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取り戻しつつある「人との温もり」 ~【櫻坂46】「五月雨よ」MVに見る社会の変化~

「五月雨よ」のMVが、順調に再生回数を伸ばし続けている。
1週間となろうとしている今、150万回を超えているのは、なかなかの注目度と言って良いだろう。
同時期に解禁された他のアーティストのMVが、どちらかと言うとポップなものが多かっただけに、今回の16㎜フィルムによるアナログ感が、新鮮に映ったのかもしれない。

活動時期が新型コロナウィルスの世界的な感染拡大時期とかぶってしまったため、人と距離をとることが求められるようになった。
櫻坂46も、活動中、しっかりとソーシャルディスタンスをとり、感染予防措置を徹底していることもあり、感染者や濃厚接触者を出さずに済んでいる。
そのような活動スタイルの中にあって、今回のMVは、メンバー同士の接触シーンが多い。

欅坂46時代は、「アンビバレント」や「黒い羊」などを見返してみても、これでもかと言うくらい、メンバー同士が抱きしめたり、折り重なるように身体を密着したりしているシーンがたくさん登場する。
人の存在や温もりが、「救い」になることを直接的に表現しているのだが、今、これをやろうとしても難しいだろう。
「Nobody's fault」でも、徐々に重なるように身体を密着するシーンがあるが、向き合う形ではなく、全員が同じ方向を見てスクラムのような形をとっている。ここでは、皆で力を合わせて、困難に立ち向かうという姿勢が強調されていると考えるべきだろう。

その点、今回の「五月雨よ」では、撮影方法と演出が相俟って、再び、その「温もり」感を表現できるようになってきた。
これは、社会全体で、新型コロナウィルスと対峙する方法に変化が出てきたことが影響しているのかもしれない。

MVの中で、バストショットが多く、覚えやすい手の振りが採用されたことも、ファンと同じ振付をすることで、一体感を高めようとしていることがわかる。
「五月雨よ」のCMが、TikTokで配信されているのも、今回の振りを覚えて真似をしてもらうことで、一緒に盛り上がりたいという意図が感じられる。
MVが初解禁された朝の情報番組でも、田村さんや山﨑さんが、この振付に触れていることから、今回のテーマが、ファンとの「触れあい」であることは間違いないだろう。

メンバー同士が仲良くしている様子は、メンバーのブログでも見ることができる。
最近は、卒業を控えている理佐さんとの画像が多くアップされているのが嬉しい。
この4枚目シングルの活動期間が、理佐さんと活動できる最後となることから、もう遠慮することなく、悔いが無いようにしているようだ。
ぎゅっと抱きしめるメンバーがいたり、好き過ぎて、緊張から少し距離を保ったまま一緒に写っていたりする「微笑ましい」様子が見られることは、ファンとしても貴重な機会である。
これからも、出し惜しみすることなく、どんどんアップしてくれることを期待したい。

昨夜の理佐さんのSHOWROOMでも、理佐さんが特別仕様盤のジャケット撮影をしている様子を、藤吉さん、森田さん、山﨑さんがずっと見学していたことを話してくれたが、普段とは違うモデルモードの理佐さんが、メンバーに見られているのを恥ずかしがっている様子が可愛らしかった。
このような「ほっこり情報」は、ファンが一番知りたいことでもあるので、エピソードトークとして、どんどん披露して欲しい。

昨晩起きた東北地方の地震の影響で、新情報の解禁スケジュールが変更されそうだが、こればかりは仕方ない。
新曲のプロモーションも大切だが、それよりも、何か突発的な事態が起きたときこそ、人の真価が問われる瞬間である。
人に寄り添い、人の傷みを自分のことのように感じて、行動していくことが求められている時、人として何が出来るのか、今一度考えていく必要があるだろう。
そのような言動もまた、人を大切に思う「温もり」の感覚から生まれてくるものであることを忘れてはいけない。





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