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煌めきの中で ~【欅坂46】二人セゾンの中にある運命の暗示~

昨日のライブ後、櫻坂46運営から、ライブのセットリストをまとめた、各ストリーミング用のプレイリストが発表された。

以前から、自分でもやっていたことなので、このようなサービスはとてもありがたい。ライブの興奮も冷めやらない状況で、楽曲を再生していると、パフォーマンスの様子やメンバーたちの表情が浮かんでくる。

最後の「櫻坂の詩」を聴いた流れから、ついつい「二人セゾン」のMVが観たくなってしまった。
肌寒い季節になってくると、この曲が聴きたくなるのだが、「櫻坂の詩」の中にある「満開の桜の木を~」という歌詞から、

花のない桜を見上げて
満開の日を想ったことはあったか?

というフレーズを思い出したことも影響したのであろう。

それにしても、欅坂46屈指の名曲である「二人セゾン」は、歌詞の表現やメロディーが、本当に素晴らしい。
MVも秀逸である。
新宮監督の作品となっており、この楽曲から、欅坂46の表題曲を全て担当している。
日向坂46の「ってか」を観ても感じたのだが、新宮監督の作品は、こちらに伝わってくる情熱が凄まじい。カットを多用する手法から生み出される疾走感によって、パフォーマンスも3割くらいパワーアップしているように感じられる。
櫻坂46の楽曲も、また担当して欲しいなぁ・・・などと思いながら、「二人セゾン」のMVを観ていた。

卒業してしまって、今はいないメンバーたちの笑顔が懐かしい。
  志田さんと菅井さん
  鈴本さんと佐藤さん
  ねるさんとWわたなべ
  今泉さんと小林さん
パフォーマンスの中で、ひと組ずつ前に出てくるメンバーが、MVの中でも、同じ組合せで登場する。

この組合せ、撮影当時は意図していなかったと思うのだが、不思議と片方のメンバーだけが、今もグループに残っているパターンが多い。
鈴本さんと佐藤さんのペアだけが、どちらも卒業しているが、それでも佐藤さんは、欅坂46の終焉ともいえるラストライブまで活動を継続していた。

去る側と残る側。これらの組合せは、いわば「その瞬間ときの煌めきと儚さ」「その後に訪れる別れ」を感じさせるものと言うことができるだろう。
このように意図しない偶然の産物ですら、その後の活動の行く末を暗示するものになってしまっているのが、このグループの面白いところである。

以前、MVで描いている世界が、その後の平手さんの活動とリンクしているように見える点について述べたことがあったが、新宮監督は、メンバーの現状や与えられた楽曲に込められたメッセージから、鋭く本質を捉えて映像化する能力が高いのだろう。

「二人セゾン」のMVを制作するとき、監督がメンバーに対して、次のような話をしたらしい。

「ずっとメンバーと何年間も、何十年間もいるわけじゃなくて、今しかないから、そのメンバーといる時間を大切にしてほしい」

当時はまだ、3枚目のシングルMVを撮影している時である。
「こち星」で平手さんと米谷さんが、このエピソードを紹介していた時には、まったくピンとこなかったのだが、現状から振り返ったとき、この言葉の的確さに驚く。
デビュー後1年も経っていないグループに対して、既にこのような発言をしていることが、非常に興味深い。
「サイレントマジョリティー」の大ヒットから、快進撃を続けていたこともあり、ファンだけで無く、メンバーですら予想だにしていなかった欅坂46の活動休止という事態。
その予兆は、既にこのころから現れていたのかもしれない。
 

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