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370万都市を支える横浜市営地下鉄ブルーライン&グリーンライン

横浜市営地下鉄は正式には横浜市交通局高速鉄道事業、現在ブルーラインとグリーンラインの2路線がある。ブルーラインは青葉区のあざみ野駅から新幹線駅の新横浜駅、横浜駅などの中心部を通り、藤沢市の湘南台駅に至る40.4kmの路線、グリーンラインは港北区の日吉駅から緑区の中山駅に至る13kmの路線。両線は都筑区のセンター北駅、センター南駅で並走して十字にクロスしている。

横浜駅、市営地下鉄のYをイメージしたロゴのモザイク。
壮大な手作り路線図。ブルーラインは昼間快速も設定されている。
。ブルーラインは海をイメージした青。主要な目的地の行き先案内も親切。

ブルーラインとグリーンラインは愛称で、開業当初は1号線、3号線、4号線の3路線に分かれていたらしい。私は愛称ついている時代しか認識なし。1号線と3号線は関内駅を境に直通運行されているためブルーラインに統合、4号線がグリーンラインとなった。2号線は京急線の拡張、国鉄根岸線の開業、みなとみらい線の開業などで計画としては消滅している。

東急田園都市線との接続駅、あざみ野駅。青葉区。ちなみに中国語だと薊野。
国道246号、いつも混んでる場所。
新羽駅。車庫線が分岐する要の駅、
明治最初の横浜駅はこのあたりだった。山側は最近レトロさが再注目されている野毛などの下町、海側は港湾施設が再開発されたみなとみらい地区。
関内は横浜旧市街地の中心。ブルーラインはこの駅を起点に郊外に伸びる2つの路線が統合されたもの。
上永谷駅。丘陵地なのこの区間は地上にでる。港南区の大規模な住宅地の中心駅。
JR東海道線、横須賀線との接続駅の戸塚駅。東海道の宿場町で戦前に横浜市に合併された。
湘南台駅は2024年3月現在横浜市営地下鉄で唯一横浜市外にある駅。小田急江ノ島線と相鉄いずみ野線との接続駅。

高速鉄道というのは従来の路面電車と対比しての呼称で、日本各地の大都市と同じように路面電車の市電が邪魔者扱いされ、より大規模で高速の地下鉄に置き換えるという計画が生まれた。1972年、市電全線廃止と同じ都市に1号線の最初の区間の伊勢崎長者町駅と上大岡駅の区間が開業、その後関内駅、横浜駅方面、新横浜駅方面の3号線と、戸塚駅方面の1号線が順次延伸が進み、現在のあざみ野駅と湘南台駅の区間となったのは1999年。グリーンラインは現ブルーライン区間開業後に工事が始まり、開業は2008年。

この規模の都市にしては地下鉄整備は遅いし路線数も少ないのは、JR(国鉄)や東急、京急、相鉄と私鉄が充実していたこともある。市営地下鉄はそれらが通らない地域と横浜市の中枢である関内や、繁華街である伊勢佐木町を結ぶルートが採用された。地下鉄開通で利便性が良くなった地域は宅地化が進み、象徴的なのは横浜市北部で大規模に開発された港北ニュータウンで、このニュータウンの開発で港北区と緑区の一部が分離し都筑区が誕生している。港北ニュータウンの中心駅であるセンター南駅とセンター北駅の乗降者数はともに7万人程度で、市営地下鉄乗降者数の1位から横浜駅、センター南駅、戸塚駅、センター北駅、上大岡駅、あざみ野駅と並ぶ(2021年度)。途中駅で他社線への乗り換えが無いため乗り換え利用者が数に入らないのにこの順位はどれだけの栄え方かわかると思う。

センター南駅のより。グリーンラインは架線から電気を取る。
ブルーラインは線路から電気を取るので架線がない。隣のグリーンラインの線路と比べるとわかりやすい違い。
センター北駅とセンター南駅の間は早渕川が流れていて、丘陵地を開発したことかうかがえる。
センター北駅前には観覧車まである。
センター北駅。
両線が唯一クロスするのがセンター北駅とセンター南駅なので、市営地下鉄だけで4方向の列車が来ることになる。

今後の延伸計画としては、ブルーラインがあざみ野駅から川崎市麻生区の小田急線新百合ヶ丘駅まで、鉄道空白地帯を接続する区間が具体化しているものの、コロナ禍やらインフレで遅延中。一方のグリーンラインも壮大な横浜環状鉄道という計画の元、日吉駅から京浜東北線の鶴見駅、中山駅から南の相鉄線の二俣川駅と延伸構想はあるものの、具体的計画にまで至っていない。

少し古びたグリーンラインのPR広告、おそらく開業時のもの。
路線図。右下の県道と民有地の境目がこんなに目につくところにあるのは面白い。
グリーンラインはブルーラインに比べるとかなり短い。しかし日吉駅に連絡できたことで港北ニュータウンから都心方面へのアクセスが大幅に向上した。
グリーンラインは今まで4両だったのが順次6両化。駅はそれを見越して作ってあるので問題ない。
川和町。丘陵地を走っているのでこのように地上駅が飛び飛びで出現する。
丘陵地に住宅街が広がる。
中山駅は緑区。JR横浜線との接続駅、JR横浜線は横浜の丘陵地のなかでは最も古くから走る路線。ズーラシアは関東最大級の動物園。中山駅からバスでアクセスする。グリーンラインが延伸すれば最寄り駅ができるかも?

横浜市営地下鉄を運営する横浜市交通局の本部は横浜市役所内にあり最寄り駅はみなとみらい線の馬車道駅かJRと地下鉄が乗り入れる桜木町駅。ブルーラインが1日約48万人、グリーンラインが1日約13万人、2線で60万人超の利用者がいる(2022年度)。コロナ禍前の最盛期から利用者は10%以上減で、営業収益は約368億円に対して営業費用は減価償却費込みで約371億円の若干の赤字、補助金などで経常収支は約20億円の黒字となっている(2022年度)。市営地下鉄の横浜駅の乗降者数は約11万人、京急が27万人、東急が30万人、相鉄が30万人、JRが34万人と化け物ぞろいなので少なく見えるけれども日本有数のターミナル駅の一翼を担っている。

東京出身・在住歴30年余り、横浜にはいろいろな用事で行くことはあれど、横浜市営地下鉄に乗ったことは今までほぼなかった。記憶がある限り1回か2回くらいで就活の時で、目的地の駅は覚えているけどどこから乗ったかははっきり覚えていない。そんな感じその企業には縁もなく、それ以降就職してからも営業先にもならず今に至る。都民目線で言うと、観光で行く横浜はみなとみらい線のイメージだし、日産スタジアムも横浜スタジアムも横浜アリーナもパシフィコ横浜もKアリーナもぴあアリーナもJRか東急&みなとみらい線だし、新幹線乗るにしてもJR横浜線と東急で事足りてしまう。ただ横浜内陸部は環境も良くて土地も安かったことから、大手企業の拠点、研究所などが立地していることもあるし、もちろん大学などの教育機関も多数立地しているので、重要な交通機関となる。

上大岡駅。京急線との乗換駅。京急線においても特急が停車し、京急百貨店もある大ターミナル。港南区役所の最寄り駅。何度も通ってるけど初めて降りた。

そんなイメージの中で今回初めて全線乗ってみて、改めて海沿い以外の横浜の広さを感じることができました。


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