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九州のローカル線巡り 甘木鉄道甘木線

鹿児島本線の佐賀県基山町の基山駅と朝倉市の中心である甘木駅を結ぶ第三セクターのローカル線が甘木鉄道甘木線。

甘木駅より乗りました。

1919年に筑後平野の中央部の大刀洗に帝国陸軍の飛行場が作られたことに始まり軍事都市として開発がすすめられていたところ、資材輸送や軍人・工員の利用など軍拡とともに手狭になり、国鉄により鉄道建設が進められることになる。そして太平洋戦争真っただ中の1939年に甘木線が開通。しかし戦後になると幹線から分岐する日本中の地方ローカル線と例に漏れず、国鉄末期には廃線候補ととなってしまう。

沿線自治体と沿線に工場を持ち貨物輸送をしていたキリンビールが出社して第三セクターとして国鉄解体の1年前に独立した。超僻地の田舎というわけではなくあるそもそも終点の基山から30分程度で博多に出れる恵まれた立地を生かし、増便や駅の新設などで利用者を増やし、経営状態は比較的良好とされている。

ワンマンの1両編成(ラッシュは2両も)で非電化単線という典型的ローカル線ながらも、平日は15分に1本ローカル線とは思えない本数が運行されている。この日は週末の昼間でも席が埋まるくらいの安定した利用者がいる様子で、甘木駅方面への折り返し待ちで基山駅に20人くらい並んでいた。

途中の太刀洗駅は飛行場の真ん中に作られていて、今では博物館や飛行場の遺構などの観光拠点になっているだけでなく、飛行場用地の一部は戦後には麒麟麦酒(キリンビール)福岡工場になりかつてはビールの輸送もしていた。駅だけ点がつく「太刀洗」で、地名は「大刀洗」なんだって。駅自体は大刀洗町ではなく隣の筑前町。

写真撮れていないので大刀洗平和祈念館のHPからお借りしましてます。

大板井駅は甘木鉄道になってから新設した駅で、大分自動車道の高速バス停を隣接している。ここからは福岡と日田を結ぶ高速バスひた号に乗り換えられる。この高速バスは1時間に2~3本と本数も多い。

小郡駅は利便性の向上のため西鉄小郡駅のそばに移設させている。並走している鹿児島本線と西鉄線を連絡する機能もある。

甘木鉄道小郡駅は西鉄小郡駅の少し北側
このホーム跡が旧築後小郡駅。

基山駅は佐賀県基山町になる。この辺りの鹿児島本線は福岡方面からくると一度佐賀県を通り、久留米でまた福岡県に戻るようになっている。周辺は九州の高速道路の一番の要所である鳥栖ICとJCTがあり、工場が集積したりアウトレットがあったりと栄えている。

知りませんでした。
福岡方面のホームから見える通り待っている人も複数人居る。

甘木鉄道の起点で車両基地と本社のある甘木駅は朝倉市の中心駅で、合併前の甘木市の中心。小倉から筑後を通り長崎や肥後へ抜ける最短経路の街道の拠点の町。

甘木駅構内の甘木鉄道株式会社本社屋

甘木鉄道の甘木駅の300mほど南に西鉄甘木線の甘木駅がある。西鉄甘木線は西鉄久留米駅(の二つ隣の宮の陣駅)から分岐していて、こちらは単線の2両編成の電車が走る。福岡・天神方面から見ると甘木鉄道よりも遠回りになり、本数的にも甘木鉄道の方が多く、福岡方面へのアクセスは甘木線の方が有利。

実はこの日の夜に西鉄貝塚線も乗りとおしたので、西鉄路線も全線制覇したことになります。





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