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必勝パターンを見つけた? ~【櫻坂46】「らしさ」の模索~

 先週から今週にかけて、歌番組での新曲「流れ弾」披露が続いている。

 欅坂46時代からの伝統であるが、回数を重ねるごとに、パフォーマンスの質が上がってくるところが、本当に素晴らしい。

 振付自体も、披露する機会ごとに工夫が凝らされており、番組独自のカメラワークと連携する形で演出が変わるので、毎回見逃すことができない。

 メンバーの皆さんも言っているが、今回の振付は、今まで以上に激しい。ビジュアルが良いことも櫻坂46の強みなのだが、髪まで踊るダンスのためか、顔が一瞬しか映らないことも少なくない。

 それにも関わらず、メンバーそれぞれが、一瞬に魂を込めて、しっかりと楽曲の世界観を届けようとしているのが、画面からもビシビシと伝わってくる。
 以前は、フォーメーション全体で、曲の世界を形成しようとしていたことから、どちらかと言うと、個を前面に出さないパフォーマンスとなっていた。
 しかし、今は、個をしっかりと主張していくことで、全体のパフォーマンスを力強いものにしている。
 楽曲自体の強さとパフォーマンス、圧倒的なビジュアル・・・。それら全てが、傍観者の目を、無理やり画面に向けさせる力となっているのではないだろうか。

 振付の物語性が戻ってきていることも、こちらに刺さる要因であろう。
 欅坂46時代の「クールでかっこいい」要素と、櫻坂46となってから追求されている「凜とした女性らしさ」という要素が、今は美しく融合され、調和してきているように感じられる。
 「流れ弾」では、新しい試みとして、素足によるダンスが採用された。「むきだしの感情」という楽曲の中にある世界を、より直接的に表現する手法としては、非常に効果的であったが、世間が抱いている坂道グループ全体のイメージからは、かなり逸脱している。
 そのため、既存のファンにとっては、少し戸惑いがあったことも事実であろう。
 このような感覚は、欅坂46時代に「エキセントリック」のパフォーマンスで、履いている靴を片方脱ぐという演出があった時にも抱いた記憶がある。
 それでも、万人に受けることを考えてパフォーマンスをするより、たった一人でも構わないので、誰かの心を動かすようなものを創り出していくことの方が、結果的に、世間に強いインパクトを残す結果につながるのではないだろうか。

 歌番組やライブでのパフォーマンスに触れて、2ndシングルまでに抱いていた違和感が完全に払拭されてきたように感じられる。

 このことは、彼女たちが改名当初から模索していた「櫻坂46らしさ」を掴みかけていることを示しているのかもしれない。

 今回のパフォーマンスから得られた感覚が本物であるのか、来月はじめに開催される「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE」で、しっかりと確認していきたい。




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