強さの証明 ~【櫻坂46】「1st TOUR 2021」配信ライブによせて~
9月から始まった「櫻坂46 1st TOUR 2021」も、昨日の埼玉スーパーアリーナ(SSA)で、無事に千穐楽を迎えることができた。
福岡、名古屋、大阪、埼玉と計4カ所で開催された今回のツアー。
櫻坂46を精神面やパフォーマンス面で支えている小林さんは、結局、最後まで復帰することはなかった。
小林さん自身、埼玉県出身と言うこともあり、欅坂46時代から、SSAでライブをすることを切望していただけに、最後の3日間で復帰というサプライズがあるのでは・・・という期待が、ファンの間でも流れていたが、それは実現されることもなく終了してしまった。
昨日は、配信ライブの形で参加したため、細かな部分は、現地で参戦された方々にお譲りするとして、純粋にパフォーマンスという面だけでお話したい。
全体としての印象は、今までの櫻坂46ライブ史上、最高の仕上がりだったのではないだろうか。
全国で披露してきたライブを通じて、細かな修正や改良が加えられてきたのだろう。昨日は、その集大成として、歌やダンス、楽曲間のつなぎやMCなど、流れるような構成で、最後まで世界観を崩すことなく、パフォーマンスされていた。
まず一番に感心したのは、どの楽曲も、歌が素晴らしく良くなっている。まったく危なげなく、CD音源を超えるレベルで、こちらに届けてくれていた。これくらい歌えるようになったのであれば、次回のCDやアルバムでは、是非ともハイレゾ音源での配信販売を復活してほしいと感じたほどである。
各メンバーのダンスも、確実にスキルアップしている。楽曲パフォーマンスはもちろん、ダンストラックでも、各自の思いや情熱が、こちらに押し寄せるような勢いで伝わってきた。
会場が広いこともあり、どうしても引き画が多くなるのだが、振りが細部まで揃っていて、観ていて心地よい。これは、ライブごとに、パフォーマンスを確認して、修正してきた結果であろう。グループ全体が、高い意識でライブに臨んでいることが、このようなことからでも感じることができる。
お休みをしている小林さんのポジションや歌割りは、代理のBACKSメンバーがきっちりと勤め上げていた。
「私たちがで、櫻坂46を、強くする」というテーマのもと、開催された『BACKS LIVE!!』。当初、その開催を聞いた時、正直あまりピンとこなかったのだが、今回の全国ツアーで、その正しさを証明してくれた。
日向坂46のように、全員が一丸となってパフォーマンスをする形ではなく、「櫻エイト」+「BACKSメンバー」というスタイルでパフォーマンスをする櫻坂46。
欅坂46時代は、欠席したメンバーがいた場合、そのポジションをあけたまま、歌割りも別のメンバーが歌うこともなく、パフォーマンスされることが多かった。それは、休業しているメンバーに対して、「戻ってくる場所がある」というメッセージとなっており、「21人の絆」を示すものであった。
センターの平手さんが休業しているときも、しばらくの間は、その形が踏襲されていたが、お休みの期間が長くなってきたころには、代理センターというスタイルがとられるようになった。
乃木坂46では、別仕事などで音楽番組に出演できないメンバーがいた場合、そのポジションは、選抜以外のアンダーメンバーが代理でパフォーマンスをする。そのため、欅坂46のポジションあけのパフォーマンススタイルに、少し違和感があったことを憶えている。
今回の全国ツアーでは、『BACKS LIVE!!』によって歌やダンススキルを向上させた「BACKSメンバー」が、非常に活躍していた。
櫻エイトや表題曲の選抜メンバーになれなかったことなどから、自信を無くしがちであった彼女たちが、自信に満ちあふれた顔つきでパフォーマンスをしている姿は、実に頼もしい。
3人のセンターを置き、各センターの楽曲ごとにBACKSメンバーが参加することで、グループ全員がパフォーマンスをするという櫻坂46のスタイル。BACKSメンバーのスキル向上によって、このスタイルが、とても強固なシステムになってきていることが、今回のライブでも、はっきりと確認できた。
この強さに加えて、歌もダンスも素晴らしいスーパーエースの小林さんが戻ってきたら、とんでもないことになるだろう。
昨日の千穐楽では、12月9~10日の2日間、デビュー1周年を記念した『1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』の開催が発表された。
伝統ある日本武道館という大舞台で、さらなる進化を遂げた25人による最後のパフォーマンスを、しっかりとこの目に焼き付けていきたい。
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