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「夢を与える存在」であり続けること ~【櫻坂46】理佐さんの卒業をみていて~

昨晩の「そこさく」では、理佐さんの卒業を記念した企画が放送された。
初期からのファンにとっても、初めて観るような現場もあり、今回のように普段の活動状況を知ることが出来るというのは、非常な貴重なものである。
番組を観ていて感じたことは、一期生の皆さんが真摯に活動に取り組んできたということだ。
ダンスや演技、ウォーキングなど、活動の基礎となる部分をみっちりと練習してから、デビューをしたという事実を改めて知ると、あの衝撃的なデビューも当然の結果なのかもしれない。
番組の中で、過去の活動を振り返るということは、今まで余りしてこなかったので、理佐さんが卒業するタイミングで、このような企画が実現できたのは、後々、彼女の大きな功績と言われるようになるだろう。

一期生同士は、さまざまな困難を共に乗り越えてきているので、それほど語らずとも、気持ちが通じ合っているのが観ていてもわかる。
そのため、昔話に花を咲かせているだけでも、お互いに信頼し、それぞれが相手の個性を尊重していることが伝わってくる。
これこそ、7年の重みである。

その点、二期生に対しては、言葉や行動を通じて彼女たちを支え、伸び伸びと活動しながら成長していけるように、さりげない形で環境を整えていたのだろう。
二期生の皆さんが、理佐さんに対して感謝の気持ちを伝える場面を観ていても、理佐さんだけでなく、先輩たちが二期生たちに向けてやってきた気配りやサポートが、きちんと受け止められている様子がうかがえた。
日頃から、楽曲を大切にし、その世界観を伝えるために研鑽していることから、言葉だけでなく、それが生まれる根幹となる気持ちの部分も疎かにすることなく、真っ正面から受け止めるように心掛けているため、人の気持ちや心遣いに対して敏感になっているのだろう。
本来、その部分を開放してしまうと、感受性が強くなりすぎて、世間に出たり、人と会ったりすることが怖くなってしまうことも少なくない。
しかし、彼女たちは、あえて鋭敏な感受性をそのままにした状態で、活動を続けていくことで、「楽曲を届ける力」にしているのだろう。
これがパフォーマンスの原動力となっていることは間違いない。

番組の中で、意外だったのは、理佐さんが溺愛していた藤吉さんを「叱っていた」という事実である。
もちろん、これは藤吉さんへの大きな期待の裏返しなのであるが、慈愛が溢れる理佐さんらしいやり方と言えるかもしれない。
慈悲極まりて憤怒ふんぬ形相ぎょうそうとなっている不動明王のごとく、厳しく険しい表情となって「叱る」のは、その人の魅力や実力を認め、潜在能力ポテンシャルの高さを感じているからこその態度であり、最大級の愛情表現とも言えるだろう。
穏やかなお顔をされている観音様も、救う相手に合わせる形で、顔や姿を「三十三相」に化身すると言われている。
思えば、理佐さんのことを他のメンバーが話しているのを聞いていると、話す人によって、思い浮かべる姿が大きく異なってくる。
意識してやっているわけではないのだろうが、ごくごく自然に、相対する人に合わせる形で、その場に相応しい姿を表に出すことができるというのが、理佐さんの凄さなのかもしれない。
将来、必ず、櫻坂46の中心的存在として活躍してくれると信じているからこそ、気づいた時に必ず注意していたのが、理佐さんの言葉からも窺い知れる。
子供の成長に合わせて、その愛し方も変わっていくように、藤吉さんを「溺愛している」状態が続いていたことが、今回のエピソードからもわかる。

理佐さんが卒業を発表してから、その後の経緯を見ていて思うことは、「このような卒業の仕方は、一つの理想形である」ということだ。
もちろん、全員が卒業する時、これだけの待遇を受けることはできかもしれないが、メンバーに「夢」を与えるという意味では、大きな役割を果たしたと言えるだろう。
このように夢を与え、憧れの存在であり続けるためには、見えないところで沢山の努力をし、多くの涙を流してきたはずである。
それを感じさせることなく、力強く大空に向かって羽ばたこうとしている姿を、最後までしっかりと目に焼き付けておきたい。

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