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足立区の救世主 日暮里・舎人ライナー

日暮里・舎人ライナーは名前の通りJR山手線の日暮里駅と、足立区北西部の舎人地域を結ぶ9.7kmの新交通システムの路線。運営は東京都交通局、つまり都営。日暮里駅~足立小台駅の手前までが荒川区(西日暮里駅と赤土小学校前駅の間で北区をかすめる)、足立小台駅から見沼代親水公園駅までが足立区。見沼代親水公園駅はあと250mくらいで埼玉県草加市というところまで到達している。多くの人には馴染みないと思うけど「舎人」は「とねり」と読みます。申し訳ないけど新路線が開業しなきゃスポットライトが当たることはなかった場所としか言いようがない。

日暮里駅は駅東口に面して駅が。後ろに見える3棟はサンマークシティ、低層は商業施設やオフィス、都税事務所も入っている、高層階はタワマン。
埼玉県草加市の際から見た見沼代親水公園駅。こんな距離感。この道路の境目は草加市だけど、少し行けば川口市で、両市とも23区に接してるけど大概鉄道空白地帯が多いので越境利用者も多数いて、日暮里駅、西日暮里駅を除くと利用者が一番多いのが見沼代親水公園駅。
富士山が見えます。左の高層ビルが池袋のサンシャインシティ。

日暮里駅ではJR山手線・京浜東北線・常磐線と京成線、西日暮里駅でもJR山手線・京浜東北線と東京メトロ千代田線(常磐緩行線)、熊野前駅では都電荒川線と連絡しているほか、足立区内ではほかの路線との接続は無く、鉄道空白地帯へ枝葉のようにバス路線が広がる。路線は西日暮里駅以北はほぼ都道58号の尾久橋通りという幹線道路上に沿った直線になる。

日暮里駅を出てすぐJR常磐線を越え、奥に見える高架は京成線。この後京成線の上も超える。
西日暮里駅。JR駅からは少し離れている。この道の下には東京メトロ千代田線の駅がある。
西日暮里駅を越えると常磐貨物線の線路。この線路は常磐線開業時は田端駅に接続していた名残。今でも貨物列車が墨田川貨物ターミナル駅や常磐線方面へ方面へ向かっている。
見沼代親水公園駅方面から西日暮里駅へ、両側は中層マンションが連なる。
明治通り、環状5号線に当たる道路で白金から時計回りに渋谷、東新宿、池袋を通り王子、尾久ときて日暮里・舎人ライナーとクロスし、この画像の方面は三ノ輪、曳舟、亀戸方面となる。
熊野前駅では都電荒川線と乗り換え可能。こちら側が三ノ輪橋電停方面。
足立小台駅手前で隅田川を渡る。これは見沼代親水公園駅方面へ向かって左側、上流方面を見ている。
荒川を渡るとスカイツリーがよく見える。これは見沼代親水公園駅方面へ向かって右側、下流方面。
かなり画像が荒いですが車窓から足立区花火大会はこんな感じで見えます。
左手を見ると首都高C2中央環状線、奥には首都高S1川口線が分岐し荒川に沿って北上している。
江北駅と西新井大使西駅の間で環七を越える。これが見沼代親水公園駅方面みて左側。鹿浜、板橋方面。
江北は墨田川の北側の意味。江北駅は環七との交差点にも近く、途中駅で最も利用者が多い。隣の西新井大師西駅前には大型の団地が広がる。
舎人公園。23区最大規模の都立公園でちょうど晴れた休日の昼ということもありたくさんの家族ずれが降りて行った。右奥に見えるのが足立トラックターミナルと北足立市場で、23区北部の物流拠点。左の奥の遠方に見える高層マンションは、川口にあるエルザタワー55で埼玉一の高層建築。南北の位置関係でみると舎人公園駅と川口駅は同じくらいの緯度。この写真だと見えない反対側の舎人公園の敷地の地下には日暮里・舎人ライナーの基地がある。
舎人エリアは日暮里・舎人ライナーが開業するまで鉄道がない陸の孤島で土地も安かったことから、23区に一軒家をという需要を引き受けた。ぱっと見わたしても新しい家が多い。
見沼代親水公園駅から北を見る。左に見える島忠は埼玉県草加市。駅名の由来はこのエリアに農業用水を供給した見沼代用水から。当初はさいたまの見沼から用水していたのが足りなくなり、見沼に代わって利根川から用水路を引いたことから、江戸時代に見沼代用水と名付けられた。

開業は2008年3月とかなり新しい。ただでさえ元々鉄道空白地帯でバスに頼っていたエリアで、川口市や草加市のこのエリアは工場や運送拠点が多く、東北道に通じる首都高川口線沿いなどに物流拠点などがありながら、道路交通は貧弱。鉄道構想で地下鉄なども考慮されたものの、利用者とコストの試算から新交通システムを選択した。しかしいざ開業すると開業翌年には想定を超え、利用者数は年々右肩があり、ダイヤ改正の度に増発を繰り返してもあっという間にラッシュ時の混雑率ランキング上位常連に、2020年度のコロナ禍で全国的に混雑率は大きく減少したものの、元々車両が小さいので混雑率では1位となり、以降3年連続1位の不名誉?な状態。

分散乗車の案内あれど、始業時間は分散できないのでは?
日暮里駅だけがホームドア外が直接見える。2代目車両の330形。
最新3代目車両320形、開業15年で増発対応に3様式が現役。ステンレスとアルミの超軽量タイプ。

こんなに利用者も増えて混雑してるのに赤字が問題となっている。そもそも新しいから減価償却が重いのは仕方ないにしても、混んでるのに赤字なのは悲しい。原因として指摘されてるのは、通勤特化路線ということ。利用者における定期比率を見ると都電が50%以下、都営地下鉄が60%程度に対して日暮里・舎人ライナーは70%程度と定期利用者比率が高く収益率が悪い。それは沿線の状況からしても住宅街から都心方面の通勤需要特化、逆方面の見沼代親水公園駅側は乗り換えもなく、観光拠点やわざわざ行く町も無いから仕方がない。東京メトロ全線の定期比率が55%くらいと考えると、日々の生活の足を提供する純公営交通事業としての使命なのだろうか。

この駅から東に行けばちゃんと西新井大師がある。西新井大師の由来は空海こと弘法大師がこの地に開いたお堂の西側から新しい井戸が出来たことかららしい。新井という地名があってその西ではない。東武伊勢崎線の主要駅で西新井駅がある。


改札上の広告を出しているADEKAは荒川区創業、現在は創業地に本社と研究所を構え最寄り駅は足立小台駅。旧社名は旭電化工業。苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を電解法で製造することから電気化学工業。現代においても
プラスチック向けの添加剤、中間材料などの化学品でオンリーワンを多数持つ企業です。


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