試されるものと言えるだろう。
必ずしも、ランキングが高い人が合格するわけではないようであるが、それでも、短い審査期間の中で、記憶に残る存在となるのは大変である。
そんな難しい審査を勝ち抜いてきたメンバーたちは、すぐにライブやラジオなどに出演しても、物怖じすることも無く、しっかりと対応ができているように感じられる。

それに比べ、このような試練を経てこなかった欅坂46一期生は、自分の魅力や気持ちを人に伝えるのが、あまり得意ではない。
総合プロデューサーの秋元氏も、オーディション当時の様子を次のように話している。

一般的にアイドルというと、元気よくあいさつをする子達のイメージが強いが、欅坂46のオーディションで集まったメンバーは、アイドルのオーディションと思えないくらい笑わないし、媚びないし、不思議な子たちだった。

~『ごごナマ』(NHK)

そんな彼女たちの様子が、デビュー曲『サイレントマジョリティー』の着想となったようだが、通常であれば、アイドルとは真逆な人たちと思われても仕方が無いだろう。
このことからも、今までにない唯一無二のアイドルというコンセプトは、彼女たち自身から生まれてきたことがわかる。

それでも、活動をしているうちに、段々とアイドルをしている自分たちに慣れてきたのだろう。
ライブ後に、秋元さんから「自分たちが持っているアイドルという観念をぶちこわせ」と注意されている様子が、ドキュメンタリー映画でも紹介されていた。
せっかくの持ち味が失われてしまうことを見かねての発言だと思うが、適格な指摘である。
対応力が高く、素直な平手さんは、活動初期のころ、己の虚像に違和感を覚えながらも、一番アイドルらしい振る舞いをしていた。
しかし、この秋元さんの発言を受けて、「今までにない」ということを追求していくようになったのではないだろうか。

「今日は一日“秋元康ソング”三昧2018」(NHKFM)に平手さんが生出演した際も、秋元氏が「平手はすごくクリエイティブな人」という表現で、彼女とのやりとりの様子を紹介していた。
とにかく、二人とも寝ないらしく、どんなに遅い時間にLINEしても、返事がくるのだと言う。動画などで他のアーティストや作品で良いと思ったものを共有したり、ダンスやMVで使えそうなアイデアを頻繁に提案したりするのが、平手さんだった。
このエピソードを見ても、彼女が、グループ最年少でありながらセンターに立った責任を果たすために、経験や知識が少ない点を補うべく、必死に努力していたことがわかる。

振付のTAKAHIRO氏から伝授された「表現することの意味」を、真摯に実践していく彼女たち。口下手ゆえ、言葉で表現できない分、ダンスに気持ちをのせて、パフォーマンスをしていく。
その姿が、後に続く坂道アイドルたちの憧れとなったことは、もう説明するまでもないだろう。


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